BRT脇ノ沢駅のすぐ近く。こんの直売センターは、養殖業を営む金野さんのお店です。オススメは、何と言っても「磯ラーメン」。この味求めて、県外から足を運ぶお客さんもいるのだとか。広田湾の恵みに笑みがこぼれる、何度でも通いたくなるお店です。

続いてやって来たのは、大船渡市の碁石海岸。えびす浜のすぐ近くにある食堂、「御食事処　岬」。熊谷弘信さんと弘子さんの優しさに溢れたお店です。ピノキオがオーダーしたのは、海鮮丼定食と親子丼定食。元々、魚屋を営んでいた弘信さん。新鮮なネタは、その目に留まったものを使用しています。弘子さん手作りのサラダを添えて。震災から5年。かつてボランティアとして岩手に来た大学生たちは、今も、毎年店を訪れてくれるそうで、孫のような存在だと話す弘子さん。「人の繋がりに、ただただ、感謝です。」ご夫婦の優しさに溢れるお店です。

100年以上時を刻む時計。長年釜石の人々に愛され続ける喫茶店、「茶房 館」の時計です。震災で一時は壊れるも、復活した「奇跡の時計」が掛かる店内は、明治時代の蔵を使った懐かしい雰囲気のお店。提供するメニューも、子供の頃心躍らせたメニューを中心に。街並みは変わっても、このお店は変わらない。在りし日の味は、これからもずっとそのままで…。

復興に向けて着実に歩みを進める大槌。そこにある一軒のお店。「よってったんせぇ」は、「大槌に笑顔が生まれる場所を作りたい」という思いのもと、わかめを加工してしていたお母さんたちが、震災後に始めたお店です。地元吉里吉里で採れたわかめをふんだんに使ったわかめカレーは、独特な味わいがクセになる一品です。再び大槌に咲いた笑顔の花。５年を機に、お店は今年の8月で暖簾を下ろします。涙もあった。それでも、笑顔の方が多かった。残りの5ヶ月間、多くの方がお越しになるのをお待ちしています、満開な笑顔で。

沿岸めぐり、今宵最後は山田町。町の仮設飲食店街に暖簾を掲げる、「食事処 酣」。千葉忠さんが8年前にオープンしたお店です。忠さんを手伝うのは、母、洋子さん。オススメは、「マーボカレー」。その名の如く、マーボ豆腐とカレーの味が両方楽しめる一品です。このメニュー、実は忠さんが試しに作り、洋子さんに味わってみたところから始まったもの。絶妙なバランスが好評で、今では店の看板メニューに。他にも、たっぷりな野菜とあんかけスープが絡む「ダールラーメン」もオススメ。スープまで飲み干すお客さんが多いのだとか。今年、お店は本節移転が決定。これからも、地元に愛されるお店を目指して。親子が紡ぐ、山田の味です。