番組審議会
この議事録は公式の議事録をそのまま掲載するものです。
第315回 番組審議会 議事録
平成9年10月20日(月)
テレビ岩手
第315回番組審議会
1.日時
平成9年10月20日(月) 午後1時30分~
2.開催場所
テレビ岩手本社6階大会議室
3.委員総数
12名
- 出席委員
- 9名
- 出席委員
-
- 委員長
- 鈴 木 宏 延
- 副委員長
- 三 原 まなぶ
- 委員
- 中 津 文 彦
- 委員
- 谷 村 繁
- 委員
- 澤 口 たまみ
- 委員
- 菅 野 耕 毅
- 委員
- 二 宮 柊 子
- 委員
- 勝 雅 行
- 委員
- 深 谷 政 光
- 欠席委員
-
- 委員
- 斎 藤 徳 美
- 委員
- 橋 口 誠 之
- 委員
- 田 沼 征 彦
- 社側出席者
- 伊 勢 卓 夫(代表取締役社長)
中 野 士 朗(代表取締役副社長)
清 水 秀 夫(専務取締役業務事業担当)
新 沼 栄 喜(常務取締役業務局長)
横 山 尹 浩(常務取締役報道制作技術担当)
天 野 雅 行(取締役事業局長)
阿 部 孝 夫(取締役報道制作局長)
村 田 憲 正(報道制作局次長)
大 村 精 一(業務部長)
鈴 木 直 志(アナウンス部長)
渕 沢 行 則(制作部長)
- 事務局
- 青 山 尚 之(編成部長)
小 原 恵(編成部)
4.議 題
1.番組「家族~トランさん一家のベトナム里帰り~」について
(9月27日(土)17:30~18:00放送)
2.その他御覧になった番組に対する御意見
5.議事の概要
会社側から、放送法改正に伴う番組審議会の活性化のための運営の仕方について報告のあと、
議題「家族~トランさん一家のベトナム里帰り~」について
国際交流の時代、子供の将来には明るい印象をうけた。
トランさんのベトナムでの声がもう少しあれば、気持ちが伝わったと思う。
番組から今なお残る戦争の傷跡が感じられ感動した。
ベトナム戦争を知らない若い世代のために解説があるとよかった。
戦争のことを正面から説明なくても、家族を通じてベトナムというものが伝わり、引きつけられた。
三代にわたる一族のアニバーサリー的な内容で、ベトナム事情の説明がもう少しあるとよかった。
ほのぼのとしたあたたかい感じで、しみじみとした感動を持った。
ベトナム復興のめざましさ、戦争からの立ち直っている姿に強い印象を受け、今後に希望をもてるような内容だった。
幅広くとりあげていたが、ひとつのことに突っ込んでもよかったと思う。
など、活発な意見が交わされた。
また、「うぐいすの郷開設記念番組」、耳あかとりの危険性を取り上げた番組を推奨する発言も出された。
6.審議内容
別紙のとおり
7.審議機関の答申又は改善意見に対してとった措置及びその年月日
統一された答申、意見はなかったが、キー局及び関係局、関連部署に議事録を配布する。
8.審議機関の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、方法及び年月日
支社・支局に議事録を設置
9.その他の参考事項
資料として以下のものを配布
・テレビ岩手自社制作番組スケジュール表 1997年9月~11月
議事の内容
事務局
では、皆様、おそろいになりましたので、番組審議会を始めたいと思います。鈴木委員長、よろしくお願いします。
事務局
お忙しいところお集りいただいてありがとうございます。番組審議会に入ります前に事務局から10月1日放送法の改正に伴いまして番組審議会をより活性化していくためにということで、ご報告お願いします。
事務局
まず、今回10月1日から、放送法が改正されまして、それに伴い、郵政省令の方も変わりまして、番組審議会の運営方法が若干変わってきますので、皆様にご報告したいと思います。まず、放送法の方なのですが、今まで番組審議会に対して、弊社の様々なことをご報告申し上げていたのですが、今回の法律で3点ほど新たに義務付けられたものがあります。1つ目は、番組審議会の中で重要な意見や答申が出た場合、次回以降の番組審議会でテレビ局で取った措置の内容をご報告するということが1つです。それから、間違った放送などをした場合、法律で訂正又は取消し放送が義務付けられているのですが、これについても、実施状況を番組審議会の中でご報告するということです。そして、もう1つは、番組審議会に対して、視聴者の苦情、意見、こういったものも合わせて報告をするということ、以上が放送法で義務づけられました。もう1つ重要なところは、番組審議会の意見や答申、議事の概要は、公表しなければならないということで、合わせて、それに対してテレビ局が対応したことに関しても公表しなければならないと定められたことが今回変わったところです。以前の法律ですと、テレビ局の措置を公表しなければならないというところは書いていなかったのですが、それが追加になったということです。省令の方は、さらに具体的に書いてありまして、公表については、日刊新聞紙やテレビの放送、あるいは、テレビ局の支社、支局で番組審議会の内容がわかるようにしておくということです。番組審議会に対して諮問をしてその結果、答申や意見が出たことに対してすみやかにその次の番組審議会で報告するようにという公表や番組審議会に対しての報告についてのタイミングも具体的に示しております。郵政省の方からは、番組審議会の内容をさらに広く公表してほしいということがあり、これが法律として具体的に条文化されたということです。放送法の改正につきましては以上です。それと、上半期の視聴率の結果が出ましたのでご報告までですが、ちらしを用紙しました。今年度の上半期の視聴率調査は全日、プライム、ゴールデンすべてトップということになりましたので合わせてご報告いたします。
事務局
ありがとうございます。
社 側
これは、今まで以上に番組審議会の意見を尊重せよということでして、審議会で出された意見や答申については、必ずそれに対してどうしたかということを番組審議会で局側が報告しなければならない、あるいは、そういう内容を一般に公表しなければならないという、番組審議会重視を義務付けたということです。ですから、今まで以上に番組審議会の先生方、活発に意見をお願いしたいと考えております。
事務局
委員の責任がますます重大になってきます。それでは、番組審議に入る前にビデオをお願いします。
―ビデオ視聴―
委員長
それでは、さっそく「トランさん一家のベトナム里帰り」につきましてご意見をうかがいたいと思います。
委 員
今日初めて見まして、とても明るい印象をうけまして、戦争のこととか、過去のことは皆さんご承知のとおりで、トランさんの23年ぶりの里帰りということですが、私から見ますと、盛岡に住んでとても良かったのではないかと思います。国際交流の時代ですので、子供さんにすればオーストラリアのおじいちゃんのところへ行けるし、盛岡にもいられるし、ベトナムにも行けるというように、視野が広がりこれからの時代への可能性を何となく感じました。ご本人が非常に苦労した23年というものはとてもわかりますが、これからの時代に向かって、自分の子供がどこへでも自由に行ける、そういう環境になっていく時代ではないかなと思い、将来に対して非常に明るいと申しますか、そんな感じで見せていただきました。
委 員
番組の題名どおりの番組かなと思いました。番組のタイトルですが、ベトナム戦争ということを考えた時に、その内容が里帰りというそのままのものだったかなという気がします。トランさんがベトナムから日本に来たときの文化とか、町とかそういったものを、今現在、23年たった今ともう少し比較してトランさんの声がもう少しあると、私は行ったことがなのですが、ベトナムという町がわかったかな、トランさんの気持ちも伝わったかなという気がします。もう少しトランさんの言葉が欲しかったと思います。
途中のBGMですが、ボートに乗っている時とか、車に乗っている時とかそれがかえって気になったので、町の音なり、川の音とかそういうものを出した方が良かったと思います。
委 員
9月27日の放送を見させていただきましたが、すごく感動しました。トランさんが涙を流したときは、私も一緒に涙ぐんでしまいました。
ベトナムというのは、トレンディというか、魅力的な町だと思っています。ファッション関係者でベトナムを訪れる人は多く、ファッション雑誌でもベトナムのファッションは取り上げてますし、ベトナム料理も注目されています。そういう意味でテレビを見る前に、街並みとか風景とか、ファッションとか、そういうものを期待して見ようと思っていたのですが、そんなことはどっかに行ってしまいました。番組からは今なお残る戦争の傷跡が感じられ、そういう目で見ようとしていた自分がすごく恥かしくなりました。久しぶりにこういう番組を見させていただきました。まだまだ戦争の傷跡が残っているということを把握した上で訪ずれてみたいと思ってます。
委 員
ベトナム戦争には私は関心を持っていましたが、そのため波瀾の人生を送ったトランさんが帰郷なさったということで、大変感じるところがありました。
盛岡で結婚されて、家族とともに里帰りをして、ある意味では、悲劇的な状況の中での国際化の希望というのを感じ取りました。ただ、ベトナム戦争を知らない若い世代の人たちのために、ほんの2、3分でも解説があればなお良かったかなという気がします。戦争時大事業家は、事業全体が没収されたわけですが、今、事業を再開しているものもあるわけですから、その辺のところも解説があればわかりやすかったかなと思います。短い時間での番組ですからむずかしいかもしれませんが、そのように感じました。委 員 今日のダイジェスト版だけを見ていろいろと言うのは申し訳ないのですが、でもやはりとても良かったと思いました。ドランさんのことは存じておりましたし、ベトナム戦争のことを主に取り上げた番組なのかなと思っていたら、家族ということで、戦争のことを正面から説明しなくても家族というものを通して、ベトナムというものを見せていただいて非常に引きつけるものがありました。私は妹が名古屋におりますが、名古屋に帰るのに泣いて見送りするわけですから、トランさんが20年間親戚に会えない、お父さん、お母さんとも離ればなれになったということには、涙が出そうな感じがしました。そういうものを通じて、自分は戦争の経験はないのですが、家族の経験を通して、番組の中で説明がなくてもベトナム戦争って何なんだと、若い人たちがその後関心を持って書物を開く、そういう力のある番組だったのではないかと感じました。
重層的な映像があって、昭和62年、平成元年、3年に撮影したもの、それも効果的で、ていねいに取材してあることが番組の力になったのではないかと思います。音楽もきれいでした。ナレーションは最初、力んでしゃべっているような気がしてちょっと違和感があったのですが、最後の方になって、このナレーションも効果的だったのかなと感じました。
それから、この番組のことではないのですが、私のおじが鴬宿温泉の“うぐいすの郷”という重度身障者施設に入所しておりまして、私がお見舞に行った日が、たまたま「うぐいすの郷開設記念番組」の放送日だったんです。自分で歩くことのできない人たちが、みんなで食堂に集まって自分たちの番組をとても楽しみに見ている様子を私は見てまいりました。4才から施設を転々として満足に家に帰ったことのないという本当に重い方が、加藤アナウンサーと知り合えてすごくうれしいと話していました。私たちは、そういう人たちをかわいそうに思ってはいけないのではないかとか、そういう思いが先に立って手を貸さないでしまうのですが、そういうことよりも、かわいそうと思ってもいいから、接触することで自分たちの存在を認めてほしいと思っている人たちが多いのです。このように取材される側が非常に励まされる番組というものがあるのだと感じました。
委 員
「ベトナム里帰り」というタイトル通りの内容で、父親と息子、あるいは三代にわたる一族のアニバーサリーという解釈をしました。私の場合は、20年以上も前ですが、2年くらいベトナムの人とアメリカで付き合いがありましたが、非常にわからない部分がありました。もう少し解説を増やしていただきたいと思ったところが何点かありました。トラン・ト・ヒという方ですが、お父さんがトラン・カン・ラム。ファーストネームと漢字ネームと真中にミドルネームがあります。そういった説明がわからないままにスタートしたという感じがしました。フランスの植民地だったこともあり、仏教徒だということでしたが、これも宗教的な部分の説明がほしいなと思いました。基本的にはベトナム戦争での難民の受け入れはアメリカが一番人数が多かったわけです。お父さんが初めは日本にいらっしゃったわけですが、その後オーストラリアにいらっしゃって、本人は日本にいます。プライバシーにかかわる部分もあると思いますが、この辺もよくわかりませんでした。それから、家で見た時にちょっと不快感を持ったのは家族の過去の栄光を自慢しているという風に感じられたことです。これは、資産没収の部分があったと思うのですが、もう少しこの辺の説明を加えてもよいのではないかと思いました。それから、ボートピープルという説明がありましたが、私の知人は、最初フランスに行ったら受け入れてもらえなくて、アメリカに行くときはフランスから飛行機で来たそうです。また、ビザを取るのに苦労したということを言ってました。ボートピープルだけではないのです。それから友人から聞いた話で、非常にインパクトがあって今でも忘れられないのは、アメリカ軍が大きな大砲を落とすのだそうですが、実物見せられましたが、2 くらいのいかりが大砲の玉の中に入っていまして、それが頭の上からバサバサ落ちてくるのだそうです。それが、例えば、うでに当ると取れませんから、ナイフでくり抜くんだそうです。そういったことから感じた印象から申しますと、資料館のところはもう少しインパクトがあってもよかったかなと思いました。食事についてもそこの家に行って食べたベトナム料理は私には口に合いませんでした。おそらく盛岡の場合はアレンジしているからおいしいと思いますが。
全体として、この番組は、アニバーサリーという感じがしました。もう少し説明があればと思いますし、自分でもこれからいろいろと研究してみたいと思いました。
委 員
私も当日はこちらにおりませんでしたので今、見させていただきました。先ほどから私の代弁をしていただくようなご意見がたくさん出てまして、付け加えることはあまりないのですが、やっぱりドキュメントというのは、人間模様が一番の柱なのだということを改めて感じました。大きな感動というよりも、しみじみとした感動を持ちました。トランさんの家族にいろいろなところから光をあてて、例えば、顔から拝見すると華僑ですか。中国系の方ですね。そうすると名前の話が先程出ましたが、トランさんは、ベトナム語で本当の名前を彼は持っているはずですし、それが、今度は日本に帰化して、わずか40何歳で数奇な出来事に会っているわけです。戦後日本人が体験したものといえば、農地解放くらいなものでしょうかね。資産を没収されたというこういうことを振り返ってみますと、私は体験していない世界ですからはっきりとはわからない部分もありますが、ずいぶん長い間、それを引きずった時代があったわけです。そんなことを考えますと、彼らのおじいさん、トランさんの曾祖父になるのでしょうか、あの方がベトナムに渡って華僑として商売を始められたのではないかなと思いますが、画面では単々とした表情でしたけど、無念な思いがずいぶんあったでしょうし、その辺のところが、どういう思いなのかという説明がちょっと足りなかったのかもしれません。私自身、個人的には、そういうことを知らなくても、ほのぼのとしたあたたかい感じを受けました。特に奥さんがいい方ですね。あたたかく、旦那さんを支えて、よい家族、よい家庭を作っている方だな、ちょっと会ってみたいなという感じがしました。とても引きつけられる人でした。特に映像に場合には、ああいう魅力的な存在が画面に登場していただくと、引きつけられますね。楽しく拝見しました。
委 員
私は、ベトナムについては、あまり知らないのですが、この放送を拝見しまして、ベトナムに対して親近感を感じました。ベトナムの現状がわからないだけに、ボートピープル、難民というような印象しかなく、経済的に荒廃した社会の中で生きていると思っていたのですが、ホーチミン市の復興ぶりとか、食料品も豊富で、そういうものが映像化されている中で、ベトナムの復興のめざましさ、悲惨な戦争経験から立ち直っている姿と言いますか、そのようなことに強い印象を受けました。そういう立ち直りが出来たということに、安心感、ベトナムに対する希望のようなものを感じました。トランさんは日本人の顔つきに似ていますね。非常に親近感を持ちました。奥さんが日本人で岩手の中で生活していることからもやはり親近感を持ちましたし、ご家族が郷里に帰って周辺の人たちとの関係、人と人とのつながりに、何か昔の農村社会のようなつながりの強さを感じました。今、だんだん日本が失っているものがまだまだベトナムにはあるのかなと思いました。非常にほのぼのとした放送だったと思います。
事務局
皆さんからいろいろと意見が出まして、私もあえてつけ加えるのはむずかしかったのですが、先程、委員の方から出ましたトランさんの発言が少ないということですが、お嬢さん、奥さんの発言の方が多かったと思います。お嬢さんは「果物が豊富で、親戚がたくさんいて」ということを言ってましたが、親戚がたくさんいてよいというのは実感なんだろうなと思いました。ベトナムから日本へ来て、今は日本に帰化していますが、奥さんのご親戚も少ないのかな、お嬢さんも少し孤独だったのかなと思いました。ベトナムに行ってお父さんのご親戚と会って、親戚あるいは、人と人とのつながりを非常に感じたのだろうと思います。たまたま何年ぶりかで帰ったということもあると思いますが、向こうに行って日本であまり付き合いのないことが良くわかったのかなという気がして、ちょっとかわいそうな気がしました。その辺が非常に私としては強く残りました。
全体としてはほのぼのとした感じで良かったと思います。少し幅が大きすぎて、突っ込みが足りなかったかなと思います。一つのことに突っ込みすぎると幅がせまくなるでしょうからどちらがよいかわかりませんが、もう少しどこか突っ込んだところがあっても良かったと思います。
委 員
私はとてもシンプルで、これだけ長い23年間ですが、その時間がやはり豊かにしてくれていると、そういう部分が非常に出ていてとてもよい感じだったと思います。家族のいろいろな場面のところで会話をしていれば、ちょっとした映画かなという感じがします。今でも、中国残留孤児のような残留ということがあるわけです。そういうことを考え、今のこれを見ますと過去はそうでしたが、今はとても豊かな感じですごく良かったと思います。
委 員
私の場合、同じ岩手大学を卒業したのですが、人によってさまざまな人生があるなと思いました。私は甘えた生活をしていますが、ベトナムと聞くと戦争というイメージがありますから、苦労した部分とかもう少し触れてもらいたいと思いました。あまりにもきれいな映像すぎたかなという気がします。博物館にしてもあの程度のものではないと思うのです。
委 員
その他の番組についてですが、最近、耳に入れて火をつけると耳垢がたくさん取れるというのがありまして、私も9月にイタリア観光旅行に出かけたのですが、それを売っていたので、買ってきました。なぜ、こんなものを燃やして耳垢が取れるのか疑問に思っていたのですが、テレビでそれはろうがたまるからだということを見まして、私は使わなくて良かったと思いました。これは非常に参考になりました。まだ日本には普及していないということですが、本当に役立つ情報でありがたいと思いました。
事務局
他にその他の番組についてありませんか。
委 員
質問ですが、日本シリーズが夜遅くまでありましたが、テレビ岩手さんの場合、ああいう番組があった時、最後まで流していただけるのでしょうか。
社 側
日本テレビの方で日本シリーズは、今回は1日も放送がないのですが、最後まで放送しています。
事務局
局の方でございませんか。
社 側
ベトナム戦争は、私が学生時代のちょっと前あたりからありまして、戦争そのもの、後遺症なども全部身近なものという気がします。そうすると、今日出席している方々も、それぞれのベトナム戦争をあの番組の後ろに自分の思いを込めて御覧になっていると思います。戦争そのものの悲劇、戦争が終わってからの悲劇というのがあったわけで、そこのところが、私たちの身近なトランさんの問題を含めてあの番組をみて思い浮かべていらっしゃると思います。それぞれのイメージが相当違って当然かなと思ったりもしていますし、制限された枠の中で、どういう風にできるのかなということを考えながら皆さんの意見を聞いていました。
委 員
30分という長さですが、いつも日曜日のドキュメントを楽しみに拝見しているものですから、1時間ではちょっときつかったですね。社 側 この番組に先立ちまして、「ズームイン朝」の1コーナーで8分程度でやりまして、それと合わせてということがあります。
それからいろいろとご指摘がありましたが、ベトナム政府は取材に対して厳しいところがありまして、幸い入国取材を認められましてからも、ベトナム戦争を批判する取材、ベトナム政府に対するものは一切行わないということで、取材が終わると、一日は検閲でチェックをうけました。それには、ひっかからなかったのですが、そういうこともありまして、結果的に甘い部分がかなりあるわけです。ご指摘のとおりトランさんのお父さんたちは現地でのインタビューはしたくないということもあり、一見平和に見える映像ですが、かなり制約のあるものでした。
事務局
次回は11月18日、第3火曜日になります。時間は午後1時30分から、この会議室で開催したいと思います。テーマは、「太田愛人飢餓からの食物誌」についてです。当日ビデオを用意致しますので、もし、ご覧になれなかった方は当日ご覧下さい。以上です。
事務局
それでは審議を終わらせていただきます。ありがとうございました。