番組審議会
この議事録は公式の議事録をそのまま掲載するものです。
第339回 番組審議会 議事録
平成11年12月13日(月)
テレビ岩手
第339回番組審議会
1.日時
平成11年12月13日(月) 午後4時00分~
2.開催場所
ホテルメトロポリタン盛岡 NEWWING
3.委員総数
13名
- 出席委員
- 8名
- 出席委員
-
- 委員
- 菅 野 耕 毅
- 委員
- 岩 渕 孝 男
- 委員
- 田 沼 征 彦
- 委員
- 玉 山 哲
- 委員
- 二 宮 柊 子
- 委員
- 勝 雅 行
- 新委員
- 増 本 智 昭
- 新委員
- 黒 岩 幸 子
- 欠席委員
-
- 委員
- 伊 藤 敏 信
- 委員
- 岩 動 孝
- 委員
- 栗 山 大 義
- 新委員
- 谷 村 啓 子
- 新委員
- 清 水 健 司
- 社側出席者
- 伊 勢 卓 夫(代業取締役会長)
中 野 士 朗(代表取締役社長)
新 沼 栄 喜(常務取締役業務局長)
横 山 尹 浩(常務取締役報道制作技術担当)
天 野 雅 行(常務取締役事業局長)
阿 部 孝 夫(取締役報道制作局長)
小 熊 清 司(取締役総務局長)
照 井 芳 夫(技術局長)
村 田 憲 正(報道制作局専任局長報道部長)
渕 沢 行 則(報道制作局次長制作部長)
- 事務局
- 青 山 尚 之(業務局編成部長)
佐 藤 秀(業務局編成部)
畑 敦 子(業務局編成部)
4.議 題
1.「今年一年のテレビ岩手の番組について」
2.その他ご覧になった番組についてのご意見
5.議事の概要
「テレビ岩手は真面目で堅いイメージがある」「もっと子供が楽しめる番組を作って欲しい」「番組にもバリアフリー化は必要だ」
など活発な意見が交わされた。
6.審議内容
別紙のとおり
7.審議機関の答申又は改善意見に対してとった措置及びその年月日
特記事項はないが、キー局及び関係局、関連部署に議事録を配布するなど、関係者に審議の内容を伝えた。
8.審議機関の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、方法及び年月日
・自社制作番組「あなたと歩むテレビ岩手」(平成11年12月21日午前11時50分~11時57分放送)で、審議の概要を放送。
・平成11年12月15日(水)付読売新聞岩手版で公表。
・支社・支局に議事録を設置
・当社のインターネットのホームページで議事録を公開。
9.その他の参考事項
資料として以下のものを配布
・テレビ岩手自社制作番組放送スケジュール表(1999年10月~12月)
・テレビ岩手1999年自社制作番組一覧表
・視聴者からの意見の概要
議事の内容
事務局
12月から番組審議会は新年度となります。また、今回新たに4名の先生に委員を委嘱することとなりました。委嘱状をお渡ししますので宜しくお願い致します。
─委嘱状贈呈─
社 側
貴重なお時間をお付き合い頂く訳ですから、テレビ局・テレビ番組に対するご理解を深めて頂ければと思います。社側からは全局長と、番組に関する部署の部長は全員出席するようにしておりますので、色々と話のやり取りが出来れば有難いと思っております。宜しくお願い致します。
─委員長 岩渕孝男氏選出─
─副委員長 勝 雅行氏選出─
事務局
本日のテーマは「今年一年のテレビ岩手の番組について」です。それ以外でも普段テレビを観ていてお気付きのことがあれば、お話し頂きたいと思います。
委員長
お手元に自社制作番組一覧が配られていますので、これを中心に、この1年間テレビ岩手で放送された番組につきましてご感想、ご意見、ご注文等宜しくお願い致します。
委 員
ファッション業界の2000年春・夏コレクションを見ますと、1900年代の総括的なものが主流で、古典へのフェティシズムが大きなコンセプトとなっています。ファッションに限らず、もう一度1900年代を見直して原点に還ろうという考え方はいいと思います。最も大切なことは人間性、ヒューマニズム、優しさだと言います。その辺を、番組を作る上でお考えになって頂ければと思います。また、どこの局か分からなかったのですが、恋人同士を取り上げた非常に質の低い低俗な番組を放送していました。その様な品のないものはお作りにならないようにお願い致します。
委 員
放送業界を全体的に見て、倫理的な面で質が下がってきている様に思います。特に報道番組は、悪い動きを助長するようなきらいがあった様に思い、大変心配しています。「お受験ママ」の様な言葉をキャッチコピー的に安易に遣っていますが、あおる様で良くないと思います。又、テレビ岩手は自社制作番組の数の多さからも制作に対する意欲やチャレンジ精神が感じられる局だと思います。最近「バリアフリー」というものが気になるのですが、テレビにもバリアフリーは必要ではないでしょうか。例えば耳の不自由な方の為に字幕を出したりしますが、そう言った手法を報道番組などにも取り上げて頂ければいいと思います。もう1つ、弱者に対しての情報発信をもっとして欲しいと思います。年間番組一覧表を見ても「〇〇長に聞く」というものが多いのですが、逆に市民など民間生活者に聞く番組があってもいいのではないでしょうか。来年は様々な分野の人たちに「優しい」番組のバランスを考えて頂ければ更に質が高まると思います。
委 員
「夢・見る・ピノキオ」は時々観ますが、野菜などを取り上げる際、「この里芋は〇〇産」、「この大根は〇〇産」などと言って頂いた方が、PRにもなり生産者と消費者を結ぶことが出来るのではないかと思います。
委 員
「小さな小さなあなたを産んで」は、命を大切にすることは何よりも大切なことだということが表れていて感心しました。「メイセイオペラと見た夢」は、馬と人間の関わりが上手く描かれていたと思います。「静寂の世界からの挑戦」は、障害を持っていたり、上手く仕事やスポーツを成し得ない人々の励みになると思います。「火曜サスペンス劇場~逃げる女~」は、どうしてもサスペンスというと血生臭くなってしまうのは仕方がないのでしょうが、もう少し工夫されれば子供にも観せられるものになると思います。「イーハトーヴ・クイズ~いわて博士決定戦~」は、後半は良かったのですが、前半の人の落とし方はどうかと思います。「ズームイン!!朝!」は時々観ていますが、明るい内容でいいと思います。総じてテレビ岩手の番組は良かったと思っています。又、マスコミに関する一般的な感想を2つ程申し上げます。1つは、テレビも新聞も国民が知りたいことを報道するという、いわば知る権利に対応して取材・表現しているわけですが、取材される側のプライバシーをどのように重んじるのかということです。もう1つは、事件や事故の報道に於いて被害者の名前を簡単に出さずに、例えば「何歳の男性」などという表現をした方がいいのではないかということです。取材される者に対する配慮を、作られる番組の良さとセットで考える必要があると思います。
副委員長
今年1年間の自社制作番組表を見ますと、150本位お作りになっている様で、大変な努力だと思います。その中で、やはりテレビ岩手は堅い番組が多いなと思います。また、子供向けの番組が非常に限られていて少ない気がします。歴史的人物や食文化など岩手が誇れるものはたくさんあると思いますので、その辺を岩手の子供たちに教える番組があってもいいのではないでしょうか。また、夕方から夜9時、10時にかけての番組で、レベルが低く子供に観せたくないようなものが結構あります。キー局が作っている番組なのでなかなか規制できないでしょうが、子供も観ているということを考慮しての番組制作が大切だと思います。それから、こういう会議でのカメラマンの服装が気になります。会長さん、社長さんをはじめスーツでいらしている時に、カメラマンの方がトレーナーにジーパンというのはどうかと思います。
委 員
今日が初めてなので自己紹介がてら普段感じていることを言わせて頂きます。一番気になるのは、やらせ番組やバラエティ番組など、低俗な番組が多いことです。例えばワイドショーで盛んに取り上げられた「ミッチー・サッチー」などは放っておけばいい話で、あそこまでけしかける必要はなかったと思います。テレビ岩手の番組を観ていていいなと思うのは、岩手県の情報をかなり扱われていることです。「北上市アワー」、「花巻市アワー」、「夢・見る・ピノキオ」など、地元に根差したいい番組を作っていると思います。岩手は私にとって第2の故郷です。是非、岩手の地場産業をしっかりと紹介してもらう番組を制作して頂きたいと思います。地方には地方に合った番組というものがあってもいいと思うので、その辺を宜しくお願い致します。
委 員
昨年の4月に札幌から岩手県に引っ越し、こちらのことは不案内なもので、今回委員を委嘱されたのをいい機会として、番組を観させて頂き、岩手県について勉強しようと思います。
委員長
まとめさせて頂きます。自社制作番組については、皆さん同じような好感度を持っていた様に思います。しかし、局が作るのに一番苦労したと思われる「イーハトーヴ・クイズ」が、番組審議委員には受けませんでした。「メイセイオペラと見た夢」、「火曜サスペンス劇場~逃げる女~」、「小さな小さなあなたを産んで」などは素晴らしい番組で、感銘を受けました。また、岩手県や県内の中小企業、零細企業をPRする番組が欲しいという意見や、番組のバリアフリー化についても話が出ました。全体的にテレビ岩手は非常に真面目な放送局で堅いイメージがあるという意見の中、もっと子供が楽しめる番組を作った方がいいという意見もありました。来年は「優しさ」をテーマに、1990年代をもう一度振り返ってみてはどうかとの意見もありましたので宜しくお願いします。
社 側
先程の「取材される側への配慮」という話を聞き、40数年前、自分が駆け出しの新聞記者だった頃のことを思い出しました。事故死した方の顔写真を貰いに自宅を伺うと、遺族が泣いて悲しみを訴え、「元気を出して頑張って下さい」と言い、写真を貰えずに帰ってしまい怒られた経験があります。取材に行っているカメラマンや記者、レポーターもやはりその様な悩みや「可哀相だ」という気持ちを押し殺しながら、苦悩・勇気・臆病といったことの狭間で報道していることは紛れもない事実だと思います。
社 側
キー局とローカル局は多少スタンスが違い、キー局は「いい番組を作れば売れる」、ローカル局は「売れる番組を作る」というところです。また、キー局の場合、いわゆるワイドショーは相当数のところはプロダクションが作っており、それが他のプロダクションに負けるようでは力がないとみなされて排除されてしまいます。そういう競争が熾烈で、多少不快感を与えるものでも観られるものを作るという状況はあります。
社 側
視聴率を稼ごうと思い番組の質を落とす、という言い方が一般的にはされますが、決してそうではないと思います。今、視聴率の高いベスト20あたりを調べてみると、やはりいい番組です。ですから、悪い番組については厳しく言って欲しいと思います。
社 側
被害者の人権に関しましては、葛巻の幼女殺害事件の報道の際、ある時点からテレビ岩手では顔は勿論のこと名前も出さないことを選び、日本テレビにもその旨を申し入れて系列を挙げて徹底しました。これは1つの前進であると思っています。
事務局
次回は1月18日(火)、午後1時30分からテレビ岩手本社6階大会議室で行います。テーマは「いわて大航海時代~新たな創造への船出~」です。宜しくお願い致します。