2020.05.21(木)
2020.05.21 Thu
震災10年目の被災地の今を取材する、プラス1の月に1度のシリーズ「海街(うみまち)リポート」。2回目となる今月は、海の街の小さなお菓子屋さんを取材してきました。
120年以上前の明治時代から、陸前高田市中心部にあるその店は、9年前のあの日、商店街ごと津波で流されました。5代目店主の男性は、大切な家族や友人を失い、深い悲しみの中で、一時は廃業を考えたといいます。それでも、2年前にようやく、かさ上げされた新しい街の中心に本設の店をオープンしました。
こちらは店の看板商品、マドレーヌです。しっとりした食感に、優しい甘さとバターの豊かな風味が広がり、ファンも多いんです。震災後に「忘れえぬマドレーヌ」と名付けられました。その名前に込めたのは、かつての街や、今は亡き大切な人への「ある思い」でした。
新型コロナウイルスによる影響は、この店にも容赦なく経済的な打撃を与えていますが、この春、嬉しい変化もありました。仙台のケーキ屋で修業を積んだ長男が、跡継ぎになるために帰ってきたのです。
放送は、前編が22日(金)、後編が29日(金)のプラス1です。ぜひご覧ください。