夢・見る・ピノキオ

放送内容

2012年11月04日放送

Vol.183 11月4日  大人の街・もりおか

  • 心落ち着ける場所。変わらぬ風景。そして、昔ながらの味。そこには大人の時間が流れています。深まりゆく秋を感じながら、郷愁に浸る。今宵は、盛岡の街をぶらり散策。さぁ、皆さんもご一緒に。

盛岡市鉈屋町界隈は、昔ながらの風情溢れる街並み。そこは、流れる時間さえも、ゆっくりと感じられます。11月4日が、命日にあたる偉人。「大慈寺」に、その方は眠っています。“平民宰相”と呼ばれた、原敬。その生きざまに、男の美学を感じずにはいられません…この街には、昔ながらの銭湯があります。燃料は、真新しい薪。煙が出ないようにと、廃材を使わないとか。レトロでエコな、こだわりです。釜は、先代から受け継ぐ事60年。薪で炊いたお湯は、ひとあじ違うと言います。薪を運ぶのは、3代目。家族で、開店準備に大忙しです。開店と同時に、常連客がやってきました。番台から、変わらぬ笑顔で迎えます。脱衣所も、昔ながらの風情が溢れます。もちろん、浴室にも…決して広い空間ではありませんが、レトロを感じるには、十分なスペース。今では珍しい、金太郎のタイル画を眺めながら日頃の疲れを癒しましょう。昔ながらの趣と、おもてなし。心までも温まる、そんな銭湯です。

菊の湯

【住所】盛岡市茶畑2-14-13
【営業】14:00-22:00(日曜朝湯8:00-11:00)
【定休】月曜
【TEL】019-622-8560

小腹がすいたなら懐かしくて温かいお店へ。昔ながらのたたずまいの高橋だんごや。その秘密は、昭和の初めから変わらない、国産うる粉100%のどこか懐かしい味。正油だんご60円、ごまだんご70円、おちゃもち70円売り切れ前に、買えた喜び…さて、何処で食べるとしましょうか…

高橋だんごや

【住所】盛岡市南大通1-16-1
【営業】8:45-18:00
【定休】月曜、隔週火曜
【TEL】019-623-9440

中央通りの喧噪とは程遠い、緑溢れる空間がポツリ。チョット、覗いてみましょう。啄木と妻・節子が、新婚当初過ごした家。この4畳半の部屋が、2人の新婚生活の始まりでした。わずかな期間ながら、人生で最も輝いたであろう新婚生活をここで過ごした啄木。狭いながらも温かい空間だったに、違いありません。

啄木新婚の家

【住所】盛岡市中央通3-17-18
【営業】8:30-18:00(11月無休) / 9:00-16:00(12月〜3月)
【TEL】019-624-2193

元旅館だった建物を改装した、『盛久ギャラリー』。ピノキオが訪ねた時、丁度、書展が開かれていました。チョット、覗いてみましょう。こんにちは〜盛岡の老舗旅館、「盛久」。その看板は、昭和23年にここに滞在した、“棟方志功”が書いたもの。志功は他にも、様々な作品を残していったそうです。棟方志功の作品が展示されているという部屋に、案内してもらいました。またイギリスの陶芸家、バーナード・リーチが泊まった部屋。椅子や調度品など、昭和28年当時のままです。これからも、文化・芸術の交流の場として、多くの人々が集う場所となる事でしょう。

盛久ギャラリー

展示会、祭事の開催時にオープン 開催日程はHPで。
【住所】盛岡市中央通1-1-35
【TEL】019-651-8421

次に足を向けたのは、こちらも趣のある「紺屋町」。コーヒーの香りに立ち止まると、ご主人が焙煎中…じっくり時間をかけて、コーヒーの味を引きだします。その豆の最高の状態を、見極めます。コーヒー豆が、褐色に輝きます。マスターのドリップは、ゆっくりと、愛情を注ぐよう…マスターのおススメは、コロンビアとブラジル豆のブレンド。450円この店には、コーヒー以外にも、名物があるようです。コーヒーを飲みながら、待つ事にしましょう…この店は、プリン200円も美味しいんです。プリンなんて大人気ない? いえいえ、このプリンは、甘さ控えめ、大人味のプリンなんです。コーヒーの香りとスイーツの甘さが心地良い、チョット長居をしてしまう喫茶店です。

クラムボン

【住所】盛岡市紺屋町5-33
【営業】10:00-20:00
【定休】日曜
【TEL】019-651-7207

洋館も見ていきましょう。まるで、時間が止まったかのような空間に、偉人の像があります。今年、生誕150年を迎えた、「新渡戸稲造」。今の日本の姿を、どう見ているのでしょうか…「新渡戸稲造」が、生前訪れた場所。昭和2年に開館した、「県公会堂」です。岩手の文化の殿堂として、広く活用されてきました。現在もその姿を残す、大ホール。その昔は、美術展やダンスパーティーも開かれたそうです。社交場として賑わった大食堂。現在は会議室へと、その用途は変わりました。趣のある、アール・デコ様式の意匠が、建築当時の面影を今に伝えています。多くの県民が訪れ、時代と共に歩んできた建物です。

岩手県公会堂

【住所】盛岡市内丸11-2
【休館】第3月曜日
【TEL】019-623-4681

鐘の音を辿ってみると、そこには3つの聖なる鐘。盛岡で唯一の、「ハリストス正教会」です。教会内に響く、司祭の祈りの声。築52年の時が、荘厳さを醸し出しています。ビザンチン様式の聖堂。見る者を引きつけてやまない、そんな魅力があります。

盛岡ハリストス正教会

【住所】盛岡市高松1-2-14
【TEL】019-663-1218

明治時代の洋風建築で、当時の姿を残している建物があります。風雨にさらされ、崩れ行く赤レンガ。旧陸軍騎馬隊雨天馬場跡、盛岡少年刑務所跡などなど。しかしなお、後世に伝えようと建っている威厳さえも感じずにはいられません…

中央通りから郵便局方面に向かうと、歴史を感じさせる建物が見えてきます。昭和3年に建てられた、「佐藤写真館」です。中にお邪魔すると、これまた歴史を感じさせる写真機が誇らしげに並んでいます。フィールドカメラもありましたよ。時が経っても変わらないもの。それは、写真機と、ここに集まる人々の笑顔かも知れません。

佐藤写真館

【住所】盛岡市中央通1-13-60
【営業】9:00-19:00
【定休】第1、3火曜
【TEL】019-622-2970

秋・蕎麦屋で一献もりおか散策の締めくくりは、粋な蕎麦屋で季節を感じましょう。石臼で挽いているのは、もちろん新そば。粉と水を混ぜる“水回し”が重要だと、ご主人は言います。のど越しが良く、風味豊かな新そば。仕上がるまで、つまみを頂きながら一杯、行きますか!鷲の尾の純米酒一合400円飲み口が良く、日本酒の旨みを感じられます。今宵のお通しは、そばの実が入った香ばしい「焼き味噌」。和食で修業を積んだご主人。そば以外のメニューも、楽しめますよ。 先ずは、揚げものから。「揚げたてさつま揚げ500円」は、海老のすり身に干しエビが入った風味豊かな一品。レモンを絞ったら、抹茶塩で頂きましょう。同じ揚げでも、今が旬の揚げ里芋500円には、たっぷりと、カニあんかけをかけて。アツアツを、召し上がれ。いよいよお待ちかね、メインの登場です!今回は、アツアツの「付け鴨1200円」で、新そばを頂きましょう。香り立つ、鴨と新そばのハーモニー… たまりません。もう一品頼んでいました… もう、お腹がいっぱい…お土産に持って帰るのも、大人のたしなみです。蕎麦につまみに。次は何を頼もうか悩んでしまうお店です。

百壱 楠

【住所】盛岡市手代森14-16-70
【営業】11:00-14:30 / 16:30-20:00
【定休】火曜
【TEL】019-696-1019