アナウンサーブログ

変更と平和

2022.05.17 Tue
 大学受験時の選択科目が地理だったので、世界の地名に興味があります。各国の首都の名前は190か国ぐらい暗記した(いまは半分以上忘れた)もので、いまも会社に置いてある地図帳をよく見ます。
よく変わる地名で真っ先に思い浮かぶのは、カザフスタンの首都です。1998年から21年間で「アクモラ」→「アスタナ」→「ヌルスルタン」と変わっています。全部同じ都市です。(「アクモラ」の前は「アルマティ」という別の都市が首都でした)。「アクモラ」の由来は不明ですが、「アスタナ」はカザフ語で「首都」という意味。「ヌルスルタン」は2019年からで、当時の大統領が、前大統領ヌルスルタン・ナザルバエフ氏のファーストネームから取って改称したそうです(在カザフスタン日本国大使館HPより)。日本では考えられませんが、「東京」が「博文」とか「文雄」になる、みたいなことでしょうか。
愛読書の地図帳。
愛読書の地図帳。

最近首都の名前が変わった、というか日本での呼び方が変更されたのはウクライナの「キーウ」ですね。この春までは「キエフ」でしたがこれはロシア語の呼び方で、いまも続く戦争を受け、ウクライナ語版に改めようという国の方針です。その他の都市も「オデッサ」→「オデーサ」とか、「チェルノブイリ」→「チョルノービリ」などと呼び方が変わりました。今後日本で刊行される地図帳、教科書、観光ガイドブックなども、改訂されるものがあると思われます。歴史の転換点の一つと感じます。
ウクライナは自然もさることながら、歴史ある建物の景観がとても美しいそうです。改訂されたガイドブックを手に、各地をのんびり歩ける日はいつになるでしょうか。その日まで、その建物とそこに暮らす人の命がもうこれ以上失われることのないよう願うばかりです。どうか、一日も早い平和を。