2011.10.29(土)

【第15回】口は健康の源

食べ物や水分などの入り口である口は、人間が生きる上で大切な器官の1つ。しかし最近、うまく物を食べられない、飲み込めないという「摂食・嚥下障害」を持つ人が増えています。原因として挙げられるのは、脳卒中といった病気や加齢などで、食べる力や飲み込む力が弱まること。食事の際にむせることが多くなったり、のどに違和感が残るような症状があれば、注意が必要です。摂食・嚥下障害によって懸念されるのは、睡眠中に口の中の細菌を含んだ唾液が誤って気管に入って起こる、「誤嚥性肺炎」の危険性が高まることです。特に免疫などが弱まっている高齢の人が誤嚥性肺炎を起こすと、命取りになります。また、安心して楽しみながら食事することが叶わなくなれば、生活の質(QOL)が下がり、充分な栄養をとることも困難になります。岩手医科大学附属病院歯科医療センターの口腔リハビリ外来では、そうした「摂食・嚥下障害」に悩む患者の治療を行っています。検査では、患者の症状にあわせ、「嚥下内視鏡検査」と「嚥下造影検査」が行われます。「嚥下内視鏡検査」は、直径およそ3ミリのカメラを鼻から入れ、のど周辺の動きを観察して行うものです。また、レントゲン室で行われる「嚥下造影検査」は、ものを食べて飲み込む一連の動きを観察できることが特徴です。摂食・嚥下障害をもつ患者に対しては、「代償法」と呼ばれる食べ方の工夫を指導します。食事の際に、首を傾けたり、座る姿勢を工夫します。こうした患者1人1人の病状にあった代償法を行うことで、食べ物を安全に、食べやすくすることができるのです。また「口腔ケア」も重要な治療の1つ。「誤嚥性肺炎」を防ぐためには、口の中を清潔に保つことも重要です。健やかな食生活を送るためには、口に違和感を感じたら、治療を受けることが大切です。

番組に登場した主な先生

【岩手医科大学附属病院 歯科医療センター】
城 茂治 センター長
古屋 純一 准教授

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