夢・見る・ピノキオ

放送内容

2010年10月24日放送

Vol.81 10月24日  今につむぐ人

一関は地主町の「ジャズスポット・ベイシー」。岩手はもとより、日本、いえいえ世界中のジャズファンに知られたお店です。おびただしい数のレコード…マスターにその数を訪ねると…25トンとのお言葉。「ベイシー」は、ジャズサウンドの聖地と呼ばれ、全国から足繁くファンが通います。店の存在を、伝説にまで高めた理由…それはその音にあります。マスターの菅原正二さんは、早稲田大学時代、オーケストラのバンドマスターとして活動。ビッグバンドとして、日本初のアメリカツアーも敢行したほどです。その後、プロのドラマーを経て、ふるさとに戻り「ベイシー」を開店。ジャズ・オーディオに、独自のスタイルを確立しました。菅原さんか20代の頃に考えた設定のままのシステムは最高の音を奏でます。そんな菅原さんが影響を受けたアーティストは店の名前でもある「カウント・ベイシー」。おすすめは、1956年のカウントベイシーのツアーアルバムです。ベイシーでは、ライブも開催。生前は、カウント・ベイシーやエルビン・ジョーンズもしばしばライブをしたとか。今年亡くなったハンク・ジョーンズも親交が厚かった一人。昨夏、ベイシーで誕生日を祝い、レコーディングライブを開催。菅原さんは、プロデュースのほか、ジャケット写真も手がけました。また毎年のようにライブを行っている日本のミュージシャンもそうそうたるメンバーです。そしてベイシーの魅力は、「音」より何より、「菅原さん」にあります。ジャズ通じて、菅原さんを慕って、音楽家をはじめ、俳優やタレント、作家や文化人など、様々な人たちが集まってきます。そして、この先 Basieは…菅原さんは言います「そのまんまやらせてもらいます、ただ。俺はお世話になったカウントベイシーとか、ぼくらは本当に最後のジャズの黄金時代に遭遇していますからね。今までそのおかげで僕ら、青春時代を勇気付けられて楽しくここまで来たわけじゃないですか。そうゆう人たちの音楽を忘れるなと。」そんな菅原さんにカウントベイシーは、こんな言葉をプレゼントしています。「私の名前がジャズスポット・ベイシーと同じで、とてもハッピーだよ」と。

JazzSpot Basie

【住所】一関市地主町7
【営業】PM営業
【休】水曜定休
【TEL】0191-23-7331

三陸の秋を彩るサンマ漁。このサンマ船のように、群れを追い、移動しながら漁をしている船を廻来船(かいらいせん)と呼びます。宮古市では、官民一体でこの廻来船(かいらいせん)の誘致をしています。宮古では、廻来船(かいらいせん)に、より多くの水揚げをしてもらえるよう、受け入れ体制を整えたり、銭湯を無料にするなど、町をあげておもてなしをしています。魚市場のすぐそばにある七滝湯は、明治27年創業の老舗。百十数年、港町を支える銭湯でとして営業してきました。ボイラーは、薪。原料は、市内の解体業者がもってきてくれる格安の廃材を使っています。また廃材は、近所の人たちの温かいサポートで、整理整頓。これぞ港町の地域力です。女将さんは「いつでもいいように。船の方がね、いつ来てもすぐ入れるようにしておきたいから。」と朝からお湯を沸かします。漁師さんたちは口々に「この湯入るのだけが楽しみだ。ホントによ。」「ここは近くていいよね。ここに来れば、毎日来るようなもんだ」と語ります。銭湯も、女将さんの笑顔もずっとありつづけて欲しい…そう感じさせてくれる港町のおもてなし。心も体もホカホカになります。

七滝湯

【住所】宮古市鍬ヶ崎仲町3
【営業】14:30〜21:00
【休】月曜定休
【TEL】0193-62-4962

盛岡は西青山のみうら屋。毎日食べても飽きない正統派の中華そばが人気のお店です。中華そばは、開店以来50年間守りつづけてきた昭和の味。値段は340円と、35年ほど前から値段は、据え置き。これほど安いお店は、そう無いですよね。遠くは花巻、矢巾、八戸、沿岸は宮古や釜石からみえるお客さんも多いとのこと。また店内に貼ってあるポスターは、歌手・三浦わたるとして活動中のみうら屋さんの息子さん。その活動から実家であるこの店を訪ねてくる人も多くなったとか。主人曰く「最近は。田沢湖からお見えになった方で、わたるのファンでもあるし、みうら屋さんのラーメンのファンにもなりましたって、今では毎月きていただいている方もいます」。時を経ても変わらない味わい…ごちそうさまでした。

みうら屋

【住所】盛岡市西青山1
【営業】11:30〜19:00
【休】水木定休
【TEL】019-647-0512

交通の要として長い間活躍してきた「盛岡バスセンター」。昭和35年の開業当初の建物の中には、一歩、中に足を踏み入れると、タイムスリップしたような世界が広がります。そのバスセンターと40年以上ともに歩んできた吉田時計店。レトロな店内では中森明菜や若かりし三浦友和が笑顔で迎えてくれます。吉田さんは、生粋の時計職人。その腕には定評があり、県内各地はもとより県外からも修理の依頼があるほどです。頼まれる時計は、ヒット商品、親の形見、そしてプレゼントなど思い入れのあるものばかり。時計には、持ち主の人生が刻まれているんです。ボランティアに近い修理を引き受ける吉田さんは「お金に返られないよ」と語ります。

吉田時計店

【住所】盛岡市中ノ橋通1 盛岡バスセンター内
【営業】9:30〜18:00
【休】日曜定休
【TEL】019-624-1540