第373回 番組審議会 議事録
平成15年 1月21日(火)
テレビ岩手

1.日時 平成15年1月21日(火) 午後1時30分〜
2.開催場所 テレビ岩手本社6階大会議室
3.委員総数 13名
出席委員 11名

出席委員

委員長
 川嶋 静夫、黒岩 幸子、堀内 三郎、藤田 道彦、荻野 洋、
 鎌田 強、山本 玲子、重石 晃子、山田 忠利、須藤 春樹、
 和田 利彦

欠席委員

副委員長
 清 水 健 司
委員
 谷 藤 善 範

社側出席者

中野 士朗(代表取締役社長)
新沼 栄喜(専務取締役)
横山 尹浩(専務取締役)
天野 雅行(常務取締役)
照井 芳夫(メディア戦略室長)
村田 憲正(報道局長)
千葉 正範(業務局長)
高橋 甫和(技術局長)
渕沢 行則(制作局長)
鈴木 直志(報道局専任局長)
大村 精一(業務局次長)
野田 喜代志(制作部長)

事務局

青山 尚之(業務局次長)番組審議会事務局長
多田 清人(業務局編成部副部長)
小原 恵(業務局編成部)
4.議題 1.「いわての花鳥風月〜うつろいゆく季節の中で/秋・初冬編」
〈平成14年12月31日(火) 12:00〜12:55 放送〉
2.その他ご覧になった番組についてのご意見
5.議事の概要 「いわての花鳥風月〜うつろいゆく季節の中で/秋・初冬編」について審議した。
委員からは
・映像はすばらしいが、いろいろな人々の生活をとりあげようとつめこみ過ぎて、散漫な印象をうけた。
・秋から初冬にかけての季節の移り変わりや、その時期でしか見られない動物の営みもとりあげて欲しかった。
・自然の大切さを押し付けるのではなく、淡々としながらも情感がこもった番組作りで好感がもてた。
などの意見が出た。
6.審議内容 別紙のとおり
7.審議機関の答申又は改善意見に対してとった措置及びその年月日
特記事項はないが、キー局及び関係局、関連部署に議事録を配布するなど、関係者に審議の内容を伝えた。
8.審議機関の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、
  方法及び年月日
・自社制作番組「あなたと歩むテレビ岩手」(平成15年1月28日午前11時50分〜
11時57分放送)で、審議の概要を放送。
・平成15年1月22日(水)付読売新聞岩手版で公表。
・支社・支局に議事録を設置
・当社のインターネットのホームページで議事録を公開。
9.その他の
  参考資料
資料として以下のものを配布
・テレビ岩手自社制作番組放送スケジュール(2003年1月〜2003年2月)
・視聴者からの意見の概要

〈議事の内容〉

事務局 定刻ですので審議会を始めます。
社長 新年おめでとうございます。今年も経済状況は厳しい見通しの中、順調なスタートを切ることができました。わたくしが番組審議会に参加するようになって今年で8年目ですが、とってつけたお褒めの言葉よりも厳しい批判をいただきたいという方針ですので、テレビ岩手の番組をよくするため、県民の視聴者のためにも、よろしくお願いします。
事務局 視聴率について説明します。お手元にも資料をくばりましたが、昨年もテレビ岩手が年間視聴率三冠王、13年連続全日視聴率トップ。月間では12ヵ月のうち10回の三冠王をとりました。夕方のローカルニュースはNHKも含めた岩手地区で全調査週トップという圧倒的な強さをみせています。
今年1月第1週の視聴率では、ゴールデンが20.0%で2位の局に4.6%の差をつけて圧勝という、好調なスタートをきりました。「ニュースプラス1」の1月8日放送分が20.3%で12位、「プラス1いわて」の同日放送分が20.7%で11位と、この週のベスト20に2本入っています。夕方時間帯の番組が20%を越え、ベスト20に入るというのは4局地区ではあまりないことです。「5きげんテレビ」は14.6%、土曜日午前中の「どこか行こうヨ」9.0%と自社番組も非常によい数字をとっています。
社長 キー局の日本テレビの方も9年連続四冠王をとっていて、フジテレビの連続三冠王の記録を更新しようとがんばっております。
弊社の夕方のローカル番組は、昨年「5きげんテレビ」が年平均12.3%、「プラス1いわて」は年平均17.3%。「5きげんテレビ」が6年前にスタートした時点の目標は平均15%、「プラス1いわて」の目標は平均20%においておりまして、夢のように高い目標だったのですが、それも射程に入っているという状況です。
委員長 今年1年間よろしくお願いします。好調なスタートでなによりです。本日の議題は「いわての花鳥風月」です。また、その他ご覧になった番組についてもご意見を頂きたいと思います。「いわての花鳥風月」は、9月まで計5回のシリーズでやっていくそうです。また、5回目が終わった時点で本が出版される予定とお聞きしております。今回は第1回目の放送ということで、ご意見を頂きたいと思います。
委員 映像が風景・人物ともに美しく、岩手の四季・暮らしが表現されていて素晴らしいと思いました。登場している人物、大人も子どももお年寄りも、表情が豊かでよく伝わってきました。ただ、2回見たのですが、年末のためかコマーシャルが多く感じました。また、ナレーションがあまりに淡々としていて、岩手のぬくもりという点ですこしかけたのではないかと思います。
その他の番組ですが、「箱根駅伝」は、カメラの台数が多くて見ごたえがあるのですが、解説とかみ合わないことが今年は多かったように感じます。
委員 先ほどあまり誉めないでというお言葉がありましたが、私も冒頭から最後まで映像が素晴らしかったと思います。取り上げられた人々の営みでは陸前高田の「清水の里」を面白くみました。湧き水を中心とした住民たちの生活が風景の中にとけこんでいて、豆腐作りの場面は非常においしそうでした。
いくつか気になった点を申し上げます。35周年記念番組で、大晦日の放送のため力が入っていたのか、凝り過ぎたように思います。風景の展開が早すぎて、せっかくのきれいな映像をゆっくりみられなかったのが残念です。3つか4つぐらいの家族を取り上げていますが、いろんなことを詰め込み過ぎて散漫な印象をあたえてしまう気がしました。これはわたしだけかもしれませんが、バックの音楽が大袈裟すぎるという印象もうけました。時間的な制約があるので、人はもうちょっと絞って、自然の風景をたっぷりと見せていただきたいと思います。
委員 岩手の美しい風景に見入ってしまいましたが、ストーリー性がないので、内容に対する意見を申し上げるのは難しいです。番組の冒頭、テロップで「伝えたい残したい心のいわてあなたのいわては何色ですか」とあって、最後のナレーションでは「変わりない風景と当たり前の暮らしが岩手の大切な宝」という言葉でしまっているのですが、それに匹敵するものが番組の中にはなかった気がします。秋から初冬の風景を並べながら、人の暮らしぶりを、子どもを主体とした家族の結びつきとして紹介していますが、場面展開に連続性がないので、散漫な印象を受けました。とはいうものの、画面に映る風景と人の営みを見ていると、彼らの暮らしが自然に感謝しながら成り立っているのだ、と改めて考えさせられました。今後必然的に情報化社会の中で、人の暮らしは変わっていくと思います。かわらない自然とどうやって共生していくかということが、これからの課題になると思います。
言葉の解説が字幕ででていましたが、わたしは県外出身なので、岩手の方言など新しい知識を与えてもらったのはよかったのですが、凝っていて、ちょっと多すぎる印象を受けました。
委員 映像が非常にきれいで、大画面で見たいと思いました。また、ところどころはいってくる音楽もとてもよいと思いました。豆腐作りの画面から秋の収穫への画面展開のところに民謡風の高い声の曲が入って来て、リズムがあって心が躍らされるような効果があってよかったと思います。重茂半島の日の出のあたりに入っている「姫神」の曲もよかったと思います。映像は、悪く言えば山がないのですが、非常に気持ちがよく、バックグランドミュージックのように、映像をずっと流してみていたいという気持ちがしました。放送があった大晦日は1年間を振り返ったり自分の人生を改めて考えたりする日だと思うのですが、そういう日にふさわしい番組だったと思います。広い岩手県を南北で取材し、農村・漁村・都会もあって、花鳥風月というテーマで考えると、こういう形でよかったという気がします。2回みまして、美しい画面はいいのですが、中心になる部分がないので、退屈に感じる部分もあると思います。ひとつのストーリーの中に四季の移り変わりがでてくると、例えば、炭焼きでは、ブナの新芽から始まり、夏の葉っぱが茂ったところ、秋になってそれを伐採するまで、など、ひとつのテーマに沿って春秋が描けたらまた別の面白さがあると思いました。
ナレーターの澤口さんは声の調子が穏やかで、気持ちがいいトーンなのですが、ローカルカラーが強く、ところどころアクセントで気になるところがありました。
委員 シリーズではなく、1回の単発かと思ってみていました。大晦日は、慌ただしく、テレビに集中してみられないので、テレビをつけながら、1年を振り返ったり、お正月の準備をしたりする日としては、ふさわしい番組だと思いました。放送は途中から見たのですが、ナレーションの声がアナウンサーではないけれど、気になるなと思いながら聞いていました。もしかして、澤口たまみさんかなと思いながら、番組を最後まで見ると、やはりテロップに澤口さんの名前がありました。落ち着いていてよかったと思います。漁業とか炭焼きとかあまり普段画面に出てこない映像が出てきて、フォークロア的な感じで、これも、忘れかけていた岩手の特徴なのだと、再確認しながらみました。目立たないけれど大切な場面を美しい映像で写していて、視点もとてもよかったと思います。
先ほど誉める意見ばかりでは困るということをおっしゃっていましたので、ちょっと無理にでも注文を考えてみました。わたしとしては、もう少し温もりを感じたかったのですが、全体的にクールな見方をした番組だったと思います。わたしの心理的な部分があるのかもしれません。人々の営みの中で、民俗学的な視点でみると、自然とともに生きる生活には祈りのような部分があると思います。そういった深い場面が欲しかったと思います。淡々としたナレーションもクールな印象につながったのかもしれません。
委員 映像など、画面構成は、とても素晴らしかったと思います。しかし、素朴さ・田舎らしさ・昔らしさだけが表現されていたので、「いわての花鳥風月」というタイトルからすると、この時期岩手で誇れる景色、この時期でしか見られない動物や鳥などがあってもよかったと思います。今シーズンだけで撮影するのは難しいのかもしれませんが、陸前高田や宮古まで取材したのならば、11月といえば、五葉山の北限のニホンジカ、北山崎の鷲や鷹など、また、おしどりというすばらしい鳥がみられます。番組は、山・川・海の風景がありましたが、生き物では魚に限定されて取り上げていたと思います。一概には申し上げられませんが、岩手のよりすばらしさを求めてということで、人や昔からの風習の部分にこだわって企画したのだと思いますが、わたしが期待していた部分が入っていなかったのが残念です。
委員 テレビ岩手の三冠王の強さから、我々も学ばなければと思うのですが、組織は勝ちパターンをつくって、それを継続していかなければならないと思います。そのために常に勢いを保持し、数字に対するこだわりが大事だということをこの場で勉強させていただいているような気がします。
「いわての花鳥風月」は、詩情豊かで、絵画的な、絵本を見るような印象をうけましたが、美しい画面で終始していて、見た人にどういう反応を期待するかということには重きを置いてないように感じました。岩手の風景を集大成することで、郷土を再認識し、全ての原点といえる郷土愛を高めるという点ではよかったと思います。
最近私は、個人的には、原風景があるということだけでは観光地として売り込めないと思っています。岩手は自然の恵みが豊富で、さまざまな恩恵を受けていますが、それだけでは、外から来た人々を引き付けることができません。自然にある程度人間の手が入り、常に動いていることによって、その土地の魅力をより引き出すのだと思います。
番組の中で、興味を持ったことが3つほどありました。「瑞穂」という言葉の意味が、「実りの季節のみずみずしい稲穂」というテロップがあり、なるほどと思いました。トドヶ崎は日本の最東端としてしっていたのですが、ああいう場所にあるということは番組で知りました。また、わたしがもっとも好きなのは子どもの百姓踊りの場面です。百姓踊りは岩手のあちこちでみられ、岩手の文化であり、田植えから稲刈り、俵につめてよいしょと降ろすところまで、いろいろバリエーションがあって面白いのです。百姓踊り集大成みたいな企画があってもよいと思います。
委員 2度みたのですが、盛り上がりという点で、どこがメインなのか分かりづらかったと思います。また、5本シリーズということでしたので、予告があったほうが次回につながるのではないかと思いました。
全体的に、映像がひじょうにきれいでした。光の使い方、音楽の選び方にかなり気を使ってつくられた番組だと思います。しかし、風景の撮り方と人物の撮り方がちょっとちがったので、人物がとってつけたような印象をうけました。
内容的には、秋から初冬にうつる有り様が、冬支度の紹介があってまた別のシーンになるなど、話が途切れた感じになってしまって、繋がりがなかったと思います。秋ということでだと思いますが、川を上る鮭、鮭漁、豊漁祈願など、鮭に関係あるシーンが多かったと思います。鮭漁で、鮭の頭を叩くシーンは、強烈すぎて気になりました。
全体としては岩手らしく温もりを感じられる番組だったと思います。
委員 自然を大切にし、自然の恵みに感謝し、自然と共に生きていく、人情味溢れる家族の暮らしをとらえた、素晴らしい番組だったと思います。人間社会にとっていかに自然が大切かということを今一度思い起こさせてくれました。最近岩手でも自然破壊などが問題になっていますので、こういう番組は貴重だと思います。
テレビは視覚と聴覚に訴えるメディアですが、この番組は嗅覚・味覚・触覚にも刺激を与えるような内容だったと思います。番組の制作者には敬意を表したいと思います。
今後もこのシリーズが続くそうですので、楽しみにしておりますし、この番組はぜひ岩手県民だけではなく全国の方々にもみていただけたら素晴らしいと思います。
委員 「いわての花鳥風月〜うつろいゆく季節の中で」というタイトルから、私も映像美で綴る岩手というのを想像していたので、意外と人が大きな形ででてくるなあと思いました。題名に「人」という言葉が入っていてもよかったと思います。
大晦日にゆっくりみるのによい番組だったと思います。こういう生活があるというのが、映像でよくでていました。海と山との対比があって、食べ物のシーンはとてもおいしそうでした。とくに番屋で鮭を食べている場面は臨場感が溢れていました。子どもがシャボン玉をふくシーンも自然でとてもよかったと思います。
これはシリーズということで、今後に期待したいと思います。「日本の失われた心が岩手にある」「なくなった自然がここにある」とか言ってみたり、逆に問題提起で「過疎で困っている」とか、長所・短所をステレオタイプにおしつけてくると、わたしも苦言を申し上げたくなるのですが、この番組にはそういうところがなく、「こんな生活が岩手にあるのだ」というのが感じられました。とってつけたようなメッセージや押し付けるところがないので、好感をもってみることができました。美しい自然と人々の生活を淡々と描かれる、そういうコンセプトでおつくりになるのではないかと、これからにも期待します。
音楽は場面にあっていてよかったと思います。場面の切り替わりにもあっていて、そうとう凝ってご苦労なさったのではないかと思います。また、語りはプロのアナウンサーではない人をあえて使っていて、個性的すぎず情感がこもっていてよかったと思います。
委員長 感じたことを3つほど申し上げます。
ナレーションについてはいろいろご意見がありましたが、私はちょっと違和感があったと思います。また、画面の展開が早く、あちこち切り替わって、同じところが2回でてきて、まとまりがつかなく感じられる部分がありました。清水の里、重茂半島の番屋、九戸の炭焼きが出たのですが、岩手となるとそのようなところになってしまうのか、本当の田舎というところばかりだったので、岩手についてよく知らない人がみると、岩手の暮らしがこのようなものだという印象を与えてしまうと思いました。
皆さんから頂いたご意見では、映像がすばらしく、風景・人物の取り上げ方で、岩手らしさがでていてよかったというものがありました。番組審議委員という立場でみるので、いろいろな注文もありましたが、一般の人が年末にゆったりとした気分でみるのであれば、また感じ方も違ってくるのではないかと思います。
社側 番組を制作するにあたって、「花鳥風月」という言葉は、いろいろなものを含む重いテーマですが、「季節の移り変わりの中で、人々がどうやっていきていくのか」に重点をおいて番組をつくりました。その中で、変わらない自然とどうやって共存していくかをさりげなく伝えたいと思いました。
選んだ3つの場所については、岩手は四国に匹敵する広さのものですから、北上川と、沿岸と山、そしてそこにある普通の生活を描こうと思いました。よく使われるスローフードという言葉がありますが、こちらはスローライフといえるような暮らしがありまして、その土地でそこにあるもので普通に生きるということに、ある意味、時代が求めるような部分もあるので、その生活を自然に描けたらと思いました。
ナレーションはプロのアナウンサーでしたら、もっと攻めていくような感じに仕上がったと思うのですが、語らない部分を大切にし、例えば、養殖昆布の仕掛け作りを祖父が孫に教えるシーンで、一言二言だけ言って後は目だけで教えるような、家長の存在感のような部分も出そうとしました。フェアリーテールのような感じに仕上げたかったものですから、澤口たまみさんにお願いしたということもあります。
社内でも、番組内でもう少し伝えるところを伝えた方がいいのではないかという意見もあり、皆様から頂いたご意見を今後の課題として、2回目以降に繋げたいと思います。
社側 全体として淡々と流れていくので、生活のにおいをもう少しだして、メリハリがあるとよかったなど、社内でもいろいろな意見があります。
委員長 本日はありがとうございました。以上で番組審議会を終了いたします。

 

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