番組審議会

この議事録は公式の議事録をそのまま掲載するものです。

第322回 番組審議会 議事録
平成10年5月19日(火)
テレビ岩手

第322回番組審議会

1.日時

平成10年5月19日(火) 午後1時30分~

2.開催場所

テレビ岩手本社6階大会議室

3.委員総数

13名

  • 出席委員
  • 7名
  • 出席委員
  • 副委員長
    谷 村   繁
    委員
    菅 野 耕 毅(FAXによるコメント)
    委員
    田 沼 征 彦
    委員
    斎 藤 徳 美
    委員
    澤 口 たまみ
    委員
    岩 渕 孝 男
    委員
    岩 動   孝
  • 欠席委員
  • 委員長
    橋 口 誠 之
    委員
    三 原 まなぶ
    委員
    深 谷 政 光
    委員
    二 宮 柊 子
    委員
    勝   雅 行
    委員
    玉 山   哲
  • 社側出席者
  • 伊 勢 卓 夫(代表取締役社長)
    新 沼 栄 喜(常務取締役業務局長)
    横 山 尹 浩(常務取締役報道制作技術担当)
    天 野 雅 行(取締役事業局長)
    阿 部 孝 夫(取締役報道制作局長)
    村 田 憲 正(報道制作局次長報道部長)
    鈴 木 直 志(報道制作局次長アナウンス部長)
    渕 沢 行 則(報道制作局次長制作部長)
    大 村 精 一(業務部長)
  • 事務局
  • 青 山 尚 之(編成部長)
    小 原   恵(編成部)

4.議  題

1.「ニュースプラス1いわて」について
    (毎週月~金曜日 18:23~18:57放送)

2.その他御覧になった番組についての御意見

5.議事の概要

議題の番組「ニュースプラス1いわて」について
 ・ダイオキシン問題について、第一人者である教授に生出演で話を聞き、丁寧な取材で過去に空中散布されたとされるダイオキシンの量を推定するなど、力の入った内容だった。
 ・地域の安全に関わることを取り上げ、提言する姿勢は評価できる。
 ・岩手山の火山活動の報道について、長期にわたることなので住民の不安をあおらない様に長期的な姿勢で取り組むべきだ。

など、活発な意見が交わされた。

6.審議内容

別紙のとおり

7.審議機関の答申又は改善意見に対してとった措置及びその年月日

特記事項はないが、キー局及び関係局、関連部署に議事録を配布するなど、関係者に審議の内容を伝えた。

8.審議機関の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、方法及び年月日

・自社制作番組「あなたと歩むテレビ岩手」(平成10年5月26日午前11時50分放送)で、審議の概要を放送。
・平成10年5月22日(金)付読売新聞岩手版で公表。
・支社・支局に議事録を設置
・当社のインターネットのホームページで議事録を公開。

9.その他の参考事項

資料として以下のものを配布
・テレビ岩手自社制作番組スケジュール表(1998年4月~6月)
・視聴者からの意見の概要
・テレビ岩手番組・CM等の映像手法に関するガイドライン

議事の内容

事務局

今日読売新聞や岩手日報にも掲載されたのですが、ポケットモンスター問題に端を発して、映像処理に関するガイドラインをテレビ岩手で独自に作成致しました。最初にこれについて報道制作局長の阿部から説明致します。

会社側

お手元に配っておりますガイドラインですが、NHKと民間放送連盟が共同で決めた基準に沿ってテレビ岩手で独自に作りました。NHKと民間放送連盟では、「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」となっておりますが、私共の会社ではアニメーションをつくることはありません。しかし、技術革新が進み、現在、アニメーションだけでなく、コマーシャルや番組でも多彩な映像表現が可能になりました。そこで私たちはアニメーション以外の映像でもこうしたガイドラインが必要であると考え、昨日テレビ岩手の放送倫理委員会の了解を得て制定致しました。尚、自社制作だけではなく、代理店や制作会社、またコマーシャルの委託会社から持ち込まれたものについても、これに準じてチェックをして、視聴者に生理的な苦痛やダメージを与えないようにしていこうということで、昨日各社に配布致しました。

事務局

「ポケットモンスター」というアニメーションで、画面がぐるぐる回ったり、コントラストの変化のある画面が短い時間でぱっぱっと変わったりというものを見ているうちに子供たちが具合が悪くなって病院に駆け込んだという事件がありました。この事件をきっかけに映像に関するガイドラインを民放連がまとめまして、それを受けてテレビ岩手でも制定しました。おそらく独自にローカル局が単独で映像手法に関するガイドラインを作ったのは、初めてではないかと思います。ローカル制作と言いましても、CMなどは機械も発達している為、こうしたことに気を付けていこう、というのが主旨です。
 それから、視聴率の資料と視聴者からの御意見という資料を用意致しました。視聴率は今年の1月からずっと三冠王ですが、特に今回夕方の5きげんテレビとローカルニュースについてもトップに立ちましたので、お知らせ致します。視聴者からの御意見につきましては、あまり件数はないのですが、「おもいッきりテレビ」の司会者やゲストに関するものが来ています。テレビ岩手からは以上です。
 では、今日のテーマはニュースプラス1いわてのダイオキシン報道についてです。ビデオは皆様に予め郵送したのですが、その後の報道についてもまとめてあります。では、宜しくお願い致します。

─ビデオ視聴─

副委員長

先程事務局からお話頂いたように、ダイオキシン報道につきまして、番組の審議を致したいと思います。初めに、菅野さんは欠席ですが、ファックスでご意見が届いておりますので、それを読ませて頂きます。

  • 「都合により本日欠席致します。
     この番組は、その日のニュースにくわえて、最近の注目すべき話題についてフォローし、分析して、市民生活に必要な情報にまとめあげて提供し、政治・経済・社会・教育・文化・環境などの諸問題を市民の立場で考え、有効な提言をしていくことを意図しているものとみられます。4月の「ニュースプラス1いわて」をみると、その意図は、おおすじにおいて達成されていると思われます。
     第一に、ゴミと環境のテーマのもとに、ダイオキシン処分地の問題を取り上げ、それを分析して、問題点を報道したことが注目されます。とくに『昭和45年度林地除草剤空中散布実施計画』の資料を入手し、それを手がかりに、具体的かつ数量的に県内のダイオキシン含有除草剤ブラッシキラーの散布量84,650kgと県内埋設処分量6,670kgを明らかにし、ダイオキシンの散布量を11g~33gと推定して、事の重大性を考えさせるとともに、県と青森営林局の水質調査による水の安全宣言に対しても、専門家の意見をもとに、調査地点および比較対照地点の選定の不適説などのために調査が実態を反映していないといった問題点を指摘し、安全性確保のためにも継続的調査が必要であることを提言するなど、継続的に追跡報道したことは、大変よいことだと思います。
     第二に、教育については、暗いニュースが多いなかで、綾里小学校の入学式の様子や県立大学発足の報道内容は、一服の清涼剤の感じがしました。また、児童生徒の保健室登校の状況とそれに関するコメントは、校拒否的児童生徒の実態とその問題点を考えるのに有意義でありました。
     第三に、年度初めということで新入行員や新入公務員、新入ガイドなどのフレッシュマンとの様子とその抱負などをルポしたこと、それに合せて、フレッシュマンに対する受入側代表者の挨拶をまとめて、現在の財界や行政の姿勢や問題意識が読み取れるように映像構成をしていたことは、大変印象的でした。」

 続きまして御意見、お願い致します。

委 員

発生源から採取するまでの距離が非常に大事だと思いました。特に土壌を調べるには、ゼロ地点だといいけれど5m離れた所では信憑性がないのではないかということでございましたが、その影響が発生源から何キロも離れているところで出るわけですから、5mというのは限りなくゼロに近いのではないかという気がしております。そのあたりのコメントも同時に頂ければ、寧ろ心配だけを皆さんに与えるというのではなく、一方ではそうでもないのだというようなこともちゃんと言うべきではないかという気がしました。
 依然として東海村の原子力発電所でデータの隠匿だとか、事実の隠匿だとか、そういうことが報道されている中で、現在営林署や県の方で「大丈夫です」というデータを出していますが、果たしてそれが本当に隠していない、正しいものなのか、その辺を我々ももっと詳しく知っておかなければならないのかなという気がしました。
 岩手山の方につきましては、一方ではダイオキシンの様に人災的なこと、また一方は自然の現象が災害を起こす、それを未然に防ぐという努力がいかに大切かということを感じました。今後も観測を続けていくべきだという意見が出ていると同時に、お金がかかるという本音もあり、そのようなところも考えさせられました。

委 員

ダイオキシンの問題は営林署がしたことと、一般の民地焼却所から出ているものとの二種類あるのですが、今回は営林署がやったことに焦点を当てていました。起きてしまった問題を今後どうしようかということなのでしょうが、素人目に考えてダイオキシンを中和する薬はまだないのだろうかと真っ先に考えました。中和できればそれに超したことはないと思います。
 もう一つ、クリーンセンターからもそういう類のものが出たわけですが、岩手県にもたくさんのゴミ焼却所があり、一般市民の関心は身近にあるゴミ焼却所からどんなものが出てくるのかということだと思います。新聞では大阪の方などを見て大変だと報じていますが、私たちの身近なところにも、そういうことがあるのではないかという不安が残っている状況だと思います。埋め立ててコンクリートの下に入れてしまえばそれで済むものなのか、焼却所からそういうものを出さない為の手立てがあるのか、その辺が分からないので、対策についてコメントがあれば安心できるのではないかと考えます。

委 員

前半の埋設されているものについての調査の部分では、その第一人者と言われ、しかも比較的厳しい意見を持っていらっしゃる方を呼んでスタジオで生の言葉で語って頂くということに関して、いいことだと感心しました。そこで厳しいご意見が出たわけですが、後の方でこういう調査でもまあまあいいのではないかという人の取材もきちんとして、両方の意見を出していたのも良かったと思います。両方の考えを伝えて見る人が選択できる様、伝えることは良いことです。
 後半部の既にまかれていたということに関しては、自然が好きで山を歩いていると営林署の関係者にお目にかかることがあって、この山で非常に恐ろしいことが行われたんだということをちらほら以前から耳にはしていたものの、自分で調べることもなくいたところ、テレビ岩手さんできちんと調査をして当時の幹部を捜し出して取材をするという丁寧な取材で、まかれた薬の量まではっきりと分かるということで、大変な御努力だったなと思います。私たち住民には事実を知る権利があるのだから、こういう報道は必要だと思います。しかし一方で、事実を知れば知る程、暗澹たる気持ちになって、じゃあどうすればいいかという部分のフォローが今後もっとあればさらに私達にとって意味のある報道になると考えます。

委 員

今回の調査は、きちんと安全だということを確認する為には、全く不備なやり方であったことは間違いないと思います。近辺からの要望が強く、冬場に早々にできることをしましょうという発想だったように聞いてますが、そうであれば結果が七月まで出ないし、不備な点もたくさんある。そうすると、「とりあえず」の次の「本格的に」はどうするつもりだということが、番組内でもいつも曖昧な形でしか受け答えが出来ていない。県民の方々がより不安にかられる。これがこのままいくとすれば本当に結末論的なとり方もあると思うのですが、私は今後きちんと追求し、強く訴えていこうという前向きな姿勢と受け取りました。
 汚染の問題は、地下水の流動にかかわるので、極端に言えばすぐ1メートル先だって水が絡まなければ殆ど感知しないケースもあるわけです。ですから、雨が降って水が流れる時期でなければこういうことは出ませんし、2キロ以上離れたところで採取されたというのはえらい話です。要は姿勢に問題があると思います。
 番組そのものは、特に地域の安全に関わることを綿密に追求し、また専門家を呼んで具体的な提言をするという非常に積極的ないい姿勢だと思うので、今後も続けて欲しいと強く感じました。色々と意見の相違はあるかもしれませんが、おそらくこの結果を見た時点でその後どうするかということがまた大きな問題になってくると思うので、その辺は大いに追求して欲しいと思います。

委 員

この番組をつくって頂いたこと、放送した中身は県民の皆さんなり農業に関わる者にとって、非常に良かったと思います。私達はプラスチックなど様々な農業廃棄物を勝手に捨てることがないように色々と考え、県と市町村が一体となってチラシを4月に配布した経緯もあるのですが、国内で農業用のブラスチック類は年間2,600トンも排出されている状況なので、簡単には片付けられない問題だと感じました。こういう中、岩手県農業用廃プラスチック適正処理協議会というものが、県農政部の区画振興課内にありまして、各市町村を通じて各農家に対し、処理の仕方やビニールの回収について定めております。自分の土地だからといってその土地に埋めることも法律上よくないわけですし、処理の方法としても焼いてもいけないということで、農家の方も敏感になり、気にしている状況でございます。そこで農協関係も、徹底した形で指導したり農家ですぐに出せない中身は各家庭でストックしておいてもらい、年に1、2回集めるという状況です。また、農薬なども確かに農家で家事なり野菜なり色々な面で使うわけですが、そういうものが入っていた袋や、古くなった農薬については、販売した農協を通じて業者に返品するという状況もつくっております。また、保管庫の販売や使用の指導もしてきました。
 番組そのものは、見ていて非常に関心を持ちましたし、視聴者の理解度がいくらかでも上がれば嬉しく思います。

副委員長

どうも有難うございました。今日は先生方の意見の他、私の基本的な意見も含めて話したいと思います。今、「処理責任」という言葉がありましたが、例えば、焼却炉を作るなどの辺りを番組で取材して頂ければ大変有難いと思います。ダイオキシン報道を見た結果、住民として不安が募りました。しかし、皆様の御意見にもあるよう、今後この問題を解決するにはどのようなことが考えられるか、という報道を追求してもらいたいと考えます。先程、地震についても番組がございましたが、会話はもう少しゆっくりと、番組の中でのテーマの説明ももう少しゆっくりとやれば良かったのではないかと思います。
 こういう問題は、出来るだけ慎重に紹介をする必要があると思います。あまり過激なサウンドを使ったり、或いはエキサイトした様なアナウンサーの声は抑え気味にして、落ち着いた雰囲気でやって頂ければ更に視聴者の番組に対する関心度が上がっていいと思います。
 今日は委員長がおりませんので、この辺でニュースプラス1いわてについて終了したいと思います。他の先生方、ご意見ありますでしょうか。

委 員

岩手山の問題ですが、どうしても、情報ルートが交錯するというのが一番の問題です。例えば、岩手山で新たな火山活動が起きた時、火山はどういう状態にあるのか、そうした予知をどこで責任を持ってだすのか、そして行政的な対応をどこで出すのか、というようなことをはっきりさせなければなりません。実は、火山噴火予知連という専門家の集まりがあり、データは全部そこに集中します。そこで学術的な判断は出るのですが、それを受けて地元の方がその情報をどう生かすかということを考える必要があります。

副委員長

ありがとうございました。それでは次回の番組審議会についてお話し頂きます。

事務局

次回は、久し振りに「ズームイン!!朝!」をテーマとして取り上げたいと思っております。実は4月、ズームイン朝の岩手からの中継が7回ありました。これは系列局の中でも多い方です。
 ビデオを予め皆様に郵送致しますので、これを御覧頂いてご意見を頂戴したいと思います