夢・見る・ピノキオ

放送内容

2011年06月05日放送

Vol.110 6月5日  新緑紀行〜森を歩き、河を釣ること

  • 自然の猛威の前に人はなすすべがありません。でも、その恵みは私たちに生きる力を授け、その居心地の良さに心、癒されます。多くの命が躍動する季節、ピノキオは気持ち良い新緑に包まれた世界へ。

西和賀のカタクリに魅せられ、この地に移住した瀬川強さんに案内してもらったのは「星めぐりの森」。今まさに生命が躍動する季節です。標高620メートル地点にある「ブナの純林」は居心地の良い空間が広がっています。80年前に炭を作るために一度伐採されましたが、一本のブナの巨木を残したところ、種が落ち、ブナだけの広大な林が形成されたのです。

オトシブミという昆虫の仲間はブナの若葉に卵を産み、クルッと巻いて揺りかごにします。森の中で一番に新緑を待ちわびていたのはこの昆虫です。西和賀の牧草地を再び森に戻そうとする活動が瀬川さんを先頭に始まりました。一昨年植えた広葉樹の種や苗は元気に根を張り、大空を目指していました。瀬川強さんは月一で奥羽自然観察会を主催しています。

カタクリの会


【TEL】0197-82-3601

広葉樹の森は地中に水を蓄え、湧き出た水はやがて河となり、多くの命を育みます。安家川はダムや堰堤が無く、原始のままの姿が多く残されています。本波幸一さんはエサ釣りではなく、ルアーフィッシング。白い斑点を全身に散りばめた体長31センチのイワナが釣れました。本波さんは主に遡上魚を狙う釣り師。森と河と海が繋がることが大切だといいます。北海道で去年釣り上げた幻の魚と呼ばれるイトウは体長112センチ、体重15キロ。

久慈市侍浜にある本波さんの自宅兼工房。本波さんは残りの人生を釣りにかけようと、サラリーマン生活に別れを告げました。現在は釣り道具−魚と戯れ、闘う道具−の製作を生業としています。新緑の安家川で本波幸一さんが狙っているのは、ヤマメです。ようやく青い楕円形のパーマークという独特の斑点を身にまとった綺麗なヤマメが飛び出してくれました。このヤマメもいつの日か、太平洋へと下って遡上魚のサクラマスになるのかもしれません。

HONNAMI SPIRIT


【TEL】080-1855-9708

西和賀は山菜王国。新緑の頃は種類も多くなります。名人小田島薫さんに山菜を採ってもらいました。アマドコロはユリ科の植物、茎はアスパラガスに似ていて独特の甘さがあります。西和賀の山菜は雪国の恵み。雪解けで一気に山菜が成長するため、アクが少ないとのこと。