番組審議会

この議事録は公式の議事録をそのまま掲載するものです。

第318回 番組審議会 議事録
平成10年1月20日(火)
テレビ岩手

第318回番組審議会

1.日時

平成10年1月20日(火) 午後1時30分~

2.開催場所

テレビ岩手本社6階大会議室

3.委員総数

13名

  • 出席委員
  • 9名
  • 出席委員
  • 委員長
    橋 口 誠 之
    副委員長
    谷 村   繁
    委員
    三 原 まなぶ
    委員
    深 谷 政 光
    委員
    斎 藤 徳 美
    委員
    二 宮 柊 子
    委員
    勝   雅 行
    委員
    岩 渕 孝 男
    委員
    岩 動   孝
  • 欠席委員
  • 委員
    菅 野 耕 毅
    委員
    田 沼 征 彦
    委員
    澤 口 たまみ
    委員
    玉 山   哲
  • 社側出席者
  • 中 野 士 朗(代表取締役副社長)
    新 沼 栄 喜(常務取締役業務局長)
    横 山 尹 浩(常務取締役報道制作技術担当)
    天 野 雅 行(取締役事業局長)
    阿 部 孝 夫(取締役報道制作局長)
    鈴 木 直 志(アナウンス部長)
    渕 沢 行 則(制作部長)
    遠 藤   隆(報道副部長)
  • 事務局
  • 青 山 尚 之(編成部長)
    小 原   恵(編成部)

4.議  題

1.NNNドキュメント’97
  「出るクイは打たれた・農政行きづまりの中で」(TVI制作)
    (12月22日(月)午前0:15~0:45放送)
2.二十一世紀のイーハトーヴをめざして
    (1月4日(日)午後5:00~5:55放送)
3.その他御覧になった番組についての御意見

5.議事の概要

1.番組「出るクイは打たれた」について
   限られた時間でバランスよくまとめられていた。
   三回、東和町の問題を取り上げたことに意欲を感じる。
   小原町長が退陣した経緯がわかりにくい。
   全国的な取材を希望する。
   白黒つけられない問題なので、問題提起となったのはよかった。
   今後も追跡取材して欲しい。
2.番組「二十一世紀のイーハトーヴをめざして」について
   人選はバランスがとれていたが、テーマが大きすぎて平面的な印象を受けた。
   年に何度か、県知事以外にもリーダー的な人達との対談番組をつくって欲しい。
3.その他の番組について
   天気予報の内容を充実して欲しい。
   「明石家さんまの世にも不思議な珍裁判」という番組でゲストのコメントに不適切なものがあった。

など、活発な意見が交わされた。

6.審議内容

別紙のとおり

7.審議機関の答申又は改善意見に対してとった措置及びその年月日

特記事項はないが、キー局及び関係局、関連部署に議事録を配布するなど、関係者に審議の内容を伝えた。

8.審議機関の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、方法及び年月日

・自社制作番組「あなたと歩むテレビ岩手」(平成10年1月26日午前11時55分~12時放送)で、審議の概要を放送。
・平成10年1月22日(木)付読売新聞岩手版で公表。
・支社・支局に議事録を設置
・当社のインターネットのホームページで議事録を公開。

9.その他の参考事項

資料として以下のものを配布
・テレビ岩手自社制作番組スケジュール表(1997年12月~1998年3月)
・視聴者からの意見の概要

議事の内容

事務局

審議に先立ちまして、テレビ岩手の方から報告したいことがございます。副社長お願いします。

社 側

今日は、お忙しいところありがとうございます。社長と清水専務は出張しておりまして、今日は欠席です。
 日本テレビで1月第一週に年始交歓会をやるのですが、その席で日本テレビ社長の氏家が、今年の正月ほど不安にかられたことはないと申しまして、それは一言で言えばメガコンペテイションということなのだそうです。メガコンペテイションというは、簡単に言えば、アメリカが勝つ、言い換えれば、大きいものが勝つということです。日本テレビのネットワークは、クロスネットの宮崎と大分を入れると30局ということになり、一番大きいネットワークを持っていることになります。しかしそれでも海外の何十倍もの巨大資本とぶつからなければならない、戦わなければならない時代になったわけです。今までは、テレビ業界、日本のマスコミ業界という小さな池の中でやっていましたが、大きな川、海に出ていかなければならない時代になってきたと申しました。そして、ネットワーク局全部を船に乗せて進むことはできないかもしれない。それぞれが地元で勝ってほしい。キー局だけを頼りにしないで自局の力で戦ってほしいと、厳しい話をいたしました。岩手は、4局に増えまして、営業力だけではやっていけない、自社番組、ニュースの対応で勝負しないと勝てないということを非常に強く感じておりまして、今年もきびしい戦いになると思っております。  また、社長からの伝言ですが、12月29日に放送させていただきました「あなたと歩むテレビ岩手」の番組が委員の方の御協力でとても良く出来ていて、お礼を申し上げてくれということでした。今日もテレビカメラが入っていますが、どうぞよろしくお願いします。
 それから、平成9年の1月から12月までの年間視聴率三冠王を獲得しました。この中で特にほっとしましたのは全日平均の6時から24時までの視聴率でして、岩手地区は朝日系列が出来て4局になりまして、全体に視聴率が下がっておりますが、全日で10.2%という数字をあげることができました。テレビ岩手は、1990年からずっと全日トップを続けていまして、1995年はゴールデンのトップを逸しまして、二冠でしたが、1990年から7回三冠王になっています。1月の第一週もおかげさまで三冠王でスタートすることができました。以上です。

事務局

12月の番組審議会で常務の横山が所用で欠席いたしておりましたが、今日初めてお会いする先生方がおられますのでご紹介したいと思います。常務取締役で報道制作技術担当をしております横山です。

社 側

横山です。よろしくお願いします。今日、ご審議いただく「二十一世紀のイーハトーヴをめざして」という番組の収録で東京に行ってまして、12月の番組審議会は失礼させていただきました。今後ともよろしくお願いします。

事務局

今日の番組審議会のテーマは、新春に放送されました「知事対談」と、年末に放送されました東和町の「出るクイは打たれた」というドキュメントの2本についてみなさまからご意見を頂戴したいと思います。

─ビデオ視聴─

委員長

それでは、「知事対談」のビデオをご覧いただきましてこれと、ドキュメント’97「出るクイは打たれた~農政行きづまりの中で~」これは12月22日に放送されたものですが、この2番組につきまして、ご意見いただきたいと思います。

委 員

まず、「出るクイは打たれた」ですが、とても格調の高い番組で途中にコマーシャルが入らず、番組が終わるまで、ずっと見ることができて良かったと思っています。東和町の町長さんが出るクイで打たれたわけですが、今ひとつはっきりしないのは、打ったのはいったいだれなのだろうかということです。行政なのか、あるいは反対する農民なのか、最後に町長さんが去っていくところが非常に印象的でした。結局、彼の信念である自分たちで作って自分たちで自由に市場を開拓するという意気込みをもってやってきたのが、減反という政策の全体主義の中で、単独行動は許されないという重みに押しつぶされたのでしょうか。あるいは、町民、農民の中でも反対する人たちが多かったのか、町議会で否決されたというのがありましたが、結局は、町民の賛成が得られなかったということなのでしょうか。“出た”のは町長さんですが、果たしてだれが“打った”のでしょうか。賛成派の人たちが、最後の方に残念だったと言っていますが、その前の役場の人たちはどちらの立場なのか私にはよくわかりませんでした。いずれにしても非常に考えさせられた番組でした。ただ、どういう立場の人たちがどうとらえているかということがもう1つ見えたら良かったと思いました。
 「二十一世紀のイーハトーヴをめざして」を見させていただきまして、こちらは今ひとつ焦点がつかめなくて、今度もう少しじっくりと見てみたいと思います。

委 員

東和町の問題が起こったころは、金融をはじめ既成のシステムが揺るぎ、日本中がイライラしていたときで、関心を持って見ていました。番組では小原町長さんの立場を支持する賛成派の発言が非常に少なかったと思います。唯一、どこかの市長さんか町長さんか東和町が出した居酒屋でああいう考えがあったら理解できるという話がありましたが、そのような観点での話が県内の識者と言われるような人からも出てくれば、おもしろかっただろうと感じました。番組を通して、小原町長の孤軍奮闘だけが目立ったような感じでした。同様の考え方を持っている人はたくさんいると思いますので、そういう展開もあると良かったと思いました。30分という時間ですから途中にコマーシャルも入らず、一気に見せられたということで、その制作のやり方は評したいと思います。

委 員

今、拝見させていただきました「二十一世紀のイーハトーヴをめざして」についてですが、出演者に牛尾代表幹事、山折先生を選ばれて非常に良かったと思います。55分の放送のダイジェストで半分くらいなのですが、この中で経済、教育、文化についていろいろと話が出てきたわけですが、もう少し深く経済について牛尾さんに話していただくとか、道徳については山折先生に話をしていただくことができれば良かったと思います。これは、一年間に一本ということですが、こういった企画は3ヵ月に一回とか、回数を増やしていただければよいと思います。知事との対談にはこだわらず、テレビ岩手の方が出演して、テレビ岩手の考え方を伝える番組があってもよいのではないかと思いました。これは、見ていて非常におもしろかったなと思います。
 それから、先日、NHKスペシャル「なぜ隣人を殺したか-ルワンダ虐殺と扇動ラジオ放送加害者の告白-」の放送を拝見しまして、番組審議会というところに席を置いているということもあるのでしょうが、放送というものについて非常に考えさせられる番組だったと思いました。

委 員

「出るクイは打たれた」は、不謹慎な言い方かもしれませんが、ドラマを見ているような感じですごく胸に迫るものがありました。小原町長さんがあっという間に退職なさって、どうして退職に至ったのかということを具体的に知りたいと思いました。番組中、賛成派の方なのでしょうが、なぜ、断念を決めてしまったのか、時間をかけて継続的にやったらどうだったのだろうという意見をお話しているところが一番印象的でした。最後のナレーション直前の景色というか、映像が本当にすばらしく、ドラマチックでその内容がズシッと心に残るようなナレーションで、とても印象的でした。番組審議委員をさせていただいて、自主減反にとても興味を持ってきたのですが、番組としてはもうこれで終わったんでしょうか。できれば続けていただきたいと思います。
 1月4日の「知事対談」なのですが、去年も新春対談で見させていただきまして、普段知事の顔は、新聞やニュースなどでチラチラ見るだけでじっくり見るというのはないのですが、去年に比べ今年は、苦労をしてらしゃるのか、すごく老けたという印象を持ちました。今のダイジェスト版ではあまり感じなかったのですが、1時間見させていただくと、山折先生のお話がじわじわと心に残るものがありました。

委 員

減反の問題に関しましては、ともかく最初の話で終わってはダメだと、これは継続して取り上げていかなければならないと言いました。この問題はどんどん続いていくのだからと話した経緯があったのですが、三回にわたって追いかけていただき、ありがたいと思いました。感じていることは、農政の問題というのは、どちらが悪くてどちらがよいとは言えず、“打った”のはだれかというのはわかりにくいです。今の日本の社会システム全体が複合的にからんでいると思います。これは、みんなに問題提起をしてどうするのかということだと思います。われわれみんな立場が違い、農家・漁業の方も、消費者もいますので、いろいろな方々にどうしたらよいのかをじっくり考えてもらうことが一番大きなことだと思います。なにかことが起こらなければなかなか取り上げにくい問題かもしれませんが、今後も取材を続けていただければと思います。これぞ地域に根ざしたテレビ局の大きな役割ではないかと思います。
 それから、「知事対談」ですが、新春に知事が出てきて岩手の未来図を描くというのは、ある意味では、新年にめでたいことですが、副社長のおっしゃったとおり、テレビ業界、そして明日の日本はどうなるのかという暗い時代で、増田知事と牛尾さん、山折さんという違うタイプの人たちが向い合って、知事の考え方、政策のバックグラウンドが一部垣間見られたと思います。ただ、これも特定のテーマで突っ込むわけにはいきませんので、見方を変えれば、岩手の政策についてもっと具体的な提言なり知事の解答なりを求める気持ちはありますが、バックグラウンドを認識するという意味合いにおいては良かったという気がします。今日のビデオでは出てきませんでしたが、環境問題、皆さん岩手は環境に恵まれてというのですが、どうもそのあたりの認識が甘く、第3次県総合計画、環境行政ということで、きれいごとではすまないと思っています。例えば、電力の7割を他県から移入しているのですが、原発も火力発電所も作れない状況だから自然があるともいえる現実を見つめていかなければなりません。単に自然があってそれを生かすだけではなく、自然の概念をきちんと認識していかなければならないのが、岩手県の課題だと思います。そういう点で「プラス1いわて」でダイオキシンの問題をくわしく取り上げてまして、将来の環境をどうするかではなく、今現実の問題で、どう考えてもすぐ対応しないで何が将来かと思うのですが、何か事情があるかもしれませんが、行政の対応は遅いと思います。そういう問題を継続的に取り上げて、もう一歩大胆に番組でレポーターの方が言うのはむずかしいかもしれませんが、ああいう問題は排除するように行政が努力すべきだぐらいのことを出してもいいし、そうでなければ、専門の先生をお呼びして、そういう方に大胆に発言していただくようなことがあってもよいと思います。某局に頼まれて防災の問題を取り扱いまして、その中で1つ考えることは、何を訴えるか、例えばその問題では行政がどう取り組むかということを周辺から働きかける必要もあると思います。そういう形の提示を出し、そのための番組のよいテーマがあるのではないかと思って、関わった経緯もありますので、この問題に関しては、是非、岩手の方針として今後とも強く訴えていただきたいと思います。

委 員

最初の「出るクイは打たれた」は、小さな地域から大きな発信をしようとがんばったものですが、この時間空間ですらもう忘れさられようとしていますので、これは、今後も継続する必要があると思います。それは例えば1つの町の選挙を考えた時、隣り近所戦というのが実態で、町長がやりにくくなったということもあると思います。別の視点で考えるともっといろいろな局面が出てくるのではないかという気がしました。
 「知事対談」につきましては、新春の番組としては、よいと思いました。知事さんの地方分権ということをたくさん聞きますが、果して岩手県の各階層の人たちが地方分権というのをどれくらい認識をもっているのか、また、それがどういう風になって地方分権なのかということをわかっているのでしょうか。県庁が地方振興局として地域の人たちのことを考えていろいろなことでお金を使いますよということを出したとします。その1つを取り上げる場合、次に何ができるのかということを先取りする番組に展開していくテーマが必要だと思います。国と県の役割を変えて地方分権といっても直接何がどうなのかわかりませんが、県と交わったことでいきますとわかりやすいと思います。将来21世紀に向けて町づくり、地域をどうつくっていけばよいかというのは大切なことだと思います。いろいろな角度から、スピードの早い新幹線、飛行機、そういうものが整備されている中、盛岡というのはどういう町づくりをしていくのか、自然環境と言ってますが、あまりにも大きすぎてもっと具体的に盛岡の町の将来は、ということに移行していった方がよかったと思います。

委 員

「出るクイは打たれた」ですが、巧みに掘り下げて取材し、限られた時間の中で、視聴者に自主減反問題について、生産・販売について、それぞれ問題として意識して考える機会を与えてくれたと思います。私も自主減反については、やはり、農民感情があると思います。農民にとって減反は非常につらいですから、それに対する小原町長の背景、考え方があったと思います。小原町長の場合には、町で作った米は自分たちで売りさばくということで、アンテナショップでの販売などをやったのですが、米作という全国的な基盤での自給問題、価格がどうなっているか、自主減反するとどうなるか、それによって農民の生活がどう変わるかという視点を考えなければなりません。どの産業でもそれに従事する人は、ある程度の安定した収入を得ることができるということが、その産業を維持していく上で大切です。自主減反を決定しますと、おそらく零細農家はそれだけ大変になると思います。米価はまだまだダウンしていきます。米作市場経済化ということで、自給バランスで大幅に価格変動します。その中で品質の良い、味の良い、価格の安い物が売れます。岩手県の場合、Aクラスにランクされる米は少ないので自由稲作となると相当な打撃を受けます。そうした場合に、今までの稲作中心の農業ではやっていけなくなり、果樹や畑作を組み合わせるなどの方策が必要になってきます。栽培方法、品種改良などの開発に努力が必要ですが、零細農家ではできません。それをどう組み合わせていくか、生産の向上を地域全体でどういう形で作り上げていくかということを決めてやらないと、生産を自由にし、流通面で多少販売ルートがあったとしてもなかなか解決できません。現在、農業に従事してる専業農家の実態についてある程度取材していただければと思いました。限られた時間の中ですので、やむをえないと思いますが、これからの地方の農業、東和町の農業の理想的なものはどうあるべきかということも必要だと思います。これからの取材で、農業の生産状況がどうなっているか、家計収入とどの程度結びついているかということを取り上げてほしいと思います。小売商店で息子が納得して跡を継ぐ収入ラインが1000万と言いますが、農業でも若い人が喜んで従事するような収入のある農家をつくらないと行政がいくらやってもムダだと思います。今後の課題として生産面での取材も必要だと思います。
 それから3人の対談ですが、それぞれおっしゃることが広きにわたり抽象的、概念的な印象を受けました。牛尾さんのお話しになった経済社会の現状は、情報誌などに出ているわけで、それをさらに岩手の現実に関連させていただきたいと思います。豊かな自然といっているのは開発されない自然があるだけなのです。ヨーロッパに行って観光しますと、イタリアなどは、地域全体が非常にきれいです。快適な環境を生かした風景、景観とマッチした建物です。日本ではかなわない開発された自然の中で生活しています。観光にはある程度の開発が必要です。そういう問題を取り上げてほしいと思います。山折さんのお話しになった心の問題について、冠婚葬祭以外には、宗教はあまり関係した記憶はないのですが、日常生活において宗教的な考え方というのがあります。心の問題についてそれぞれが考えなければなりませんし、宗教問題にしてもオウム真理教などどこかゆがんだ精神状況が潜んでいることもあります。専門家に集まって話をしてもらうのが必要なくらい大きな問題だと思います。
 この番組の三人のお話はどうも表面的で概括的な感じがしました。

委 員

「出るクイは打たれた」は、テーマが地方的で良かったと思います。取材は町の議会、農業団体、あるいは農家と大変広範囲になされていました。昨今、問題になっております沖縄の普天間飛行場にともないます海上ヘリ基地の建設に対する県民の反対とこの番組を相対的に見ました。あの場合は県全体が動いているわけで、これはあくまでも町がということですが、県と国がそれぞれの立場を主張しているということで、現代というものを象徴していると思いました。ぜひ視聴者に御覧になっていただきたい番組だと思います。東和町の番組は昨年の5月、8月と今回で3回目ですが、よりよい番組にしていくという動きは価値のあるものだと思います。
 それから1月4日の「二十一世紀のイーハトーヴ」という番組ですが、岩手の中に住む私個人としましては、この番組は21世紀を岩手で迎えるのに自信を持たせてくれる内容を期待しておりました。一つ気になったのは、コマーシャルが長く、一回に2分30秒以上流れており、番組の性質上、どうにかならないものかと思いました。対談の内容は、知識は豊富ですが地域のリーダーとしての情熱といいますか、熱意あるリーダーの対談を期待したものですから、半分くらいは退屈さを感じました。県政と県民の一体というもののためには、他県とのモビーティの高い時代ですから、やはり宮城の方から見ての岩手、あるいは他県の21世紀を迎える青年層の方々、または、女性のご意見というものがあればもっと21世紀というテーマに近づいたかなと思います。

委員長

ひととおりご意見をうかがいましたが、それ以外の番組の意見や、言い足りないことで追加ありましたならお願いします。

委 員

1月6日午後7時放送の「明石家さんまの世にも不思議な珍裁判!訴えてやる!!」という番組についてです。全国ネットの番組でアメリカでの事例をビデオで紹介したのですが、これを日本人のゲストの皆さんが見てコメントをするという番組でした。見ていて、ゲストの日本人があくまでもアメリカのことで、私には直接関係はないというスタンスでコメントするのは、視聴者としては、これはまずいのではないかと思いました。最後に、ホイットニーヒューストンの歌う声がかん高いという個人攻撃をしていました。これは外国人に対する偏見と言われてもやむをえないのではないでしょうか。世界基準を考えた番組作りをしていくことが必要だと思います。

委員長

社側からコマーシャルの時間の長さについて説明をお願いします。

社 側

明確な罰則や規定はないのですが、民放連の規定で番組の1割以内、60分番組ですと6分という指導があります。1分間のものを6回いれても、3分を2回入れても、番組の構成によりディレクターや業務部が考えるという形で1割以内を目標にしています。1時間番組は実際の長さは54~56分なので、間にCMを入れたり、後にミニ番組を入れたり、前後1分コマーシャルを取るという形が多いです。

社 側

年始の番組につきましては、毎年、非常に人気があるものですから、コマーシャルは限度一杯に入っていたと思います。実際には、制作担当者と、業務で打ち合わせをするのですが、番組の性質上CMを入れる回数を少なくするためコマーシャル部分のまん中が多少長くなったのだと思います。

委 員

天気予報についてですが、2、3日前から降雪量というのが出ていますが、気象庁の出し方が少し変わってきたと思います。NHKも放送のしかたを変えてきています。「ニュースプラス1」をやっている時間帯はどこの社も天気予報があり、内容的にもどこも同じですが、視聴者はいろいろな具体的な天気の状況が知りたいわけですから、あの辺のところをもっと工夫した方がよいと思います。その部分になりますと、別な方にチャンネルを回したくなります。たとえば、盛岡では、全体的に絵画面を変えて雪の部分と温度の部分とグラフを時間帯にすると、その方がわかりやすく、信憑性があると思います。岩手日報ですか、北海道、東北、北陸計11道県で20キロ四方の地域で降雪量を予測しているというのがありました。予報は12時からは雨というように具体的になっています。そうすると県南・県北というようなパターンを変えてもいいと思います。

社 側

テレビ岩手はウェザーニュースという民間の会社から情報を取っているので、今やっている区分けをみなおすにはソフトを開発するという問題などもあると思います。天気予報はより細い方がよいわけですから、どうやったらより具体的になるか、どこまで細くしたらいいのか今後検討したいと思います。

社 側

天気予報につきましては、岩手県内でも沿岸と内陸とは違うのですが、さらに内陸だけでも盛岡と花巻、水沢とは違うと、その辺のところなんとかできないかということは以前から社内で話題になっていました。ご指摘通りだと思います。

委 員

各社のニュースを比較してみると、選挙の日は選挙一色というように、だいたいパターンが決まりますよね。どこを見ても取り上げる内容が同じであれば、キャスターのバックを変えるとか、画面文字を変えるなど、変化を与える工夫も必要だと思います。同様に天気予報の時はくわしい方がいいからという感じでチャンネルを回してしまうというようなことがあります。

社 側

おっしゃるとおり天気予報については、ネタの元が気象庁ということで、同じなものですから、それをいかに加工し絵柄にして放送するかということにポイントがあります。各社ともにウェザーニュース社という民間の気象会社か、気象協会のどちらかから情報を得ておりますので画面的には遜色のないような形になると思います。新しく開局したところは、絵柄についても今のところ最新のわかりやすいものが導入されているという経緯があります。テレビ岩手でも検討事項になっております。

委員長

それでは、委員の方からいただいた意見をまとめさせていただきます。今回のテーマでございました「出るクイは打たれた」という番組は、委員の先生方から、限られた時間内に格調高く良くまとめられていたという評価をいただいたと思います。また、途中CMなしで放映されたこと、過去3回連続同じテーマでやったという意欲に対しても良かったということがあげられました。一方では、“出るクイ”はだれが打ったのか、なぜ、退陣に至ったのかよくわからなかったという意見もありました。農業問題について全国的な自給とか、生産についての取材もしてほしかったという意見もございまして、総合して農政とは社会システム全体の問題で、白黒が出るような問題ではないので、逆に視聴者に問題提起をしたことに意義があるという評価もいただきました。そういう意味では、次に町長さんが変わりますので、その後の様子も含めて追跡取材した4回目を放送していただければありがたいなと思います。
 それから、新春特別番組の「二十一世紀のイーハトーヴ」につきましては、増田知事と経済界から牛尾代表幹事、歴史的な心の問題で山折先生ということで非常にバランスのとれた人選だったという評価をいただいた反面、一方では、それぞれの先生のテーマが非常に大きいテーマだったので、限られた時間内では少し平面的になりすぎて、それぞれテーマを深めるために年何回かやったらいかがでしょうかという意見もありました。それからもう少し岩手の地域のリーダーの方に、県知事以外にもご参加いただいて、岩手県として元気の出るようなものをやっていただければよいのではないかという意見もありました。もともとこういう対談というのは退屈になりがちですが、それなりに引きつけるものがあったと思います。
 テーマの番組以外にもテレビコマーシャルの時間の問題、あるいは天気予報を充実してほしいという意見、キー局の番組につきまして、やや問題があったのではないかというご指摘がありました。以上まとめまして、若干私の意見も加えて申し上げました。局側からお願いします。

社 側

今日は貴重なご意見ありがとうございます。東和町の自主減反問題は、先生方ご指摘のとおり、3度目の番組でありまして、町長が自主減反宣言されて全国的に大きな波紋を呼んだ時に一度まとめて、それから自主減反宣言を断念した時にもう一度やりました。今回は総まとめという形で「NNNドキュメント」という全国ネットの番組としてここにおります遠藤が制作しました。内容も映像も含めて、かなり完成度の高い番組になったのではないかと思っています。農政、自主減反問題につきましては、どちらが正しいという結論の出せる問題ではないですし、委員の方のご指摘のとおりです。我々としましては、問題提起をした番組という位置づけにしております。小原町長は、結果としては断念したということになったのですが、意義のあったことだったと思います。自主減反問題は一応の決着ということになりましたが、農業と岩手の問題は切りはなせない問題なので我々としては、農業問題は今後も続けていきたいと思います。
 知事特番につきましては、どういうテーマでやるのかということがむずかしかったのですが、昨年は「地方と情報化時代」というテーマでやり、今年はどういうテーマがよいかみんなで検討した結果、やはり環境にやさしいといいますか、自然との共生ということを大きなテーマにして、21世紀を見すえた岩手の将来展望についてお話をしていただきました。ご指摘のとおり、若干、抽象的、観念的な部分があったかと思いますが、視聴者の考え方の一助になればという思いでつくらさせていただきました。年に何本か制作したいのですが、物理的にむずかしい点もありまして、正月気分の中で、知事と岩手の将来を考える番組というのもよいのではないかなということで、今後も続けていきたいと思います。

事務局

今日はどうもありがとうございました。次回のテーマと日程をお知らせしたいと思います。次回は2月17日、第3火曜日、午後1時30分からこの会議室で開きます。テーマは、1つはヒューマンスペシャル「命・闘いの日々」。これは昨年オープンした岩手医大循環器医療センター、これは日本で3番目の循環器センターです。このセンターに通う患者さん側を取材しまして、東北6県ネットで放送いたします。当日、ビデオテープをダイジェストで用意いたしますのでご覧になれない方は、その場でご覧下さい。2番目のテーマは「いわてっ子ばんざい」です。これは、毎週日曜日、朝10時55分からの15分間の番組です。これは、岩手県の教育委員会の企画を番組にしたものです。これは毎週やっていますので、いずれかの週のご意見をいただければと思います。以上です。