2018.11.23(金)
2018.11.23 Fri
プラス1で木・金キャスターを担当している江口アミです。放送までの時間は、自分が記者となり、カメラマンと2人で県内各地へ取材に出かけています。
先日は、盛岡市内の小学校で開かれた「お米フェスティバル」の取材へ。毎年5年生は農業の大切さを知るために、もち米の田植えから収穫までを授業で行っています。この日は収穫を祝い、餅つきをして、餅を美味しく食べる日です。毎年恒例の行事ですが、ことしは特別なできごとがありました。
子どもたちにボランティアで米作りを教えているのは、地元で農業を営む70代の女性。お米の大切さなどを伝えようと、なんと30代から丸40年も続けてきました。「ごはんは残さずたべんのさ」「できねぇって言わねぇで、やってみんのさ」と、いつも元気に子どもたちを見守ってきました。卒業生みんなが知る“田んぼの先生”ですが、病気で入院したことなどをきっかけに、この日で引退することになったのです。
子どもたちは40年分の感謝をこめて、劇や感謝の言葉、歌を贈りました。歌ったのは、合唱曲「変わらないもの」。“君と出会った幸せを かみしめながら 歩いていこう 一年先も 十年先も これからも ずっと“ と、先生に教わったことはずっと忘れないよ、そんな思いを込めて、子どもたちがまっすぐな目で歌いました。それまで笑顔いっぱいで振舞っていた“田んぼの先生”ですが、両手で顔を覆い、ポロポロと溢れる涙をぬぐいました。感謝の思いが届き、40年の思い出がよみがえったのでしょうか。こちらまで温かい気持ちになる時間でした。
40年という時間は、とても長いですよね。最初に教えていた子どもは、もう50代で、今でも声をかけられることが嬉しいそうです。長く続けることは、とても大変なことですが、成し遂げた人生の先輩の姿を見ると、ただただ尊敬です。そんな“田んぼの先生”と子どもたちが作ったもち米が変身した美味しいあんこ餅やきな粉餅を、取材に来てくれたみなさんもどうぞと、いただきました。それはもう味わって、しっかりとかみ締めて。美味しかったなぁ。