アナウンサーブログ

ハナミズキに込めた思い

2021.02.25 Thu
陸前高田のハナミズキ
陸前高田のハナミズキ
 サクラの花びらが風に舞うころ、見ごろを迎えるのがハナミズキの花です。私にとっては、亡き祖母と一緒に見た思い出の花で、白やピンクの可憐な花が咲くと心が癒されます。

 数年前、震災の記憶と教訓を描いた「ハナミズキのみち」という絵本の存在を知りました。絵本の中で、高台への避難の重要性を伝える役割を担っているのが「ハナミズキ」です。先日、絵本の文を綴った陸前高田市の淺沼ミキ子さんを取材しました。

 淺沼さんは10年前のあの日、市内を襲った津波で、当時25歳だった長男の健(たける)さんを亡くしました。健さんは消防団員でもあり、地震の直後、市民のいのちを守ろうと避難誘導をしていました。その際、母の淺沼さんは遭遇し、言葉を交わしていたのです。

 呼吸困難になるほど思い詰める日々の中で「いのちを守りたかった」健さんの思いを受け継ぎ、津波の怖さと避難の大切さを伝承することに決めました。その手段が、絵本の出版でした。また、市内の避難路に「ハナミズキ」を植樹するなど、淺沼さんの伝承活動は、いま広がりをみせています。

 「ハナミズキ」に込めた思いや、震災を知らない子どもたちへの伝承活動などを、25日(木)のプラス1内コーナー「海街リポート」でお伝えします。

自然は偉大!

2021.02.12 Fri


「お…大きい!」

壮大な自然の芸術に、圧倒されました。

きのうは、毎年2月11日に、花巻市石鳥谷町にある「たろし滝」で行われている「たろし滝測定会」の取材へ、初めて行ってきました。

沢水が凍ってできた「たろし滝」。「たろし」は、つららを意味する古語「垂氷(たるひ)」が訛った言葉だそうです。氷柱が太いほど「その年のコメが豊作になる」と伝えられてきました。過去46回で最大だったのが、1978年の8メートルで、その年は大豊作だったんですって。とにかく「縁起が良いビッグな氷柱が見たいな〜」と、張り切って出かけました。

しかし、試練が…。長い雪道を、ひたすら登らなければならないのです!右肩には、撮影機材が入ったカバン。左肩には、カメラマンと交代で、カメラの三脚も乗せます。日頃から運動不足の私にとってはかなり過酷で、何度も転んでしまいました。このブログを書いているいま、地面に着いたお尻がジンジンと痛みます。みなさんも出かける際は、足元に気をつけてくださいね。

一歩ずつ、ゆっくりと15分ほど登ったでしょうか。目の前に大きな氷柱が現れた時には、疲れを忘れました。厳しい寒さに恵まれて、立派な大きさに「成長」していました。 氷柱の周りを、大きなメジャーでぐるっと一周させると、ことしの太さが発表されました。結果は、6メートル10センチと、歴代8位の記録!自然は偉大ですね。

この測定会の発起人である89歳の板垣 寛(ひろし)会長が「コロナ禍で世の中は暗いけど、たろし滝が元気だせ!と言っているようだ」とおっしゃっていました。例年ですと、コメの豊作を祈願するのですが、ことしはコロナの収束も願わずにはいられません。

私も自然のパワーをいただいたので、ことしは良い年になるぞ!と前向きになりました。

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