夢・見る・ピノキオ

放送内容

2011年05月01日放送

Vol.105 5月1日  ピノキオ流 春色スケッチ

  • 春の息吹を感じに野山へ出かけましょう。今宵は、ピノキオ流「春色スケッチの旅」。春ならではの風景や、春らしいあれこれ、もちろん旬の味覚も味わいます。まだちょっと肌寒いけれど、さぁ早速…

岩手山麓をぶらり


岩手山麓をぶらり

岩手山麓をぶらり 
岩手山麓をぶらり

岩手山麓をぶらり 
岩手山麓をぶらり

まず訪れたのは岩手山麓です。滝沢村の姥屋敷地区には、水芭蕉の群生地があります。流れ出てくる豊富な雪解け水の中に初初しく、かつ力強く咲き誇っています。そして訪れたのは有名な小岩井の一本桜。 4月に入ってからの気温が低めで、ピノキオが訪れたころはまだツボミの状態。ゴールデンウィークのこれからが見ごろです。花が咲くと、有名なこーんな素敵な風景に。是非一度、実際に見てください。見事ですから。山麓散策の時、立ち寄りたいのが、長山街道にあるカフェギャラリー「野の花舎」です。吹き抜けの開放的でおしゃれなアート空間で素敵です。2年前にこのギャラリーをはじめた山口さんは、実家が沿岸の宮古。今回の震災で被災しました。ギャラリーはしばらくクローズを余儀なくされていましたが、いつまでもこのままじゃいけないと奮起して作品展をはじめることに。作品展は、「復興を夢見て かごと布 作品展」で、もじり織や裂織や竹など。15日まで。ピノキオがおじゃました時よりも作品数はかなり増えるとのことです。ギャラリーのそばには、いつも小鳥たちが集まってきます。外を眺めながらコーヒーでもいただいてください。

野の花舎

【住所】雫石町長山松森33-4
【時間】10:00〜16:00
【休】火曜日定休
【TEL】019-692-2151

岩手山に向かって長山街道を走ると、奥に山小屋風のピザ屋さんがあります。このピザ屋さんの店主が、今、春ならではの一品があるといいます。山ぶどうでは、労を惜しまず、春ならではの味わいを集めます。今はバッケ・ふきのとう。ピザ生地にふきのとうをたっぷりとトッピング。イタリア製の窯でじっくりと焼きあげます。独特の香りがたちあがる春限定・ふきのとうピザ。デンマークのチーズもいい感じです。ほろ苦さとコクのあるまろやかさ。口の中を春風が駆け抜けていきます。

山ぶどう

【住所】雫石町長山有根5-34
【時間】10:00〜19:00
【休】火曜日・第2水曜日定休
【TEL】019-693-3005

雪しろ…そして春


雪しろ…そして春

雪しろ…そして春 
雪しろ…そして春

雪しろ…そして春 
雪しろ…そして春

春先の山から、綺麗な水がまるでスポンジから染み出すように集まり、沢、そして川となって豪快に流れます。春は釣り人たちにとっても、待ちに待った季節です。玉山のレストラン・ラックスのシェフ黒丸さんは、フライフィッシングフリーク。もちろんオリジナルのフライで。山も徐々に春色が濃くなってきてはいるものの、この日は前日までの雨の影響で川が増水。さらに水温が低いとあって、なかなかヒットしません。 そこで今度は、ニンフフライで試してみました。ちょっとすると小ぶりですが、ヤマメがヒットしました。なかなかきれいな楕円形の斑紋・パーマークです。5月、山々に春が訪れ、まもなく釣り好きにはたまらないシーズンがはじまります。

県北に春を訪ねて


県北に春を訪ねて

県北に春を訪ねて 
県北に春を訪ねて

県北に春を訪ねて 
県北に春を訪ねて

県北では残雪をチョコチョコ歩くカワゲラの仲間が春の訪れを告げると、いよいよ花も盛んになって。九戸政実も愛でたという由緒ある古梅。可憐な姿で春を彩ります。毎月2が付く日に開催される軽米の市日(いちび)にも、春がやってきました。およそ350年もの歴史があるという市を歩いてみると、まるでタイムスリップしたかのよう。それにしても皆さん、実に楽しそうに「ショッピング」していますよね。物流の拠点になっていたこの市には様々なものが集まります。岩手県北沿岸や八戸界隈からは海産物が。そして春を感じさせるのが、雪解けと同時に並ぶ「苗」。農家が作った苗を求め、たくさんのお客さんが訪れます。春、市は一層にぎやかに。昭和8年に店を構えた軽米食堂。市日と共に歩んできました。店を出す人も、買い物をする人も寄って行ったというこの店の名物、それは「かも汁定食」です。カモ肉に、たっぷりの地元野菜、そしてこだわりの自家製凍り豆腐や焼き麩がお椀を彩ります。まだ肌寒い県北の春。体を温めてくれる「かも汁定食」はうれしい一品です。

軽米食堂

【住所】軽米町軽米8-85
【時間】11:30〜20:00
【休】日祝日定休
【TEL】0195-46-2501

市日にのみ営業するお店もあります。産直の「ノーソン」です農家のおかあさんたちが空き店舗を使って、新鮮な農産物や加工品を販売している超人気スポットなんです。平日にもかかわらず、お店は開店と同時に長蛇の列。季節の野菜と山菜、そして漬物や加工品などが所狭しと並べられていますが、なんとそのほとんどが、午前中で売れ切れてしまうんです。ピノキオは、青豆しとぎとへっちょこだんごを買って帰ることにしました。みなさんもお早めに。

軽米町は畜産も盛んです。牛や馬を手掛ける細谷地牧場を訪ねました。細谷地涼太さんは22歳。畜産が好きで家業を継ぎ、勤しんでいます。ピノキオでは、細谷地一家を8年前から取材していました。当時涼太さんは14歳。家畜の世話が大好きで、大人顔負けのお手伝いをしていました。畜産農家は朝が早く休みがなかなかとれません。涼太さんはそれでも家業を継ごうと決意しました。その後、盛岡農業高校に進学。畜産の勉強に励みます。審査会や共進会に積極的に出向き、牛を見る目を養いました。農業クラブ連盟の家畜審査競技にも参加。東北大会で最優秀賞、全国大会でも優秀賞に輝きました。そんな涼太さんが目指したのは、子牛を仕入れ優れた成牛に育てる肥育農家。少しでも早く夢を実現させようと、国内有数の大規模農家へ修行に行くことにしました。島根をはじめ、全国各地で畜産の勉強をした涼太さんは、2年前に軽米に戻り、学んだノウハウを生かして家業を手伝っています。牛は、黒毛和種、短角など肥育が50頭、繁殖が20頭ほど。目標を聞くと…「最終的にはブランド化…細谷地牛、軽米牛というブランドを作ることが夢なんですけど、いい牛を作る血統を自分で考えながら交配して、繁殖の方から元牛作りの方から今、頑張ってます」町ではブランド化を進めるために軽米牛研究会を立ち上げました。涼太さんは青年部に所属。飼料米を生産し、食べさせ、ブランド化していこうと頑張っています。

馬の世話をしているのは、細谷地安美さん。涼太さんのおじいさんです。根っから馬好きの安美さんは、現在11頭の農耕馬を育てています。馬をこよなく愛し、家族のように接してきた安美さん。2006年には、岩手県の共進会で最高賞に輝きました。そんな安美さんが何よりも望んでいたことは、孫の涼太さんが家業を継いでくれること。修行に送り出す時には、大粒の涙を流しました。そして今年、おじいさんと孫は、一緒に忙しい春を迎えました。また、愛してやまない家族も増えて。細谷地家の春の風景です。 軽米町の春の風物詩「馬の競り市」が、もうすぐ。細谷地牧場では、去年生まれた一歳馬を出そうと管理に余念がありません。よく運動をさせて馬体を仕上げます。軽快なヒヅメの音が、春風と一緒に流れて行きました。