材木町の北の入り口、夕顔瀬橋のたもとに２年前にできたお店。ともに29歳という若いご夫婦がオーストラリアとカナダで２年間カフェ修業を経験してから開いたお店。店に来た人々が笑い合い、いつも仲良しという風景に憧れ、そんな場所を作りたいと選んだ材木町。近所のお店のおばあちゃんたちにも愛され、とても居心地のいい空間を作り上げつつあります。

きれいに整備された石畳の河川敷に抜けられる、材木町商店街駐車場。そのすみに、ひっそりと古いお稲荷さんがあるのを見たことがありますか？江戸時代から昭和の初め、豪商として材木町に屋敷を構えていた宮重商店が祀ってきたお堂。今も、その子孫の方が毎日掃除をし、水を備え、手を合わせています。自分たちを守ってくれる何かにこうべを垂れる…。そんな雰囲気が残る街です。

１９７４年に始まった材木町よ市。お稲荷さんを祀り続けてきた宮重商店のご子孫など、商店街の人々が立ち上げました。今や材木町の代名詞ともいえる催しであり、開催日には多くの人々が訪れます。
始まって５０年近くになりますが、初回から参加し続ける店舗も今や１軒のみ。しかし、多くの新しいお店が加わり、新たな魅力を発信し続けています。

陸前高田から、毎週よ市に出店している焼きイモ屋さん『おいもの日』。
よくある石焼きイモではなく、高さ１mほどもある、大きなツボで焼く、ツボ焼きイモがウリ！
通常の焼きイモの倍以上という糖度…。サツマイモのデンプンは、加熱すると糖分に変わっていきます。焦がさず長く加熱できるこのツボ焼きが、甘さの秘密！一度食べると、後戻りできなくなるかも…。

材木町よ市で最も多くのお客さんが詰めかけるのが、『ビアパブ ベアレン 材木町』。
盛岡市内で作られる、伝統的なドイツの製法で作られるクラフトビールがよ市の日は、かなりお手頃な価格で楽しめるのです…。
毎週土曜日、ここに来れば友に会える…と集う方々も。
眼前をたゆたう北上川の流れを眺めつつ、楽しきひとときを…。

材木町商店街を歩くと、いくつかの大きなオブジェが目に止まります。大きなチェロや花壇、シルクロードを記した地図などに混じり、石の上に腰掛ける宮澤賢治の坐像も。そう、全て宮澤賢治に関するオブジェなのです。賢治と材木町の関わりとは…。光原社にある『マヂエル館』に展示されている、賢治生前に唯一発行された童話集『注文の多い料理店』を見ながら、解説を読んでみてください。木漏れ日が優しい午後に訪れると、きっと何かを感じとることができる場所です。

その宮澤賢治のオブジェの一つ『絹座』の前にある、ちょっと変わったものを扱うお店が『カラマツトレイン』。店内に所狭しと並ぶのは、機関車のプレートだったり、列車の運転手さんが使っていた古い懐中時計だったり。ここは、鉄道グッズのお店。居並ぶ個性的な品々に目を奪われて気づかないのですが、実はものすごい古民家で営業しています。江戸末期から明治の頃に建てられたらしいこの建物。店主の明るさに惹かれてか、かつて親と一緒に北海道から来た中学生が、「就職したよー！」と駆けつけてくるような温もりのある関係がつながる場所。ほっこりとした出会いがある場所です。

材木町には、いつも子どもの声が響く、なんともおしゃれな建物があります。玄関を開けて、中に入ると素敵なカフェか、雑貨屋さんか…と思えるデザインの内装。しかし、そこは保育園。盛岡を感じられる、この材木町という町全体で子どもを育てていこうという思いで、この場所で子どもたちを預かります。町の皆さんに見守られながら、大きくなあれ！