夢・見る・ピノキオ

放送内容

2013年01月06日放送

Vol.191 1月6日  新年、新酒を愉しむ

  • 新しい年を、新酒で祝いましょう。寒仕込で生まれたばかりのお酒…そして、そのお酒に合った料理の数々…旬の肴をお供に、今宵幸せな一献を。特に美味しい純米酒、そして器にもこだわってたしなみます。さあ、ピノキオの暖簾をくぐって…。

菱屋酒造店


菱屋酒造店

菱屋酒造店 
菱屋酒造店

菱屋酒造店 
菱屋酒造店

新酒を求めてピノキオがやってきたのは、本州最東端の地。宮古は、鍬ヶ崎。ここに、震災から復活を遂げた酒蔵があります。新酒ができたことを知らせる杉玉が揺れているのは、菱屋酒造店。1852年創業の歴史ある酒蔵です。銘柄は、千両男山。大震災で被災しながらも、蔵を再建。そして再生への新たな一歩を踏み出しました。菱屋酒造店で杜氏を務める辻村勝俊さんは、酒造りに50年以上も携わる名杜氏。以前は、青森・西田酒蔵店の杜氏として「田酒」の名声を高めた人物です。そんな辻村さんが2004年の秋に、ここ 菱屋酒造店に。名杜氏の技を発揮し、酒造りをしています。蔵人たちとともに震災を乗り越え、今年も新酒を生み出しました。しぼりたて新酒…本醸造の生酒です。辛口のしっかりとした味わい、骨太な旨さ。燗にしても豊かな米の風味が出て、いいですよ。辻村杜氏が力を入れているお酒があります。純米酒です。辻村杜氏は、米だけで作る「田酒」の作り手だったこともあり、「純米酒」が代名詞。米の旨みをふくよかに表現します。酵母は、秘伝の9号系酵母を使っています。素材の良さと名杜氏の技が乗り移った純米酒なのです。米の旨さが堪能できる菱屋酒造店の純米酒。杜氏の個性を味わえるお酒です。ちなみに辻村杜氏は、寒い冬、純米酒を燗で飲むのがスキなんですって。新年、純米酒でほっこり…幸せじゃないでしょうか。

菱屋酒造店

【住所】宮古市鍬ヶ崎下町5-24
【TEL】0193-62-3128

福来屋酒店


福来屋酒店

福来屋酒店 
福来屋酒店

福来屋酒店 
福来屋酒店

新酒を求めてピノキオが次にやってきたのは、なにやらめでたい名前のこちらのお店。福が来るなんて、新年早々いいじゃないですか。福来屋酒店は、全国各地の地酒を扱っています。店内には、プロの目利きでセレクションしたお酒がずらり。オススメを聞いたところ、やはり純米酒との答えが…。福来屋おアススメの純米酒をちょっと紹介しましょう。まず最初は、秋田のにごり酒「ど」(秋田—白瀑 2400円)。福来屋のご主人は、こんな料理とともに晩酌するそうです。長イモのタラコ和えと梅味噌をつけたネギです。次は、紫波の月の輪。「木槽」を使い、時間をかけて搾った生原酒(きぶねかけ 袋搾り 2415円)特約店限定品です。しぼりたて特有の荒々しさの中にも穏やかで優しい味わいが。なますやレンコンのきんぴらなどと一緒にどうぞ。栃木、小林酒造渾身の「鳳凰美田」(栃木—小林酒造 鳳凰美田 藍判 2940円)。新酒を袋吊りして、斗瓶取りしたぜいたくなお酒です。新酒のフレッシュさと、芳香な旨みが特徴。鶏肉の酒蒸しと三つ葉のおひたしで。次は、人気上昇中の「東洋美人(山口—澄川酒造所 2835円)」と、年に一度の限定販売品「越後で候(新潟—八海酒造 3670円)」です。限定品の洗練された旨みがある「越後で候」は、肉豆腐とともに。また「東洋美人」には、やっぱり蕎麦がよく合います。最後にピノキオのオススメも。寒い冬、燗もいただきたいですよね。その燗にするなら、「やまとしずく」の山廃純米 (秋田−秋田酒造 2415円)を。幅広い料理と相性がいいお酒です。それにしても、福来屋のご主人は、奥様のなかなかの手料理で毎日晩酌ですか…新年でなくとも幸せですね♪※ネット販売しています。

福来屋酒店

【住所】岩手県盛岡市仙北2−2−28
【営業】9:00−19:30
【休】日曜、祝日
【TEL】019-635-0381
【サイトURL】http://www.fukuraiya.jp/

百萬堂


百萬堂

百萬堂 
百萬堂

百萬堂 
百萬堂

お酒は、器の数だけ愉しみ方があります。盛岡は材木町の骨董品店、百萬堂。この店には、江戸、明治、そして大正と、様々な時代の酒器があります。酒をたしなむなら、器もこだわりたいもの。ちょっと、古い時代の酒器で愉しんでいきましょう。百萬堂では、500円から3000円程度のお手頃の杯がいろいろ。新年ですから、おめでたいものを選んでみました。こちら、新年にふさわしい縁起のいい蒔絵の杯。裏側にも丁寧に描かれています。大正時代の九谷焼のお猪口。七福神のマドンナ、弁天様がいらっしゃいます。九谷のお猪口のように小さな器は、杯台に。今のようにテーブルを使わない時代、このような杯台を使っていたそうです。悠久のロマンを感じますよね。九谷焼をもうひとつ。こちらはワイングラスのような形に繊細な絵が描かれています。こちらは、七福神、布袋様の変わり杯。お酒を注ぐ内側には、軍配が。変わったエピソードの酒器もありました。「くらわんか茶碗」と呼ばれる器です。なんでもこれは伊万里の江戸中期の器なんですけど、大阪の淀川の大きな船が入ってくると、小さなさっぱ船で寄ってって、こうゆう器で「飯くらわんか」「酒くらわんか」と言ってた器で「くらわんか茶碗」と呼ばれるんですけど、当時は雑器なんですけど、今は結構いいお値段で、こうゆうの好きな方は多いですね」とのこと。そもそも茶碗ですから、酒器としては結構大きめです。たっぷりとお酒が飲みたい人にいいかもしれませんね。

百萬堂

【住所】盛岡市材木町7−36
【営業】10:00−18:00
【休】不定休
【TEL】019-652-1330

一ノ倉邸


一ノ倉邸

一ノ倉邸 
一ノ倉邸

一ノ倉邸 
一ノ倉邸

器を揃えたら、さっそく新酒をいただきましょう。一ノ倉邸にお願いしてお膳を作ってもらいました。それはそれは、どこか春めいた華やかさが…。西郷和子さん曰く:今、とても寒い季節なわけですが、やがて暦の上ではね、春が近付いてきますから、北国の人はいかに春を待つかというと、新酒をいただいて春が近くなっているんだとお思いになるんじゃないかなと思います。百萬堂でピノキオが選んで合わせたのは、明治の九谷焼と幕末の杯台。お膳は、華やかに朱色の器。シンプルに、そして遊びも入れてみたそうです。青魚の酢の物、根菜類中心の和え物、そして控えめの煮物などなど。椀物には、あたたかいお蕎麦。そして、この日はお団子も。春を待ちわびながら、新酒で新年を祝う。実にいいものです。

一ノ倉邸

一ノ倉邸
【住所】盛岡市安倍館19-64
【営業】10:00-15:00
【定休】月・火曜 ※〜1/15正月休み
【TEL】019-646-1817

想いざけ


想いざけ

想いざけ 
想いざけ

想いざけ 
想いざけ

落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりと過ごしてもらいたい…そんなコンセプトの「想いざけ」。店主自ら酒蔵に足を運んで選んだというこだわりの日本酒と、それに合う料理を堪能できます。一杯目は、やはり純米酒。この日のお通し(600円)は、紫波・廣田酒造店の生酒に合わせて。八幡平サーモンの紅葉漬け、自家製カラスミ、カブ豆腐、牛アキレスのスープ。香りよく、ほどよい甘さの「廣喜(ひろき) 特別純米酒 生原酒 あらばしり 150ml (500円)」は、津軽びーどろで。次の料理は陶板煮。主役は地鶏…ではなくネギなんです(下仁田葱が主役!地鶏の陶板煮 780円)太田にある佐々清農園さんで作ってる下仁田ネギで火を通すことによって旨みが増すとか。アツアツの陶板煮とともにいただくのは、神奈川・泉橋の純米吟醸です(とんぼの越冬卵と雪だるま−粉雪にごり150ml 650円) ラベルに描かれた雪だるまの下のトンボの卵。さわやかな香りとみずみずしい酸味は、ネギの甘さ、そして地鶏の旨さを優しく包み込んでくれます。ふた品目は、二戸のブランド・佐助豚です。佐助豚の久慈ファームに頼み、特別に厚くしてもらっているというスペアリブ(1000円)。はちみつでじっくりと熟成させています。お酒は、るみ子の酒の無濾過生原酒を燗で(すっぴんるみ子の酒 袋搾り無濾過生原酒あらばしり 9号酵母 150ml 650円 三重県—森喜酒造所)。新酒に丸みをつけるため、思いっきり温度を上げた燗を冷ましながらいただきます。肉の脂を切り、旨みの余韻を残してくれます。最後の肴は、猪の鍋です(天然猪の牡丹鍋 2−3人前2300円兵庫県から仕入れた天然猪の肩ロース)奥播磨の骨太な「純米おりがらみ(純米 奥播磨 150ml 700円−兵庫県−下村酒造店)」を傾けながら。お鍋は、兵庫の蔵元から直々に教わったという一品。力強く、存在感がある奥播磨と絶妙な相性です。お酒に、料理に、こだわりをみせる「想いざけ」。3000円からのコース料理もあります。浜千鳥(純米酒 生酒 あらばしり 150ml 500円)と合わせたのは4000円のコースの一品、こちらもオススメです。

想いざけ

【住所】盛岡市大通り1-11-8 名店会館1階
【営業】17:00−24:00
【休】不定休

  • 新しい年…丹精込めて造られたお酒がひとつまたひとつと生まれ出でて。その新酒を味わえるなんて幸せですよね。お好みのお酒に、器、そして肴で愉しみましょう。そうそう、忘れていました。皆さん、今年もピノキオをよろしくお願いします。それでは、今宵はこのへんで。