応援メッセージ

※50音順

この映画のなかには、わたしたちが生きていくために必要な大切なこと、
「自然」「いのち」「幸福」「家族」「労働」「感謝」「協力」「成長」「誠意」「信頼」など
たくさんのことが描かれていて心を打たれました。
嘘やごまかしが蔓延する今の日本の社会には、この家族の生き方から学ぶことは多いはずです。
後半、都さん、公太郎さん、恭次さんが真剣に父親に抵抗する場面は、じいさんになったわたしには双方の気持ちがよく伝わってきて、せつなく、うれしく、胸にグッとくるものがありました。純平くんもいい子ですね。弟たちの面倒を見る令子さん、炊事をする雄志くん、「葬式じゃないんだから」といっていた壮太くん、成長が楽しみです。この家族一人ひとりが好きになりました。

いわむらかずお(絵本作家)

下閉伊の山深く、朝霧が流れ、しんしんと雪が降りつもる。ヤマナシの実がみのる。
そんな自然の移ろいとともに 牛たちと家族たちがひっそりとしたたかな生を営んでいる。
山の牧場で紡がれる、苦しみ、悩み、対立を超える愛の物語。
この映画は、彼らによりそう時の流れの語り部である。
耳を澄ませば、生きとし生けるものたちの息づかいが聞こえる。

遠藤薫(学習院大学教授)

笑顔と涙と 懸命に生きる家族の姿に 胸が熱くなります
ここには本当の豊かさがある
すべての親子に見せたい映画です
それにしても あんなに大きな牛を育てる草はすごい!

岡本信人(俳優)

岩手の大自然の中で展開する、すばらしい家族のものがたりに、思わず引きこまれました。
なにか、なつかしさを覚える吉塚さん一家。
豊かさとは何か、家族とは何か、酪農とは何か、いろんなことを考えさせるドキュメンタリーです。

菊池浩佑(元 日本テレビNNNドキュメント プロデューサー)

当時、岩手県北上市に住んでいて、1996年「イーハトーブに抱かれて」で、何度も訪れて、吉塚さん一家と山地酪農を紹介させてもらいました。
その後、岩手を離れざるをえなくなり、吉塚さん親子と会える機会はなくなりましたが、家族が頑張っている姿は間接的に知っていたので、このように映画になって見ることができるのは、たいへん感慨深いものがあります。
一人でも多くの人に見ていただきたい映画です。

きたがわてつ(シンガー・ソングライター)

平成の岩手に「大草原の小さな家」があった。山と人、牛と人、人と人、様々な「共生」がある。物質的な豊かさのない家で育った兄弟7人が7人とも、信じられないほど健やかに、自分らしく、何よりやさしい大人に成長していくのはなぜか。理想に向かって必死に生きる両親の背中を追いかけるのに子どもも必死で、強くやさしくなる以外なかったのだろう。父の公雄さんもまた、山地酪農の創始者・猶原先生の教えをひたすら追い続ける。バイブルを持っている人はぶれない。勝たない、けど、負けない強さがある。
この作品は、「日本の牛乳はこうして作られる」教本ではない。ただ、「日本にこういう酪農家がいる」ことを知っておくことは、牛乳のみならず、食べ物を、人が生きることを、自分の仕事を、地球との付き合い方を考える上で、ひとつの道しるべになるだろう。
国連による「家族農業の10年」の始まりに、家族とは何か、農業とは何かを日本人に問いかける作品が東北の村から生まれた。山地酪農は、日本の酪農や乳業界からみれば間違いなく異端児だが、こうした小さく多様な集まりこそ、レジリエンス(強靭化)につながる。本作は、多様性、持続可能性、自然との共生という大きな視点で、国土と食料生産を考える時代にあることを教えてくれる。そしてそのはじまりは、夫婦仲のよさだということも。

小谷あゆみ(農業ジャーナリスト・フリーアナウンサー)

少子・高齢化、各分野の後継者難、人工的な生活空間とデジタル化の波、大都市部への一極集中……。
抗いがたい時代の流れのなかで、『山懐に抱かれて』に登場する吉塚家の大家族はこの対極で生きているように見える。
山林を切り開き、「山地酪農」に打ち込む夫婦の苦闘とともに、7人の子どもの成長を24年間も追い続けた映像の集大成版は、何と雄弁なのだろう。理想と現実を見据えながら、仕事と家庭、夫婦・親子の関係、次世代に何を伝えるかなど、実に多くのことを語っている。

鈴木嘉一(放送評論家)

山地酪農の素晴らしさ、そして難しさも理解していたつもりでしたが、その大変さは想像以上でした。
山地を提唱された猶原博士の想い、応援して下さるお客様からの期待と信頼に必死に応え、理想を追い続けながらも葛藤するリアルな姿に、胸が熱くなりました。
私たちが毎日口にしている小さな牛乳パックの向こうには、色んな、牛の、人の、壮大な人生があることを、改めて感じ、「酪農を応援したい」という気持ちが一層強くなりました。
また、子を持つ母の視点で観ても、明るく前向きなお母さんの笑顔や、お互いを想い合い、支え合う、兄弟の絆、父子の衝突、それぞれの涙、愛情に触れ、家族のあり方を考えさせられる素晴らしい作品です。
食に関心を持つ沢山の方に観ていただけたらと思います。

高田千鶴(牛写真家)

美しい自然が織りなす山地に家族が定住し、
自然の厳しさを克服しながら逞しく育つ子供達、映像を通して伝わってきます。
人を愛することの大切さを切々と語りかけてくる珠玉の作品として推薦します。

萬田富治(農学博士・元 北里大学獣医学部教授)

静かに心に染み入る酪農家一家の姿でした。
「山地酪農」をこの映画を通して知りましたが、これはただ生産方法なのではなく思想と言えましょう。
頑固一徹のお父さんは、この思想を生きているのではないでしょうか。
時にお父さんとぶつかる子どもたちは、より柔軟にその思想を受け継いでいると思えました。
3・11を経験した私たちは、この家族の姿から学ぶことが多々あると思いました。
丹念に重ねられた取材によって生まれたこの映画を、多くの人に観て欲しいです。
素晴らしい家族の姿に出会えて、嬉しい春でした。

渡辺一枝(作家)