夢・見る・ピノキオ

放送内容

2011年08月21日放送

Vol.121 8月21日  三陸・夏・うまし味

  • 三陸の夏の味わい…。沿岸には、震災の影響を受けながらも頑張っているお店が数多くあります。今宵は、そんなお店の暖簾をくぐって。美味しい料理はもちろんのこと、温かい人柄で迎えてくれます。さあ皆さんも、ご一緒に。

ピノキオ、頑張る沿岸のお店…1軒目は宮古から。被災から5ヶ月が過ぎ、復興も少しずつですが進んでいる様子。そんな宮古の「中華そば」といえば、「たらふく」。この店も今回の震災で被災しました。1階部分が2メートルも浸水。電気が復旧するまで20日間もかかったそうです。それでもゴールデンウィークの4月29日には、営業を再開。2日間無料の復興中華そばを100食限定で振舞いました。澄んだスープ、そしてあっさり飽きの来ない味わいに訪れたお客さんは大喜びだったとか。再開から3ヶ月。泥混じりの海水に浸かったせいで、調子が悪かった古い製麺機の買い替えを余儀なくされます。新しい製麺機で、代々作り続けてきた自慢の自家製麺ができるのでしょうか?製麺機を備え付けてから店を2日間休み、今までと同じコシ、そして同じ滑らかさの麺を追求しました。小麦粉の配合、そして加える水の量の微調整を何回も何回も繰り返し、丹精込めて作り上げます。たらふくの新しい伝統が今年の夏、はじまりました。

たらふく

【住所】宮古市大通1-1-20
【営業】10:30〜20:00
【定休日】火曜
【TEL】0193-62-5607

大槌の住宅街にある「ファミリーショップやはた」。食料品を中心に生活用品全般を扱うお店です。中でも作りたての手作り惣菜は、種類も多く人気があります。大槌のお米を使った浜千鳥の限定酒もあります。ファミリーショップやはたも浸水被害を受けました。それでも頑張って震災から3ヶ月後の6月7日に再出発を果たしたのです。いつも地域の人で賑わうファミリーショップやはたが、いま力を入れているのは、保育園に頼まれているお昼のおかずです。給食を出すことができない保育園から、園児たちのおかず作りを頼まれているのです。毎日、旬の食材を使い、栄養バランスも考えたおかずです。

やはたファミリーショップ

【住所】大槌町桜木町15-29
【営業】8:00〜20:00
【定休日】なし
【TEL】0193-42-3371

駅前に震災の影響が未だ残る釜石。この町の老舗の食堂を訪ねました。「お食事ハウス・あゆとく」…現在2代目・3代目夫婦が切り盛りする人気のお店です。こちらでは、建物こそ被害がないものの、働いているスタッフや身内が被災しました。辛い思いをしながらも、前向きに働く「あゆとく」のスタッフ。お客さんの励ましの言葉に助けられたといいます。震災後のメニューの数は、まだ以前の半分以下です。創業当初からの看板メニュー、自家製麺の「ラーメン」。これを食べにくるお客さんも多いとのこと。そして旨鶏の唐揚げも人気メニュー。やわらかくジューシーなそれは、なかなかの一品です。そして、3代目がはじめたというカレーも復活しました。マイルドな欧風ポークカレー、スパイシーなスリランカ風のチキンカレーなど。ちなみに「あゆとく」のお米は、県内の農家と契約し、有機栽培したもの。お米にまでこだわっているんです。

お食事ハウス あゆとく

【住所】釜石市上中島町1-1-35
【営業】11:00〜21:00
【定休日】月曜
【TEL】0193-23-5099

大船渡市盛町にある百樹屋。お店は震災前ここではなく、大船渡駅前にありました。店主の今野さん夫妻は、その店と自宅を失い、仮設住宅で暮らしながらも、6月に今の店をオープンさせました。看板商品は、カレー南蛮うどん。具は、玉ネギと豚バラがたっぷり。スパイスはオリジナルの調合です。なんでもカレー南蛮うどんは、賄いから看板メニューに昇格したんですって。スパイシーな辛さで癖になる味わいです。箸が進むのと同時に、吹き出る汗が止まりません。最後はご飯を入れておじや風に。最後までいただいてください。夏季限定のつけ麺タイプ「夏もりカレー南蛮」もあります。季節の野菜とうどんを、アツアツのカレー南蛮につけていただくと、遠い夏の日の思い出が甦ってきます。

百樹屋

【住所】大船渡市盛町字内ノ目2-14
【営業】11:30〜14:30 17:00〜21:00
【休】不定休
【TEL】0192-26-5123

洋野町は種市の「はまなす亭・産直店」。食の匠が種市産の食材を使った料理を提供する地産地消のお店ですが、3/11、押し寄せた津波で、海の側にあった本店は被災してしまいます。しかし庭さんは、深刻な食糧不足を少しでも緩和させたい一心で、3月14日から産直店を再開させました。幸い産直店には、焼きそばやオニギリなど手軽なメニューがあり、大好評。その後、一日も休まずに営業を続けています。今年の夏は難しいと言われていたウニを使ったメニューもなんとか出すことができました。蒸しウニをたっぷりと使ったウニ丼も人気です。さらに、おおのミルク工房の牛乳を使ったソフトクリームも。香り豊かでさっぱりとした味わいです。そして再開の要望が多かったのが本店で看板商品だったホヤづくし。はまなす亭では、南部もぐりが水揚げする天然ホヤを使っています。震災後のホヤの水揚げは、南部もぐりのなせる業です。夏の天然ホヤを想い存分堪能しましょう。ホヤのエキスがなんともいえない炊き込みご飯、磯の香りが漂うお吸い物、新鮮なホヤだから出来る刺身。これ、本当に美味です。そしてピリッとした辛さの珍味・ホヤキムチもなかなか。また珍しいホヤのフライも。独特の食感です。しめくくりはホヤを軽く炙って。磯の香りを楽しみながらいただいてください。

はまなす亭 産直店

【住所】洋野町種市32-95-1
【営業】9:00〜17:00
【休】無休
【TEL】0194-65-2981

  • 三陸沿岸には、震災の影響を受けながらも頑張るお店がありました。そして夏ならではの逸品も。それには素材の良さに加え、作り手や支えてくれる人々の想いも込められています。皆さんも是非、食べに行ってみて下さい。