明治の蔵を改築した店は静かで落ち着いた雰囲気が漂います。そばを食べる前に飲む酒「蕎麦前」を肴と一緒に楽しみ、新そばは唐桑産のカキと曲がりネギを使ったカキせいろを頂きました。旨みたっぷりのカキのエキスに、ほんのりとネギの甘みが加わって。そばの香りを引き立てます。

葛巻町の山あいにある一軒のそば屋へ。地元産の玄蕎麦を水車で挽き、つなぎに卵と豆腐を使って手打ちそばに仕上げます。挽きたて、打ち立て、茹でたての新そばは艶やかで瑞々しく。強いコシのある田舎そばをじっくりと味わいました。

金ヶ崎町の国道沿いにあるそば屋では、２種類の新そばを頂く事が出来ます。白く上品な色合いは北海道産のそば。地元金ヶ崎のものは、やや緑がかった挽きぐるみの新そばです。かわりそばの柚子切りは、そばに練り込んだ柚子が柑橘系の良い香りを放ちます。イカの塩辛そばは一度食べたらクセになる味わいです。

店主は自らソバを栽培しているほどのそば好き。この日はそばをふんだんに使ったそば会席をつくってもらいました。豚の角煮にそば湯を張った料理は、そば粉をまぶしてソテーした合鴨肉の料理など、まさにそば尽くしの会席です。