この議事録は公式の議事録をそのまま掲載するものです。

第321回 番組審議会 議事録


平成10年4月21日(火)

テレビ岩手

第321回番組審議会


  1.日時      平成10年4月21日(火) 午後1時30分〜

  2.開催場所    テレビ岩手本社6階大会議室

  3.委員総数    13名

    出席委員     9名

     出席委員   委員長  橋 口 誠 之
            副委員長 谷 村   繁
             委員  三 原 まなぶ
             委員  田 沼 征 彦
             委員  斎 藤 徳 美
             委員  勝   雅 行
             委員  澤 口 たまみ
             委員  岩 渕 孝 男
             委員  岩 動   孝

     欠席委員    委員  菅 野 耕 毅
             委員  深 谷 政 光
             委員  二 宮 柊 子
             委員  玉 山   哲

     社側出席者      伊 勢 卓 夫(代表取締役社長)
                中 野 士 朗(代表取締役副社長)
                清 水 秀 夫(専務取締役業務事業担当)
                横 山 尹 浩(常務取締役報道制作技術担当)
                天 野 雅 行(取締役事業局長)
                阿 部 孝 夫(取締役報道制作局長)
                村 田 憲 正(報道制作局次長報道部長)
                渕 沢 行 則(報道制作局次長制作部長)
                大 村 精 一(業務部長)
                近 藤 英 一(制作専任部長)
                野 田 喜代志(制作副部長)

          事務局   青 山 尚 之(編成部長)
                小 原   恵(編成部)


  4.議  題

    1.「夢・見る・ピノキオ」について
        (毎週日曜日 22:30〜23:00放送)

    2.その他御覧になった番組についての御意見

  5.議事の概要

    会社側から、平成9年度視聴率三冠王をとったことなど報告があった。
    議題の番組「夢・見る・ピノキオ」について
     ・タイトルどおり大人のメルヘンを感じさせるようなつくりで、いっとき
      の清涼剤のような番組である。
     ・“釣り”や“各駅停車の旅”など、普段自分がやらないことを疑似体験
      できる内容のものがあった。
     ・学生街の上田を取り上げたものは、少ないスタッフながら、非常によく
      調べられている。
     ・グルメものは視聴者に受け入れられやすいが、それ以外にも幅広いテー
      マを取り上げていってほしい。
                       など、活発な意見が交わされた。

  6.審議内容

    別紙のとおり

  7.審議機関の答申又は改善意見に対してとった措置及びその年月日

    特記事項はないが、キー局及び関係局、関連部署に議事録を配布するなど、
    関係者に審議の内容を伝えた。

  8.審議機関の答申又は意見の概要を公表した場合における
    その公表の内容、方法及び年月日

   ・自社制作番組「あなたと歩むテレビ岩手」(4月28日午前11時50分放送)
    で、審議の概要を放送。
   ・平成10年4月23日(木)付読売新聞岩手版で公表。
   ・支社・支局に議事録を設置
   ・当社のインターネットのホームページで議事録を公開。

  9.その他の参考事項

    資料として以下のものを配布
    ・テレビ岩手自社制作番組スケジュール表(1998年3月〜5月)
    ・視聴者からの意見の概要
            〈議事の内容〉

事務局 事務局の方から、御報告がございます。まず一つは、今日はお仕事の都合で
お休みになっておりますが、二宮委員は、この4月から杉野学園ドレスメーカー学院の院長になられました。
 もう一つは、お手元の方に、視聴率三冠王のチラシがございますが、おかげさまで、岩手地区の年度視聴率が全日、ゴールデン、プライム、すべてトップという成績を収めました。特に全日で視聴率を二ケタ確保したというのは、非常に大きかったと思います。昨年度の番組を振り返りますと、単発番組も含め120本ぐらい作りまして、その中でも「火曜サスペンス劇場『故郷』」はテレビ岩手で制作し、全国に放送しまして、その週でトップの視聴率32.8%でした。視聴率だけではなく、非常によい結果をおさめたと満足しております。事務局の方から視聴率についてご報告させていただきました。
 今日の番組審議会のテーマですが、毎週日曜日夜10時30分から放送しております「夢・見る・ピノキオ」です。番組プロデューサーの制作部副部長の野田も出席しておりますので、何か質問やご意見がありましたらお話していただければと思います。それでは、委員長お願いします。

委員長 それでは、今日の議題は「夢・見る・ピノキオ」です。その他にも気がついた番組がございましたら、先生方、ご意見お願いします。

委 員 3月29日放送の「あじわい通り・上田」を見させていただきましたが、一言で申しまして地元に密着した非常に好感の持てる番組だと思いました。それこそ目立たないごくありふれた日常の営みを朝・昼・夕方そして夜という時間の経過とともに、その時間帯にふさわしい話題やお店の紹介などがあって、学生さんとか、サラリーマン、そして住む人々の生活が、本当に飾り気のない素顔のままを写し出されて、非常によい番組だったと思います。
 いわゆるグルメ番組で、視聴率を稼ぐ方法としては、超一流の料理人と言われる人たちのテクニックを最高の素材を使って料理してみせるとか、あるいは著名人や、タレントに味見をしてもらって、いかにもおいしそうな表情を見せるとか、いろいろな手法があるのですが、この番組では、地元の人たちの心意気とか、プライドとか、そういうものが感じられました。
 目立たないところにもスポットを当てていただきたいと以前にこの審議会で意見が出されたのですが、さっそく取り上げていただいてうれしく思いました。
 この番組の一番見るべきところは、お料理を作る人の作品を、いかにおいしそうに撮影するかというところだと思います。そういう意味で、今回見させていただいた番組では、照明の方とか、カメラマンの方の力量がすばらしいと感じるとともに、語り手の何気ない説明がとてもよかったと思いました。
 ただ、「夢・見る・ピノキオ」という題名のためでしょうか、いわゆるぼかしというかフォーカスが合っていないという場面が多くありました。近ごろ私、目が弱くなったせいでしょうか、目をこすって努力するというところもありました。幻想的な雰囲気を出そうとする意図があると思いますが、時間が長かったり、頻度が多かったりすると、少し気になってしまうところがありました。
 撮影技術で勝負する番組だと思いますが、最後に撮影カメラマンとか照明スタッフの名前がなかったことがあったような気がします。そういうカメラマンや照明の方の名前が出れば、さらに張り切ってよりよい映像を撮ろうと努力するのではないかなと思いました。

委員長 プロデューサーの野田さんがおいでになってますから、ご指摘がありましたことについてお願いします。

社 側 「あじわい通り・上田」に関しましては、当初、もう少し上田の町の歴史というものを盛り込んで紹介しようかと思ったのですが、時間的制約がありまして、お店を通して学生街を紹介するということで、そこのお客さんの話とか、あじわいというものを中心にやってみました。なにげない店、何ということもない店が居心地がよいときもあるものですから、そういうものを出せればと思いました。“ぼかし”の話がありましたが、この番組をどうにかして他の番組と差別化しようと、ものを正面から撮ったりしないで、斜めから撮ったりとか、その中にぼかしもあるのですが、確かに長かったり、頻度が多いと見たいものがよく見えないということがあるので、導入部分ぐらいの使用におさえる方向で考えようかなと思っております。

委 員 私は、「早春の釣り・ヒカリに魅せられて」「春の宴、花見御膳」それから「パスタが好き」の3本を見ました。「花見御膳」と「パスタ」はいわゆるグルメ番組という感じで、私達が知らないところ、あるいは知っていてもそういう料理が出るとは知らないというのがありまして、思いがけなく拝見いたしました。盛岡に、パスタの店で有名な店が、あんなにたくさんあったのかと思いました。「春の宴」で感じましたのは、非常においしそうで豪華な料理を出していましたが、お花見であれを食べるとしたらどれくらいの金額なのかなと、料金の表示があればお花見の材料にもなるのかなと思いました。
 やはりテレビ岩手らしい感じを受けましたのは、「早春の釣り」で、カメラマンの方の、カメラ撮りが実に良くて、私も魅せられました。登場した3人の方は、淡々として、まったく気負いがなくて、釣り人にありがちな傲慢もなく、非常に良かったと思いました。気分のよい30分でした。岩手では、サクラマスというのは定着されていますが、その子供を“ヒカリ”というのは知らなくて、あの番組は、大変良かったと思いました。
 「夢・見る・ピノキオ」は、私の場合ビデオでしか見られません。夜10時30分まで起きていられないものですから、先日の日曜日はナイターの延長で11時で大変でした。日曜日、私が必ず見るものは、「いつみても波瀾万丈」というおもしろい番組なのですが、その後は、子供向けの番組が放送されますが、「夢・見る・ピノキオ」とチェンジしてもらったら続けて見られると思います。「夢・見る・ピノキオ」はよく見てみると大変おもしろいし、役に立つ番組だと思います。

委 員 私は、「夢・見る・ピノキオ」の初回に協力させていただき、ごく早い段階で、この番組の裏側を見て、何人ぐらいのスタッフで作っているということがわかっていますので、本当によくがんばってやっていると思います。毎週のことなので次から次へとテーマを準備しなければなりません。そういった中で比較的、いろいろな話題を岩手県の中からよく拾っていただいているのではないかなと感じています。ただ、私などは、今、子供が小さいので、高級なレストランとか、しゃれた喫茶店にはほとんど行けないわけです。だから、ちょっとグルメっぽい特集が続きますと、こういうところにはとても行けない、いいなと思うけどだんだんうらめしくなってきてしまいます。ときどき、家族でのキャンプとか、あるいは、家庭に持ちこんで料理をするとか、家での楽しみというのも紹介して下さってますので、そういう部分もこれからやっていただきたいと思います。私の立場からしますと、子供連れでも楽しめるという雰囲気もあってもいいかなと思います。
 それから、たまたまその時間帯で拝見したのが、「あじわい通り・上田」で、私は、岩手大学を卒業しているものですから、本当によく調べたなと感心しました。学生さんを連れてきてリサーチしたのかなというぐらいで、もう最後は光楽園で焼きそばを食べて終わりだよというと、本当にそうでして、取材力には脱帽しました。そういう食のおもしろい取り上げ方もよいですし、町シリーズというのをこれからも期待したいと思います。趣味で楽しんでいる人たちや、ファッションとか生活全般に話題を広げていただければさらにおもしろくなると思っています。

委員長 今のお二人のご意見に関してプロデューサーの方からどうぞ。

社 側 「春の釣り」の取材の時はまだ寒かったのですが、ヒカリは確かに、銀色をしているものですから、釣りというものから春の色を捜しに行こうと思いまして、画面では暖かそうに見えますが、本当は死ぬほど寒かったんです。川の中に入ってますから釣りは紹介できたのですが、そういった本当に出したかった色というのがなかなか出なかったなと思いました。それから、今の委員の御発言からネタを1ついただいたような気がします。今まで考えつかなかったような、例えば、野草を取ってきて家で料理するとか、そういうのもおもしろいと思います。貴重な御意見ありがとうございました。

委 員 私は、「早春の釣り」というのを見せていただきました。私の趣味として釣りはないものですから、ヒカリという魚自体知りませんでしたので、そういった面では、こういう魚もいるのだなということがわかり勉強になりました。フライフィッシングを見ていてむずかしいし、寒そうだし、自分の生活には絶対入ってこなかったテーマですので、一般的には料理番組の方が視聴率が上がるのかな、釣りを趣味としない人がどれだけ見るのかなと感じながら30分見させていただきました。出演した3人のうち1人がうちの調理場のマネージャーだったものですから、どういった料理を作っているのかということで個人的には趣味を持って見させていただきました。
 話はかわりますが、しばらく前に、今のマスコミ報道の中で、中学生の暴力が社会問題になり、中学生全体に対し今、何を考えているんだという取り上げ方がされていることについて、女子中学生の投書が新聞に載っていたのを見ました。その子の弟さんが5才で難病に冒され、700万円という医療費がかかり、家にはお金もないしどうしようと、その女の子は自分の弟が難病だと知られたときに皆がどう思うかということを考えたけれども、学校で募金活動をしてみたそうです。そしたら、知らない人たちもがんばれと言ってくれたそうです。問題を起こす中学生ばかりでなく、よい中学生もいっぱいいるのを感じたということをその投書で書いていました。ですから、マスコミで取り上げる時も、今の中学生はこういった事件が多いという取り上げ方、それは一部の人間、本当に一部の人間であるということもわかる取り上げ方をしていただかなければと思います。私の子供にも中学生が二人います。一連の報道はどうも神戸の殺人事件から始まっていると思うのですが、社会問題かもしれませんが、本当に今、中学生が全員そうかというとそうではありませんので、そのような形でのマスコミの取り上げ方はもう少し考えていただきたいと思います。バタフライナイフを持つ子供が取り上げられていますが、それはほんの一部の子供たちです。
 最後に、ナイターのことですが、9時24分を最大延長としていますが、ちょうどよいところで終わってしまうので、できれば終わりまでやってほしいと思います。先程野球が延長すると次の番組の放送が遅くなるので困るという話がありましたが、ちょうどよいところなものですから、できれば巨人戦は終わりまで放送していただければありがたいと思います。

委 員 私は、「夢・見る・ピノキオ」4回分を拝見させていただきました。くつろぎながら見るという感じで、あまり堅苦しくなく、先行き不透明でどうなるかわからない世相の中で、番組のコンセプトがそうなわけですから、1つの清涼剤といいますか、すっとながめて肩がこらなくて、そういうものがどういうテーマと結びつくかがポイントという気がします。悪い言い方をしますと、こういうものだけに浸っていていいのかという気がしないわけではないのですが、この番組には1つの位置付けがありまして、以前放送した「TVステーションいわて」ですか、これはどちらかというと社会的な問題点を掘り起こすという視点で、格調高く、コンセプトとしてはよくできていて、番組としては一切文句がない感じがしています。
 個々の内容について申しますと、「早春の釣り」は山に行くわけですが、これは言ってみれば非常にぜいたくなことで、普通にはできないわけです。「花見御膳」にしても、こういう立派で豪華な料理がここにあるということで、言ってみれば、疑似体験として普段我々が体験できないことを自分も体験したような感じで、精神的には多少不満が残っても、すっとするようなところがあると思います。
 先程御意見がありましたように、「上田通り」で取り上げた店は、学生がコンパをやると安くていいと、“とくちゃん”とか“さわ”とか具体的な店はかなり覚えて知っているのですが、どうも最近元気がないですよね。どうしても、大通りにある居酒屋チェーン店とか、確かに安くてうまいので、わざわざ上田に留まっていなくても街に出た方がよいという雰囲気があって、学生諸君は中央に流れているようです。そのあたり、日中見るとさびれたというか昔の活気がないというのが我々残念なのですが、そういう面でちょっと現実とは違うのではないかということと、そういうお店が取り上げられて、また何か活性化ができればよいということも感じました。それから、「花見御膳」これは、取材先が花巻、北上となぜあえて盛岡をはずしたのか、地方の掘り起こしということだったのか、お花見というと、私たちは身近で何か食べられるものが出てくるのかと思ったのですが、ちょっと豪華すぎる料理だと思いました。それから「銀河ドリームラインの旅」というのもJR釜石線は経営的に楽なところではなく、廃止とまでは言わなくとも、それなりにきついところで、確かにおおらかというか、ゆとりのある楽しみもある反面、現実とするとなかなか厳しいというものを背後に感じました。
 この番組が、先程申し上げました夢とロマンをという形で、そういう視点で見ていった場合、よく作られていると思います。

委員長 局側の方からお願いします。

社 側 当初は「夢・見る・ピノキオ」の位置付けをどうするかということでいろいろあったのですが、コンセプトとすると、まず、料理については値段を出さない、“現実”ではなくて“夢”というとらえ方からです。そういう意味で、番組内ではフィリップも出さない、最後に問い合わせの電話番号は出します。情報ではなくていわゆる疑似体験といいますか、そこのお客さんになったつもりで、30分を楽しんでもらうというコンセプトでやっています。どうしても内容としてはグルメものが一番多いのですが、やはり「釣り」にしても、先週の「パスタ」にしても、職人の「花見御膳」にしても作る人の哲学といいますか、そこまで踏み込まないと単においしいですよ、という番組になってしまいます。だから、食材にこだわって、「花見御膳」であればおそらく値段をつけると何万円するかわからないわけで、テレビが職人技の発表の場みたいになっていると思います。値段をどうつけるか、あれと同じものを食べれるのかという具体的な話は出しません。そういう形でやってますので、同じグルメ番組をやるにしても、食材とか職人技ということで、若干切り口を変えているところがあります。食べ物だけやっているような番組にはしたくないので、「釣り」もそうですが、人間模様をなるべく出していくということです。
 BGMについても、先日はめずらしく邦楽を使いましたが、60年代、70年代に私たちが聴いたなつかしいカーペンターズのような路線でいこうと考えています。マンネリを打破しながら、“継続は力なり”という言葉がありますから、むしろ他の番組と差別化して、こだわった方がよい番組かと思います。もう1つ、なるべくたくさんの方に見ていただきたいということで、そういう努力はしていかなければならないと思います。
 第一回で取り上げた学校は、この間廃校になりまして「夢・見る・ピノキオ」でもやりたかったのですが、「ニュースプラス1」の方で特集を組んでやりました。一回一回がテレビにとって文化的な財産になってきますので、あれをまた何年か後に、第1回で取り上げた子供たちのその後を訪ねる企画とか、玉山村の薮川に移り住んだ東京のマンガ家の子供たちを春からずっと追いかけているのがありまして、こういったものも継続的にやりたいと思います。何年か後にこういった世の中の世相が見えてくるようなテーマもあり、集大成して「ピノキオスペシャル」のような形で一時間番組にしてやってみてもよいのではないかと考えています。

委 員 食べ物の話が出てましたが、確かに切り口はたくさんありますが、それにこだわりすぎない方がよいと思います。確かに「釣り」でもあまり、食材というか食べ物のシーンが連続するとグルメ番組としてとらえられてしまうところがあるので、無理に結びつけることはあえてしない方がよいという気がしました。

委 員 私も「早春の釣り」を見させていただきました。近くで岩手山の伏流水を使ってヤマメを養殖しているところがございますが、そのヤマメとヒカリ、あれだけすばらしい光といいますか、銀色といいますか、ああいう色は養殖場で見たものとはまったく違った色だったと感じました。それがやがてサクラマスになって、画面では水の中にもカメラが入っていて状態がよく伝わってきました。釣り人は短気な人が多いという話を聞いたことがあるのですが、最後に釣ったものを静かなきれいな水の中に再度もどしてやるところが、非常にすばらしく感動を覚えました。やはり、人間も自然に携われば気持ちもおだやかになるのだなという感じがしました。非常に釣り人の気持ちがわかって、あそこで釣ったものをその場で火をおこして焼いて食べるのかと思っていたら、最後にそれを放してやったところに釣り人とはこういうものでなくてはならないと思いました。すばらしい番組でした。

委 員 私は、普段この「夢・見る・ピノキオ」をあまり見てないんです。今回は、「早春の釣り」と、「銀河ドリームライン」を見させていただきました。私は釣りの趣味はございませんが、ただ、あれを見て釣りの楽しみというのは感じることができました。河原で料理をして食べるのを見てうらやましいなと思いました。
 「銀河ドリームライン」ですが、辛口で見ますと、絵ハガキ的で、もちろん30分という時間が限定されているわけですから、ああいう紹介になるのかなと思いました。やはり、我々が興味を持つ場合、個々の町の中で生きている人間が結びついて人の苦労とか、努力とかそういう人生模様、先程局長さんが言いましたが、人間模様と言いますか、そういうものが入って初めて、その土地柄が伝わりますのでそういうものを入れないとどうも絵ハガキを見ているような感じがします。特に私、腰が悪いものですから座り心地のより椅子を手に入れまして、それでテレビを見ているのですが、眠くなってしまいました。人間の生活とか、営みとかと結びつかない地域紹介だったからではないかなと思いました。例えば、「パスタ」は一部しか見なかったのですが、食材を見つける苦労、あと料理の苦労ですか、そういうものを生かした中で、初めて、提供されたものに対する評価が出てきたときに興味としてわいてくると思います。料理そのものが出てきてもあまり興味はなく、そこに人間的なものが加わって興味がわいてくるので、そうした場合に、時間的な制約の中でどのように描き出せるかということを感じました。

委 員 「早春の釣り」ですが、私、花巻で豊沢川の清流化協議会で川の清掃をしているんですが、ダイオキシンとか、環境ホルモンとかがテーマになってまして、梁場を作ろうという話もあり、頭の中にそういう思いを持って拝見しました。大変美しい理想的な川がたくさん出てまして、確かに昔はどの川もこうだったのだろうなと、あるいは、このように川をきれいにしたいものだと思いながら見ていました。すばらしい情景だったと思います。そういう意味で見れば、大変関心の持てるものだったと思います。聞きもらしたかもしれませんが、“ヒカリ”というのが海に下るという表現があったと思いますが、私はしろうとなものでわかりませんでした。
 私のかかわっているグループ会社の1つで花巻にレストランがございまして、そこが4月5日の放送で取り上げられました。中華料理のシェフの1人がインタビューをされたのですが、彼はほとんど日本語は話せませんのでどうだったのかとあとで聞きましたら、テレビ岩手さんの方で通訳をわざわざお連れになったということで、私も大変喜びましたし、インタビューされた側も喜んでいました。お店の宣伝になるというのではなくて、取材を受けた人を動機付けできるという部分があると思います。4月19日放送の「パスタ」の番組の中に花巻のお店がありましたので、きのう実際に行って食べてまいりました。以前は正直申し上げまして、花巻でパスタのおいしい店はないと思っていて、そこのシェフがイタリアへ修業に行ったということも知らなかったのですが、テレビを見た後で行きましたら、お店の人も非常に積極的に説明をしますし、店がずいぶん活気づいていました。やはりそういう意味では、視聴者が実際にその店に行って、その番組の効果をあじわえるのではないかと思いましたので、先程委員がおっしゃいましたように人間の営みという意味では、地域情報として、非常に有効な番組だと思っています。

委員長 委員の方からいろいろなご意見が出ましたが、まとめさせていただきます。今回は、「夢・見る・ピノキオ」についてご意見いただいたわけですが、総じて、地元に密着して、非常に良い番組であったという評価をいただきました。ある委員の表現では、大人のメルヘンとか、清涼剤といった番組ではないか、あるいは、別の委員からご覧になると、目立たないところにスポットを当てて、素直にいろいろな情報を取り上げている、あるいは、身近だけれども自分で体験のできないものを、疑似体験として、体験させてもらえるそんな番組ではないかという表現でお誉めをいただきました。
 特に少ないスタッフの数で非常に良く取材をして調べておられるということで、料理関係でも単なる有名料理人を使った料理番組ではなく、地元の人たちのこだわりを表現したり、あるいは、釣りをテーマにしても単なる大物釣りをねらうような企画ではなくて、地元の人たちと自然や季節との関係を深めるような番組であるという評価をいただきました。また、番組全体を通じて、カメラワークがすばらしかったという評価をいただいています。特に「早春の釣り」と、「あじわい通り・上田」に人気が集まったような気がしました。
 一方では、ご注文も出ておりまして、料理番組は、わりに手軽に視聴率を稼げるけれども、あまり頻繁に料理関係をテーマにしない方がよいのではないか、というご意見がありました。それから、せっかく良い番組で、幅広い視聴者が楽しめる番組なので、もう少しみやすい時間帯に移してもらえないかというご要望がありました。それから、絵ハガキ的にあまり平版にならないように人間の営みとか、地域性を深めてもらったらもっとよい番組になるのではないかというアドバイスもいただきました。
 また、本日は「夢・見る・ピノキオ」以外の番組にもご意見が出まして、1つには、最近中学生の暴力とか、犯罪の報道が世の中をにぎわしているけれども、世の中の圧倒的な中学生というのは、もっと素朴で良い子たちが多いし、それぞれに悩み、あるいは、感動したりしているのでそういったようなところも取り上げてもらった方が世の中全体の動きによい影響を与えるのではないかというようなご意見が出ました。それから、ナイターについては、途中で切ってもらったら困るというような意見と、それで後の番組の放送がずれたら困るという両方の意見が出ました。以上、まとめさせていただきましたが、局側の方でコメントございましたら、よろしくお願いします。

社 側 いろいろなご意見ありがとうございました。「ピノキオ」については、制作側の我々から言うのもおかしいのですが、岩手地区ではめずらしく、洒落たつくりの番組ではないかなと思っております。いろいろな見方はありますが、委員の方、それぞれの意見の中で述べられておりますように、岩手の豊かな風土、自然、食、文化を夢とロマンで料理するという若干、非日常的なものといいますか、あえてそういう主旨の番組を作っています。だから、我々もああいう生活をしてみたい、ああいうものを食べてみたいという、現実とは若干遊離したものをあえて番組の中で作って紹介しているとご理解していただきたいと思います。全体としては非常に完成度の高い番組だと思っておりますが、もう少し注文すると、ジャンルをいろいろと広げてテーマを多岐にわたってやった方がよいかなと思っておりまして、その辺は今後努力したいと思っております。
 ナイターにつきましては、CSで地上波の前後をフォローしていまして、ケーブルテレビの35チャンネルをつけていただくと試合終了までご覧になることができます。地上波では、無制限に延長するのは、営業的にむずかしいので、その辺はご理解いただきたいと思います。

社 側 「銀河ドリームライン」は非常におもしろいネタだと思うし、非常に興味のあるものがあったのですが、やはり、私も先程の委員の御意見と同じようなことを感じました。
 またBGMについて、若い人は、勉強する時でも音楽を聞きながらということで、テレビもあれでよいのかなというところもあるのですが、ちょっと大きすぎたり、ここは画面を見たいというようなところまで全部入っているというのは気になります。BGMはもっと神経質なくらいに考えてほしいなと思います。これは、我々の年代だからそう思うのかもしれません。
 それから、料理についても確かに疑似体験できるのはいいのですが、あまりにも生活実感と遊離したものにしてしまうと、かえって面白味がなくなってしまうと思います。画面に料理の値段は出さないというけれど、全然関係のないところで料理を作られてもあまり実感がないのではないか、興味がわかないのではないかという気がします。自分たちの日常生活とはちょっと違ったところで紹介されても、こういうものも1回やってみようかとか、こういう店もちょっと行ってみようかというようなつながりがないとダメだと思います。そういう意味では何万円もかけて作る料理というのはどうかなという気はしまして、そういう点も気を配らなければならないと思いました。

委 員 私も、音楽に対してはひっかかりがありました。ときには静寂があってもいいのではないかと思います。確かにずっと流れていて、普段は耳あたりがいいのですが、それが最後までいってしまうと、かえって印象が、という気がしました。メリハリがあって、時には静かな語らいが入ってくると非常に印象が強いかなと思いました。
 それから、料理では、たまには、とんでもないこちらは縁がないというものがあってもよいと思いますが、それが続くと別世界のものという感じになるので兼ね合いが大切だと思います。そう逸脱してはいないとは思いますが、気をつけられた方がいいかと思います。これも年のせいかもしれませんね。

委 員 音楽は、私も見てて、この音楽だれがつけたのかなと言ってしまったことがあります。家族もこの音楽と画面がちょっと合わないような気がすると言ったことがたまにあります。

社 側 BGMは、一歩間違うと制作者の押しつけになる可能性があります。あまり押しつけがましくなく、謙虚な気持ちで入れていくようにしないと、確かに個性的な番組は必要ですが、10人のうち3人がよくても残りの7人が邪魔と感じるようならやっぱりやめた方がよいのかなという部分もあるので、そのあたりがむずかしいところだと思います。

委 員 キー局ですと画像を考えてきちんと作曲をして手間ひまと金を延々とかけていますが、地方局ではそれができないというハンディはあると思います。

社 側 「釜石線」はなかなかおもしろそうな感じはしましたね。東和の“フォルクローロ”は感じが良かったし、知らなかったものですから、一度ここらあたりを散策してみたいなと思いました。番組の中味ではたしかに物足りない部分があったかなと思います。

社 側 この番組は、身近でいろいろな情報をみなさんに提供するというような主旨で作っているということをご理解願えればと思います。年代によって受けとめ方も異なると思いますが、若い人もわりと楽しんで見られるのではないかと思っております。

委 員 日本テレビは視聴率三冠王ということで、これをテレビコマーシャルでおっしゃっていたのですが、あれは視聴者に知ってもらいたいという目的ではないですよね。視聴者側からすると、異質な感じがするのですがどうでしょうか。

社 側 実は、日本テレビではなくて、テレビ岩手が三冠王ということでこのチラシと同じ内容のことをやっております。一般の視聴者、特に若い方は、フジテレビ系列が、岩手ではめんこいテレビですが、視聴率がよいと思われている方が非常に多いです。実際にはうちが見られているのだと知っていただきたくてやってます。あくまでもPRです。

社 側 社内でも、「こういう形で社のPRをするのはどうも」という意見もありました。

委 員 1つの方針ですね。

社 側 フジテレビが10年にわたって三冠王を取った時に、やはりかなりPRをしました。それでずっとくやしい思いをしまして、日テレが好調でテレビ岩手も継続して三冠王を取っているそういった意味で視聴者に対するPRも必要ではないかなと思っています。

委 員 正しい情報をということですか。

社 側 情報とはとられないと思うのですが、局のいろいろな実情を知ってもらうことができれば現場としてもありがたいことだと思います。

委 員 かなり短いCMですよね。見ているうちにあっという間に終わるという、短いわりには強烈なインパクトを感じますし、遠慮しているのかなとも思います。いきなりガツンと耳に入ってきてエッという印象が強かったものですから、やさしい声で言った方がいいのかなと思います。情報を提供するというか、設定するにはいいのかなと思いました。

社 側 あれは3秒スポットです。日本テレビの番組のPRスポットは通常だと15秒単位ですが、12秒のものもあり、そのおしりの方に3秒間入れています。あの内容ではあまり長くやるのもしかたないものですから、三冠王、視聴率が好調ということをわかってもらえればよいと思っております。
 また、「夢・見る・ピノキオ」の放送時間についてご意見が出ましたが、確かに、ある年齢層の人たちにとっては非常に見づらい時間帯の放送だと思います。特に4月、10月などはナイターがある上に、特番があるため、初めから11時とか、ナイターでずれるとさらに遅い時間になります。自社制作の番組については広く紹介したいという気持ちがあるものですから、「夢・見る・ピノキオ」は土曜日の17時30分などの枠で再放送をして、少しでもご覧になるチャンスが多くなるように考えております。もっと見やすい時間帯で放送できればと思いますが、日本テレビの番組もあるものですから、なかなか理想的にはいかないということで努力はしております。なお、視聴者の苦情の声を番組審議会で報告することが法令で義務付けられており、毎回、視聴者の御意見をまとめたものをお配りしておりますが、「夢・見る・ピノキオ」の時間帯に日本テレビで放送されています「電波少年」とダウンタウンの番組は、テレビ岩手では一週遅れで放送されているのですが、これを日本テレビと同じように放送し、「夢・見る・ピノキオ」を他の時間に移してほしいという声もあります。これについては、自社制作番組でローカル情報を知ってもらうことも必要ということでご理解をしていただいています。そういった声が我々編成部の方にはたくさん入ってきますので、それを生かしたよい番組を作っていければと思います。

委員長 それでは、たくさんご意見が出ましたが、審議はこれで終わります。次回の予定をお願いします。

事務局 次回の番組審議会についてお知らせします。次回は5月19日、第3火曜日ですが、午後1時30分より開催いたします。テーマは、「ニュースプラス1」で、報道部が力を入れておりますダイオキシンについて、過去のもの、これから放送のものをダイジェストにして皆様にはお見せしたいと思います。尚、当日もビデオを用意しますが、あらかじめ編集したものを皆様に郵送いたしますので、お時間がありましたならご覧いただきたいと思います。以上です。

前回(1998.03)《==
 ==》次回(1998.05)

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