アナウンサーブログ

記憶をつなぐサクラ

2025.04.10 Thu
  陸前高田市の中心市街地からほど近い浄土寺では、4月8日(火)に早咲きのカワヅザクラが満開を迎え、プラス1の中継でお伝えしました。淡い紅色の花が、枝がたわむほどに咲きこぼれ、桜色の雲が夜空に浮かんでいるようでした。震災の津波に耐えしのんだ寺の鐘楼門と合わせてみると、厳かな雰囲気です。
NPO法人桜ライン311の岡本翔馬代表理事と
NPO法人桜ライン311の岡本翔馬代表理事と
鐘楼門の柱には津波の跡が残っていました
鐘楼門の柱には津波の跡が残っていました
  このサクラは、東日本大震災の津波が到達した市内の地点およそ170キロをサクラの木で結び、また津波が来たらサクラよりももっと高いところに逃げてというメッセージを伝えようという取り組み「桜ライン311」で植えられたものです。現在2370本が植樹されましたが、最初に植えたのが浄土寺のサクラなんです。
  
米崎町でも満開でした。海抜20メートルのこの場所まで津波が押し寄せました
米崎町でも満開でした。海抜20メートルのこの場所まで津波が押し寄せました

  テレビ岩手の社員は毎年ボランティアで植樹していて、私も震災の翌年に参加しました。当時見た街には被害の爪痕が色濃く残っていて、津波の恐ろしさを肌で感じましたが、いまは新しい街ができ、震災を知らない世代が増え、記憶の風化が進んでいます。そんな中で震災の記憶と教訓を伝える「桜ライン311」のサクラの存在は、今後さらに大きいものになっていくと感じました。何百年先の春も咲き続けることを願っています。
2011年11月の植樹会
2011年11月の植樹会
2025年4月8日浄土寺の満開のカワヅザクラ
2025年4月8日浄土寺の満開のカワヅザクラ
   桜ラインには、エドヒガンやベニシダレなども植えられています。これから順番に見ごろを迎えるそうなので、見に行ってみてはいかがでしょうか。
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