第375回 番組審議会 議事録
平成15年3月18日(火)
テレビ岩手

1.日時 平成15年3月18日(火) 午後1時30分〜
2.開催場所 テレビ岩手本社6階大会議室
3.委員総数 13名

出席委員 10名

出席委員

委員長
 川嶋 静夫
委員
 黒岩 幸子、堀内 三郎、藤田 道彦、荻野 洋、山本 玲子、
 重石 晃子、山田 忠利、須藤 春樹、和田 利彦

欠席委員

副委員長
 清水 健司
委員
 鎌田 強、谷藤 善範

社側出席者

中野 士朗(代表取締役社長)
新沼 栄喜(専務取締役)業務担当
横山 尹浩(専務取締役)報道・制作・技術担当
天野 雅行(常務取締役)総務・広報・番組審議会担当
阿部 孝夫(取締役事業局長)事業担当
村田 憲正(報道局長)
千葉 正範(業務局長)
渕沢 行則(制作局長)
鈴木 直志(報道局専任局長)
大村 精一(業務局次長)

事務局

青山 尚之(業務局次長)番組審議会事務局長
多田 清人(業務局編成部副部長)
小原 恵(業務局編成部主任)
4.議題 ・放送基準の変更について
・「ウーマンズ・ビートカネボウスペシャル介護家族〜花、咲きまっか〜」
<2003年3月4日(火)21:03〜22:54放送>
・その他ご覧になった番組についてのご意見
5.議事の概要 「放送基準」の変更について、会社側から、日本民間放送連盟は、個人情報保護に対する社会的な意識の高まりを踏まえ、放送における個人情報の取り扱いに一層の配慮を行うため、放送基準第3条を改正したことを説明した。また、これをうけ、テレビ岩手でも放送基準を変更することになった旨を説明し、委員に諮問し、変更に異論なしという答申をうけ、4月1日付けで番組基準を変更することが決定した。
またドラマ「介護家族〜花、咲きまっか〜」について審議し、
介護の現場や老いの問題を分かりやすくとりあげていてよかった。
出演者はベテランが多く演技力があり、お年寄りの気持ちがよく表現されていた。
介護のデーサービスを始める夫の行動が現実離れしている印象を受けた。
など、活発な意見が交わされた。
6.審議内容 別紙のとおり
7.審議機関の答申又は改善意見に対してとった措置及びその年月日
特記事項はないが、キー局及び関係局、関連部署に議事録を配布するなど、関係者に審議の内容を伝えた。
8.審議機関の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、
  方法及び年月日
・自社制作番組「あなたと歩むテレビ岩手」
(平成15年3月25日(火)午前11時50分〜11時57分放送)で、審議の概要を放送。
・平成15年3月19日(水)付読売新聞岩手版で公表。
・支社・支局に議事録を設置
・当社のインターネットのホームページで議事録を公開。
9.その他の
  参考資料
資料として以下のものを配布
・テレビ岩手自社制作番組放送スケジュール(2003年3月〜2003年4月)
・視聴者からの意見の概要
・放送基準の一部改正について
・日本民間放送連盟としての放送倫理、放送番組向上への取り組み

〈議事の内容〉

事務局 定刻ですので審議会を始めます。本日の議題につきましては、ドラマ「介護家族〜花咲きまっか」ということで、前回の番組審議会でご案内しておりますが、それに追加して、「放送基準の変更について」の審議をお願いしたいとおもいます。これについては今月初め、皆様に文書をお送りしております。民間放送連盟が「放送基準」の規定の一部を改正することになり、弊社の「放送基準」はそれに準拠していますが、自社の「放送基準」は、放送法の定めにより、番組審議会の諮問答申をへて変更することになっています。詳細について業務局次長の大村から説明させていただきます。
社側 お手元に配りました、「放送基準の一部改正(個人情報保護関連)について」と、「日本民間放送連盟としての放送倫理、放送番組向上への取り組み」をご覧いただきながら説明させていただきます。
まず「放送基準の一部改正」についてです。個人情報保護に対する社会的意識の高まりをふまえ、放送における個人情報の取り扱いにいっそうの配慮を行うため、「放送基準」第3条及び解説文を4月1日から改正したいと考えております。改正の要点を申し上げます。左が旧、右が新の条文です。「プライバシーを侵すような取り扱いはしない。」とあったものを、「個人情報の取り扱いには十分注意し」を加え、より個人情報に配慮した内容に変更しております。解説文についても、「放送に際しては、事前に本人の承諾を得ることを原則としたい」とあったものに、「特にプライバシーに係わる事項は、本人の承諾を得ることを原則とし、また公共性・公益性などを踏まえた慎重な取り扱いが必要である。」を加え、より慎重に取り扱うことを明言しています。「個人情報保護法案」は昨年末の臨時国会で廃案になりましたが、3月7日ふたたび、大幅な修正を加え、国会に提出されました。
これに対し、民放連会長は、民放連が主張したことはある程度受け入れられているが、更なる修正を含めた慎重な審議を求めると発言しました。言論・表現の自由が権力によって規制されてはならないというのが、民放連の一貫した主張です。もちろんプライバシーの保護はもっとも重要なことです。これを自立的に取り組んでいこうということが、今回の民放連の「放送基準」改正の意図でもあります。
もう一つの文書に日本民間放送連盟としての放送倫理、放送番組向上への取り組みをまとめてあります。昨年12月には消費者金融CMの放送時間制限等の要望が「放送と青少年に関する委員会」から発表されまして、この5月からはCMには借入れ利率と啓発文を明示することになりました。10月からは17時から21時には消費者金融CMを放送しないという方向で検討しています。ことし7月には「放送倫理・番組向上機構」を設置し、第3者機関の機能強化、苦情処理体制を充実させることも決まっております。このように民放では自立的な取り組みを重ねてきたことをご理解いただければ幸いでございます。先ほど事務局からありましたように、放送基準改正のためには、番組審議会での諮問・答申を得ることが放送法上で定められております。この件について委員の皆様に諮問いたします。
委員長 それでは議題の「放送基準の変更について」事務局から説明がありましたが、委員の皆様からご意見・ご質問がありましたら、よろしくお願いします。

−委員承認−

委員長 それでは、もう一つの議題、ドラマ「介護家族―花咲きまっか−」についてご意見をお願いします。
委員 このような番組は、介護の現場に接することのない多くの方に介護の現実をみていただき、いろいろなことを理解していただくよい機会だったと思います。この番組は介護保険制度が始まってからの在宅介護、特にデーサービス事業の成功例ですが、さまざまな問題を提起しながらも、明るく、感動的なドラマだったとおもいます。在宅介護の現実は非常に多くの問題をかかえております。この番組では事業を始めるにあたって資金調達のむずかしさ、家族の労力が非常にかかるということも出ていたとおもいます。介護保険が始まった当初、非常に熱心にやるあまり、燃え尽き症候群になる方もいたようです。徐々に解消されてはいますが、この番組のように家族だけで施設を持続していく様な場合、非常に難しい局面にたたされることがあるという現実があります。 もう一つは、痴ほうをともなった老人の介護が非常に困難であること、これが感動的に表現されていたので、こういった番組で理解が少しずつでも得られればと思います。 また、癌などの病気で残された時間が限られた方の生き方、死に対する考え方、なかなか死に対する考え方は取り上げられることがないのですが、よい雰囲気で語られていてよかったと思います。
委員 介護の問題は、新聞・テレビなどでも取り上げられていますが、実態がどうなっているのか、案外知られていないと思います。そういう意味では、このドラマは室井滋、草笛光子などベテランの俳優が出演され、演技力もあるので、非常に分かりやすく楽しい作品だったと思います。この作品は、紹介文で「21世紀の女性達に勇気と希望を与えるドキュメンタリー」とありますが、普通の主婦がデーサービスの世界に入り、悪戦苦闘しながら生きていく姿は、多くの女性に共感を与えたのではないかと思いました。わたしも含め、中高年の男性は老いを意識しない人が多いと思いますが、このドラマをみて、老いとは、を考えさせられました。
委員 ドラマ全体の印象は、ほのぼのしていやみなく仕上がっていたと思います。「介護」という重いテーマをあつかっていますが、出演者の顔ぶれからもわかりますが、楽しい、柔らかい感じがしました。いろいろな話が混在していて、番組のテーマが、「介護に対する新しい問題提起」なのか、「お母さん奮闘記」なのか、「家族のきずな」とか、「生と死」なのか、メインの部分が分かりづらかったと思います。原作を読んではいないので、どの部分が主体となって構成されていたのかは分かりませんが、深い理解はともかく、わたしの印象としては「お母さん奮闘記」というのが一番素直な見方だったと思います。老人の問題と、新しい生命の誕生とを対比して番組を盛り上げていたのだと思いますが、もう少し簡潔に分かりやすく表現されてもよかったと思います。
委員 非常に役者が達者で面白く拝見しました。全体として、老人の気持ちがよく表現されていたと思います。死に対する考え方もとりあげ、いくばくも生きられない状態で人はどのように考えるのか、わたしも自分のことのように受け取って拝見しました。これはドラマなので仕方ないですが、室井滋と峰隆太の演じた夫婦の性格の対比を出そうとしてそうしたのかもしれませんが、お金がないのに事業を始め、お嫁さんの母親の土地を担保にお金を借りる、しかも了解を得ないで、というのは福祉の仕事に携わる人間として、誠実さがなさすぎると感じました。わたしがこういった施設を利用する場合は、もう少し誠実な人が経営するところに入るだろうと思いながら拝見しました。 本当に痴ほうになったとしたらどんなに大変だろうかと思いますし、看病する方が精神的にまいってしまうというところがよくわかったし、積極的にそういう仕事に携わろうという人達の存在は非常にありがたいものだと感じました。
委員 わたしは、全体的にはあまりおもしろく感じることができず、登場人物が無鉄砲で現実離れしているように思いました。さきほどご意見もありましたが、お母さんが一生懸命にがんばって、家の中を走りまわっている姿、それがただ一生懸命なだけで、こちらの方が息切れしそうな画面でした。介護の仕事というのはそんなに甘いものではないのではないかと思います。最後に著者の俣木聖子さんが出られて、そのお話を伺うと、お年寄りから力を与えらたことを表現されたかったようですが、この番組の中では、その原作者の意図が表現されていなかったのではないかと思いました。大騒ぎで、感情丸出しで、演出家の方がちょっと若い方なのでしょうか、もう少し別のやり方もあったのではないかと感じました。
委員 介護の問題というのは身近なことで、誰でも皆、周りに大なり小なり抱えています。事例もいろいろあり、深刻な問題です。わたしの姻戚関係でも、介護する人が疲れてしまって先に亡くなってしまったというケースもあります。そういう深刻な問題を、室井さんというキャラクターを使って分かりやすく、いろいろな人間模様をつけて、オムニバス的な形で作ったドラマなのだと思います。あえて、ことさら明るく、バタバタとした感じに作ったのではないでしょうか。親の不動産を勝手に担保にしてお金を借りていいのか、というのがわたしも気になりまして、財産の処置の問題はそんな簡単なものではないと思います。それは脚本のなかでもちゃんといって欲しかったと思います。原作の俣木さんはデーサービスをやっているわけですから、そのあたりは原作ではきちんと描かれていたのではないかと思います。デーサービスはこれからの新規事業として、世の中が感じつつあるようで、私の周りでも今の仕事をやめて、デーサービスを始めたいという人がいました。わたしは無茶ではないかととめたのですが、ここで踏ん切りをつけないと、といって、50台半ばの人が二人も出ました。わたしはそんなに簡単にいくのだろうか、ドラマで室井さんが演じた奥さんが相当大変だろうと思いました。この様な事業を始めることは言うは易し行うは難しと思いました。啓蒙的な意味では、明るい中にも、そんな簡単ではないというのが番組のトーンから感じられたのはよかったと思います。
委員 自分の立場に置き換えながら、番組をみさせていただいたのですが、私の同世代にとっては、介護サービスにかかわるのはまだ先のことと、あまり真剣に考えていませんでしたので、身近なこととして考えさせてくれたことはよかったと思います。ドラマは介護制度の説明をしながら進め、キャストもよかったと思います。ただ、介護を必要とする人達の性格が極端すぎているように感じながらみていたのですが、それだけ介護が大変だということを表現したくてこのような形になったのではないかと、番組を見終わって考え直しました。現実離れしていると感じたのは、たばこを吸っているのを注意して殴られるシーンだったのですが、正義感を出したかったのか、なにを言いたかったのかわかりにくかったと思います。ただ、随所に勉強になる言葉がでてきまして、「子どもがこの世に生まれてくる時に右手に夢、左手に希望を握り締めて生まれてくる」といった言葉が印象的でよかったと思います。介護の大変さ、難しさがよくあらわれていて、その大変さが大きいほど感動もあるということで、一般的に介護にあたるのは女性が多いと思うのですが、男性が見た印象と女性が見た印象ではかなり違ってくるのではないかという気がしました。
委員 医学教育の中でも看護というのは大切で、医学部に入ってすぐに生徒は看護実習を受けます。わたしも生徒と一緒に介護施設にお邪魔して現状を目にする機会がありました。今回の番組のタイトルが「介護家族」ということで、大変な重いテーマをどのように扱うのだろうかとおもいましたが、先ほど皆さんもおっしゃったように、介護の内容は事実に近いものだと思いますが、そういうことをあまり重苦しくなく、ドラマという形で現実をきちっと表現したということは、非常に価値があることだと思います。高齢化社会において介護問題はさけて通れないもので、喜怒哀楽を、喜びも悲しみもある中、新しい命の誕生も交えながら、現代の社会の一面を見せていただいたと思います。
委員 タイトルが「介護家族」ということで、今の大変重い社会問題ですから、暗くて重い話なのかと思っていたら、そうではなくて、明るくて楽しめるドラマでよかったと思います。こういう介護の問題もあるということで、イントロで皆さんに知らしめるという意味でよかったと思います。この話は老いにひとりひとりがどう向かっていくかということと、家族とはなにかということを取り上げていて、楽しめる番組でした。痴ほう老人の役をやった南田洋子さんとか、独居老人とか、皆さん熱演していて、感動する場面が多かったと思います。わたしはこんなにうまく行くものだろうかと思いながらみていたので、最後にこれは実話であるということを知って驚いたのですが、わたしは原作者の談話をつけたのはよかったのではないかと思います。 私が注目したのは、赤ちゃんが産まれるところで、そのエピソードはとても面白かったと思います。老い・死とのコントラストとして新しい生というのが、とても希望をもたせてくれました。高齢化・介護に対になる問題として、少子化の問題があり、そういう意味で、私がとても面白いと思ったのは、この子どもの母親は、いずれ結婚すると思いますが、母親は未婚の状態で、政府はいま少子化の対策も行っており、不妊治療やお見合いを支援するなどしていますが、婚外子が社会的に認められれば、もっと少子化対策になるのではないかと思いました。この部分はドラマの中でも今の政策に対するアンチテーゼともとれ、評価してもよいと思います。 全体として役者さんもよかったし、楽しめる番組でした。
委員長 実在のモデルをもとにつくられたということで、最近の若者向けのテレビドラマにありがちなごちゃごちゃしたところや誇張されたようなところも少なく分かりやすい番組でした。 皆さんからいろいろなご意見をいただきましたが、総体的に介護の現場、老いの問題、死に対する考え方が、分かりやすく作られていてよい番組だったというのが、大方の意見でした。一方、主人公の生き方に対して、無鉄砲すぎるとか同調できないというものもありまして、見る人によっていろいろな感じ方があると思いました。 お金の問題ですが、いくら実の親でも、了解を得ないでその財産に抵当権を設定してお金を貸す銀行はないと私も思いました。
社側 確かに、実話をもとにしたドラマですが、そこのあたりには脚色が入っているかもしれませんね。
委員長 その部分はきっと作り話だと思います。著者の方の年齢は58歳ですので、ご主人はそれなりの蓄えがあったのかもしれません。原作者の意図が果たして番組できちんと出されていたのかというご意見もありましたが、私も感じました。原作本も機会がありましたらぜひ読んでみたいと思います。
委員 ちなみに視聴率はどれくらいだったのでしょう。
社側 東京地区では20.9%、岩手地区では15.1%です。傾向とするとドラマの視聴率は東京では高め、地方都市では低めにでることが多いです。
委員長 その他ご覧になった番組についてなにかありますでしょうか。 それでは事務局の方からお願いします。
事務局 次回の番組審議会は、4月15日火曜日に開催いたしますのでよろしくお願いします。以上で番組審議会を終了いたします。


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