まるで牛が横たわったかのように見える折爪岳。二戸市、軽米町、九戸村にまたがる山です。麓に湧く「岳の湧口」は岩手の名水２０選にも選ばれている名水。その昔武士が爪が折れるまで掘ったといわれる湧き水です。そのすぐ近くのミレットパークでは軽米町産の純ソバ粉を使った手打ちそばをいただくことができます。また、折爪岳は北東北最大級と言われるヒメボタルの生息地。７月中旬の夜には大乱舞を見ることができます。

遠野市宮守にある稲荷穴は、神社の御神木の根元にぽっかり空いた鍾乳洞から流れ出ています。その清水を利用して、この地域ではわさびの生産が盛んに行われています。収穫できるまでに１年半から２年かかるわさびには、夏は冷たく冬は暖かい稲荷穴の水がとても適しています。

北上市江釣子の周辺には数多くの清水が湧きます。この辺りでは古くから泉を「すず」と呼び、いつも身近に湧き水がありました。江釣子にある釣り堀では、その湧き水をひいた池でイワナやニジマスなどの釣りを楽しむことができます。釣った魚はその場で炭火焼にして美味しくいただくことも。

釜石市橋野町の能舟木地区。ここには地図にも載っていない鍾乳洞があります。２億年以上前の古生代のものとみられる洞窟からは、永い年月をかけて石灰岩に濾過された清らかな天然水が湧き出ています。冷たくまろやかで体の隅々にまでスーッと溶け込むようなその水は、飲むだけでなく料理にも最適。ご飯を炊くと一粒一粒が驚くほど良く立ち、艶やかになります。